久々のピアノ・レッスンで思い出した「脱力」と「歌うこと」

ざっくり言うと
今月の注目曲:ユニークなコードと言語感覚がおしゃれ 藤井風「優しさ」
今月の思い出の曲:ピアノが“歌う”独奏曲 チャイコフスキー『四季』より「6月 舟歌」
2020/06/27 マイあさ! 「ヒャダインの音楽室」ヒャダインさん(音楽クリエイター)

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2020/06/27

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2020年6月27日(土)放送より

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長い自粛生活の中で、私、ピアノの練習を再開いたしました。小さいころは毎日ピアノのレッスンをするのが当たり前だったんですが、曲作りのほうに忙しくなってしまったと言い訳して、もう何十年とブランクが空いてしまっていたんですね。
なんですが、今回の自粛生活で、毎日ハノンだったりスケールとアルペジオとか練習するようになったんですよね。すると、大人になってから分かる部分が大変多い。
ピアノって、「脱力」がめちゃくちゃ大切なんです。私も久しぶりに練習したらなかなかできず、最初は腱鞘炎(けんしょうえん)みたいになったんですが、脱力できるようになると…ピアノだけではなく、毎日の生き方に関しても「脱力」が非常に大切なんだな、と痛感しました。
力を入れるところと抜くところをはっきりと分けていないと、全部力んでいると、疲れちゃってすべてが台なしになる。ピアノの練習を通じてよく分かりました。
いろんなアスリートも「脱力が大切だ」「ほぼほぼ力を使ってない」みたいなことを言っていたりするので、これから「脱力」というのは自分の中のキーワードになるんじゃないかな、なんて思っております。

今月の注目曲 藤井風「優しさ」

藤井風は岡山出身の1997年生まれ、23歳のシンガーソングライター。親の勧めでなんと12歳のころからいろんなアーティストのカバーを動画投稿サイトに上げて人気に火が着いて、ことしデビューを飾った男性シンガーソングライターなんです。
彼の和音ですね。「おしゃれ」という言葉では収まらないコードが普通じゃない。ものすごく独特で、彼にしか表現できないようなコード展開になっているんです。それがまた嫌みではなく、音楽的に優れすぎていない。「天才だな」と感じさせつつ、歌詞の世界観もすばらしい。岡山出身ということもあって、「何なんw」などといった曲では岡山弁を交えながら歌っていくんですが、なんだかおしゃれに感じるんですね。
「このおしゃれさって何なんだろう?」と思ったときに、日本のブルース界を代表する上田正樹さんも、ただのブルースじゃなくてシティ・ポップのおしゃれさがあったんです。それに通ずるところがあると思っていたら、先日藤井風さんが上田正樹さんの「悲しい色やね」をカバーしていて「やっぱりな」と思いました。
というわけで、ぜひ皆さんもチェックしてみてください。

今月の思い出の曲 チャイコフスキー『四季』より「6月 舟歌」(演奏:ヴァン・クライバーン)

この曲のメロディーラインは歌いやすいといいますか、まさに「舟歌」とタイトルに「歌」がついているだけあって、ピアノなのに雄弁に「歌う」。このイメージがとてもおもしろい。
16~17歳の私は、当時ピアノの先生から私の演奏は「歌ってない」と言われたのがとても印象深かったんです。「そのうち歌を歌うようになったら、もっとうまくなるだろうね」と言われていたんです。
当時の私は「ん? 何を言っているんだろう?」と思っていたんですが、私も40(歳)になりました。いろんな歌を歌って作ってきて、そのあとにこの曲を弾いたら解釈が変わった。「ピアノで歌うって、こういうことなんだ」ということをとても思わされた1曲ですね。


音楽室で待ってます。ヒャダインでした。

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2020年6月27日(土)放送より

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