「スポーツ」がテーマの書評バトル

ざっくり言うと
稲葉茂文さんのおすすめは『リヴァプール・キャッツの冒険』
原雅子さんのおすすめは『イチローに糸井重里が聞く』
2020/01/10 NHKジャーナル 文化流行「対決! ミニ・ビブリオバトル」

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文学

2020/01/10

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発表者が読んでおもしろいと思った本を3分以内に紹介し合い、リスナーの皆さんが読みたいと思った本に投票する「ミニ・ビブリオバトル」。1月のテーマは「スポーツ」です。3回連続でチャンプ本を獲得している元古書店経営の稲葉茂文さんと、読み聞かせをしながら各地のビブリオバトルに参加されている原雅子さんの対戦です。


稲葉さんの発表本は、『リヴァプール・キャッツの冒険』(山際淳司 集英社)。ラグビーの本場イングランドに、リヴァプール・キャッツという猫のラグビーチームがあった。ラグビーを愛する猫たちの、叙情あふれるラグビー讃歌ともいえる作品です。

原さんの発表本は、『イチローに糸井重里が聞く』(「キャッチボール」製作委員会 朝日文庫)。現役時代、メジャーリーグで活躍し続けるイチローに、糸井重里が投げかけた言葉のキャッチボール。ヒットを1本打つことのうれしさや難しさ、道具論、金銭哲学など、ふだんあまり聞けない本音を引き出した作品です。

稲葉さんと山田キャスター

今回で4度目の出演となる稲葉さん。スポーツに関する本のセレクトは悩まれたとのことでしたが、貫禄さえ感じられるプレゼンでチャンプ本を獲得しました。「ミニ・ビブリオバトル」最多タイとなる4回連続での獲得です。おめでとうございます!

おふたりの感想です。

稲葉茂文さん: 全くの運動音痴で「スポーツ」とは無縁な私ですら、これを読めば「リヴァプール・キャッツ」の15匹に「シックスティーン」として加わりたくなってしまう、そんな本です。叙情的でまるで散文詩のようなラグビー賛歌、その魅力を伝えることができてうれしいです。
リスナーの皆様のお便りによれば、猫好きの方からの投票も多かったようですが、その層からの支持は全くの想定外で、そういうところもまた「ビブリオバトル」の魅力ですね。実はこの本は絶版で、現在入手困難な状況です。山際淳司さんの作品は、独特の文体でアスリートの心理を活写したノンフィクションが多いのですが、『リヴァプール・キャッツの冒険』は特に作者のロマンティックな面が強調された小説として、貴重だと思います。私の発表を聴いて興味を持たれた方が、図書館や古本屋でこの本を探してくださったらうれしいです。

原雅子さん: 運動やスポーツが大の苦手なので、テーマが「スポーツ」と伺ったときは少々困惑しましたが、プロの世界で生きる方々が発する真摯で力のある言葉に感銘を受けることが多々あるので、その方向で行こうと思いいたりました。
『イチローに糸井重里が聞く』では、イチローがその包容力で、212人のファンの熱気を温かく迎え入れている様子が感じられます。「イチローの言葉」というくくりでは他にも多くの書籍がありますが、糸井重里との対談だからこそあらわれ得た、イチローの人間力を知ることができると感じています。
当日は、お約束の時間までに無事NHK放送センターにたどり着く! というミッションに神経を使い果たした(笑)ことと、ご一緒した稲葉さんの物腰の柔らかさにも救われ、現場ではあまり緊張せずに済みました。朗読をしているので、「聴きやすい声」と「伝わる」ことを心がけようと、それだけを考えていました。キャスターの皆さんが目の前でうなずいたり笑ったり、大きく反応を返してくださるのがうれしく、話しやすくて助かりました。とてもいい経験でしたし、楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました!

投票してくださったリスナーの皆さんからは、こんな声が寄せられました。

<昨年のラグビー人気もありますが、興味をそそられるラグビー&猫の組み合わせは魅力的で、最初の説明から読みたい! と思いました>
<今のイチローと過去のイチローを知ることで、未来のイチローを知りたいです>
<初めて投稿させていただきます。なかなか分かりやすく、大変勉強になります。きょうの「バトル」も、すごく理解しやすかったです>


稲葉さん、原さん、そして投票をしていただいたリスナーのみなさん、ありがとうございました。次回の「対決! ミニ・ビブリオバトル」は、2月7日(金)を予定しています。こちらもどうぞお楽しみに!

前回の「時間」がテーマのミニ・ビブリオバトル(2019/12/16放送)の記事はこちら

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