【足の健康 Vol.02】外反ぼし・足底腱膜炎の正体

ざっくり言うと
2019/01/01 NHKマイあさラジオ 健康ライフ「健やかな足のために②」
形成外科医 桑原靖さん
足のねじれや変形がトラブルを生む

くらし・健康

2019/01/01

放送を聴く
2019年1月1日(火)放送より

記事を読む

「足のアーチ」の崩れが足のトラブルを招くそうですが、具体的にはどんなトラブルがあるのでしょうか。

桑原さん: クリニックで患者さんの足のトラブルを見ておりますと、女性の第1位が外反ぼし。全体の20%を占めます。男性の1位は足底腱膜炎(そくていけんまくえん)。これも2割強を占めます。
いずれも、「外反ぼし」という名称だからぼしが悪い、「足底腱膜炎」という名称だから足底腱膜に問題がある、と思われがちですが、いずれも根本的には「足のアーチ」の崩れが原因です。

外反ぼしについては、例えばヒールを履いたりきつい靴を履いたりするから親指の骨が出っ張るのかな、とも思うのですが。

桑原さん: 皆さんそのようにお考えなんですけど、違うんですね。原因は「足のアーチ」の崩れで、遺伝的に引き継いだ足の形と機能そのものにあるんです。外反ぼしは、必ずしも靴が原因というわけではありません。裸足で暮らす人でも外反ぼしになります。間接的に後押しはするかもしれませんが、靴は直接の原因ではないんです。生まれもった足が崩れやすい形と機能であると外反ぼしになりやすいのです。

どんなふうにアーチが崩れているのですか。

桑原さん: 簡単に言うと、立ったときに土踏まずがベターッと地面についてしまう人は、親指の関節にかかる負担が非常に大きく、踏み返しのときに少しずつ関節技をかけられるような感じになります。「足のアーチ」が崩れると、連動して親指の関節がねじれるんです。アーチが崩れると親指が内側にパタンと倒れるんです。
アーチが崩れたままかかとが上がっていくときに、足の親指の付け根の関節がパタンとねじれたまま踏み返そうとされるので、関節がロックされているのに踏み返されてしまうと痛いんです。親指の関節は、必ず上を向いてないと曲がらないんです。関節が外れそうになります。外れそうになるので最初は痛いんですけど、外れていくと痛くなくなります。その状態が外反ぼしの重度な状態です。
外反ぼしの初期の人は、アーチが崩れてへん平足で、踏み返すときに足の親指の付け根が痛い。外反ぼしが進行していくと関節が完全に外れるので痛みはないですが、変形がものすごく進行して靴に足が入らない状態になります。

外反ぼしは、腫れた状態ですか。

桑原さん: 外反ぼしは関節が脱臼した状態です。

どうやって治すのですか。

桑原さん: 脱臼した関節は手術でしかもとに戻りません。大体2泊3日か3泊4日の手術で対応します。

アーチの崩れの根本原因は治っていないわけですね。

桑原さん: アーチの崩れは手術では治りません。靴のインソールなどを使って、アーチを下から立体的にグッと持ち上げてあげて、親指がねじれないように本来の足の形に戻す必要があります。

では、男性に多い足底腱膜炎とは、どんな症状でしょうか。

桑原さん: 「足のアーチ」は、足の裏、足底腱膜が下から裏打ちしていて、底辺を成しています。その底辺、足底腱膜はかかとの骨から始まって扇状に広がり、それぞれの指にくっついています。三角形や扇型の形をしていて、その頂点、収束点がかかとです。「足のアーチ」が崩れると、足底腱膜は「足のアーチ」を下から支えているので、ピンと張るんです。その力の収束点は、その頂点であるかかとなので、かかとが痛くなる炎症が起きるんです。
朝起きたときに足のかかとが痛い、というのが最初の症状です。歯を磨いたりトイレに行ったりしているうちに治ってしまうんです。だから気にもとめないんですが、だんだんかかとの痛みが、出勤するときも痛い、昼まで痛い、というふうに続いていきます。それから昼も痛いのが夜まで治らず、1日治らず、ずっと治らない。ひどい人は1~2年痛みが続きます。
痛みが続くと、それをかばって反対側の足に荷重をかけながら歩くので、変な歩き方になり、今度は反対側のかかとまで痛くなってくる。結果的に両かかとが痛くなってしまい、ひざまで痛くなってしまう。このような悪循環を繰り返している方が多いです。

足底腱膜炎はどうやって治すのでしょうか。

桑原さん: 1年も痛いような人は、「治らないんじゃないか」と思って不安になるんですけど、ステロイドの注射1本で1週間か2週間ぐらいでスッと痛みが引いてしまうことが多いです。

ただ、原因がアーチの崩れにあるとしたら、そのアーチの崩れ、つまり根本原因は取れていないので、また痛くなるのですか。

桑原さん: いったんは治りますが、半年ぐらいたつとまた痛くなってしまうことが多いです。したがって、根本原因である「足のアーチ」の崩れを、外反ぼしと同様にインソールを使ってアーチを戻すことによって再発を予防できます。

この場合もインソールなしで治療しようとしても、うまくいかないのですか。

桑原さん: インソールの効果は高いんですが、ストレッチをうまく活用すれば、初期の足底腱膜炎はセルフケアで治せます。

どこをストレッチするのですか。

桑原さん: ふくらはぎの裏です。いわゆるアキレスけんのストレッチで伸ばすと、足底腱膜炎は治すことができます。第5回で詳しくやり方を説明したいと思います。

2019/01/02 NHKマイあさラジオ 健康ライフ「健やかな足のために③」につづく

放送を聴く
2019年1月1日(火)放送より

Related Articles関連

Latest新着

トップページへ戻る