【介護心理 Vol.04】排せつにまつわるトラブル

ざっくり言うと
2018/10/18 NHKマイあさラジオ 健康ライフ「介護する人の心が少しでも軽くなるために④」
介護者メンタルケア協会代表 理学療法士 橋中今日子さん
自分や家族だけで解決しようとせず、介護用品や専門家の手を借りる

くらし・健康

2018/10/18

放送を聴く
2018年10月18日(木)放送より

記事を読む

排せつにまつわるトラブルは、介護する方にとって非常に大きなストレスになるそうですね。

橋中さん: 一番多い悩みは、排せつに関することです。わたしの経験で言うと、認知症の祖母の大便がびっくりするようなところに落ちていたりしました。本人に悪気はなく、自分で汚れたものを片づけようとしていたんですが、とっさに「何してんの!」と叫んでしまいましたね。叫んだことに対して罪悪感もあり、祖母に悪気がないこともわかっている。祖母を思う気持ちはあるけれど、憤りや悲しさなど、いろんな感情が湧きました。

においはなかなか取れないものですよね。

橋中さん: いろいろ試してもなかなか取れない尿臭や、臭いけれどどこが原因なのかわからないとか、対処しきれない問題が山積みです。家にいると気づかなくなり、たまに帰ってきた娘に「家が臭いよ」と言われてショックだった、というケースもあります。きちんと世話ができていない、と責められた気持ちになる方は多いですね。

そういった場合、どうアドバイスをなさっていますか。

橋中さん: 介護する側にとって、夜間のトイレへの移動と手伝いが大変ですので、部屋に置けるポータブルトイレをおすすめしています。夜に歩くとふらつくなど危ないので、ベッドのすぐそばにポータブルトイレがあれば、1人で済ませられますし、トイレへ行く回数を減らせます。夜に起こされる回数が減るでしょう。
それに、高齢者が便意を感じてから移動するまでの間に失敗することも多いです。ポータブルトイレなら、すぐにトイレに行けるメリットも大きいでしょう。

本人が拒否する場合は、どう説得しますか。

橋中さん: 使ってみないと便利さはわからないので、まず提案から始める。
「手伝いがつらくなって、しっかり寝られる日を増やしたい。だから、協力してもらえないかな、試してもらえないかな」と正直に提案するのがいいと思います。

介護用のパンツなど、さらにハードルが高い介護用品を利用する場合はどうでしょうか。

橋中さん: わたしの祖母の場合、施設のスタッフがすすめてくださったんですね。専門家やプロからのアドバイスであると、プロだからこその視点や説得力もありますし、本人の信頼感も違うと思います。

ケアの道具はどんどん進歩しているそうですね。

橋中さん: 取れにくい尿臭や、なかなか洗えない布団の汚れなどに悩まれる方はたくさんいらっしゃいます。何度も洗っても失敗して、結局捨てるか、そのまま使ってもらう。わたしも、そういったことを繰り返して落ち込んでいました。
尿臭とか、高齢者の体臭、湿布臭など、いろんなにおいに対応した消臭剤や、尿臭に特化した洗剤などが今はあります。
昔と違って新しい商品が次々と開発されています。より快適なもの、より進化したものを、どんどん使って、快適に生活していきましょう。

その他に、何かアドバイスはありますか。

橋中さん: こういうケースもありました。
お父さんを介護している娘さんからのご相談でした。2週間ずっとお父さんの下痢が止まらず、1時間おき、もしくは20分・30分おきにおむつを交換するので、疲弊しているというご相談でした。
医師や訪問看護も関わっているケースだったので、「医療関係者に、相談しましたか」と尋ねると、「まだ相談していません」とおっしゃったんです。結局、主治医に相談したら薬が変わり、途端に下痢が治まりました。
「おむつ交換」に重点を置くと家族の問題になってしまいますが、下痢が続く、尿が少ないといった悩みは医療問題としてとらえることが重要です。その場合は、遠慮せずに訪問看護師や医師に相談しましょう。

用具や医療体制などを整えることで状況が変わり、心が安らぐケースがあるのですね。

2018/10/19 NHKマイあさラジオ 健康ライフ「介護する人の心が少しでも軽くなるために⑤」につづく

放送を聴く
2018年10月18日(木)放送より

Related Articles関連

Latest新着

トップページへ戻る