湯船につかろう

ざっくり言うと
国際医療福祉大学教授 前田眞治さん
温熱・静水圧・浮力効果あり。足湯もおすすめ
2019/11/04 マイあさ! 健康ライフ「入浴で健康に①」

くらし・健康

2019/11/04

放送を聴く
2019年11月4日(月)放送より

記事を読む

――前田さんはリハビリテーション科で入浴の効果について研究されています。どうしてお風呂の研究をしようと思われたのですか。

前田さん: 実家が温泉旅館をやっておりまして、お風呂そのものが身近でした。
毎日のように湯船につかる習慣があるのは日本人だけです。「世界有数の長寿国・日本の健康の秘けつは、入浴習慣にあるのでは?」と思ったのが研究の始めたきっかけです。

――毎日お風呂に入る習慣があるのは日本だけですか。

前田さん: 海外ではシャワーのみが多いですし、バスタブがありましても、ゆっくりつかってリフレッシュするというより、あくまでも「頭や体を洗うスペース」といったような位置付けです。

――毎日お風呂に入る習慣が健康づくりに役立っているのですね。

前田さん: 1万4000人の高齢者を調査したところ、毎日湯船に入って入浴している人は、入らない人に比べて、3年後に要介護になるリスクが29%も低かったんです。
「入浴は健康寿命を延ばす」と言ってもいいと思います。

――お風呂の健康効果には、どんな効果があるのでしょうか。

前田さん: まず「温熱効果」です。体が温まれば、血管が広がり心臓の動きもよくなります。そうすると、たくさんの血液が体中を巡るようになり、血流もアップします。血流がアップすると、体の老廃物・疲労物質を排出する力も高くなります。
また、体温を1度上げれば、免疫に関与するリンパ球も増えると分かっています。免疫が高まるため、かぜをひきにくくなるだけではなく、がんなどの病気にもなりにくくなるんです。

また、「静水圧効果」があります。お風呂に入ることによりまして、全身まんべんなく水圧にさらされます。全身マッサージを受けるようなものです。
長時間立ち続けていらっしゃる方は、足に血液がたまりやすくなりまして、それがむくみにつながります。水圧で締めつけられることにより、血流がよくなります。たまっている血液を心臓に戻すことができるんです。

そして「浮力効果」。私たちには常に重力がかかっております。しかし、浴槽につかることで重力から解き放たれます。関節や筋肉への緊張が緩むので、体とこころに対するリラックス効果が高いんです。

――こうした効果は、シャワーでは得られないのですか。

前田さん: シャワーでは、体の芯から温まることはできないんです。水圧の効果や浮力の効果もございません。
唾液中にクロモグラニンというストレスを計測できる物質があります。これを測定しますと、リラックスしているかどうかが分かります。
入浴では前後でクロモグラニンが低下しておりまして、ストレスが軽減していることが証明できました。一方で、シャワーではクロモグラニンは低下せず、リラックス効果はシャワーでは得られないことが分かりました。
「シャワーは体をきれいにするだけ」と思っていただいてもいいと思います。

――入浴してはいけない場合はありますか。

前田さん: 疲れすぎてしまってクタクタのときは、入浴しないほうがいいです。入浴のパワーに体が反応できずに、よけいに体調が悪くなったり倒れてしまうことがあるからです。
また、お酒に酔っているときや、二日酔いのときも、やめておいたほうがいいと思います。頭痛・吐き気・悪寒など、症状がひどくなることもあります。

――そんなときはどうすればいいですか。

前田さん: 足湯です。服を脱いだりすることがなく手軽ですぐに用意することができます。しかも、シャワーを浴びるよりずっと疲れが取れるんですよ。

――足湯で疲れが取れるのはなぜですか。

前田さん: 足を温めるだけでも、全身の血の巡りがよくなります。そうしますと、疲労物質が洗い流されて疲れが取れるんですね。

――おすすめの足湯の作り方について、教えてください。

前田さん: 深めの風呂おけやバケツに、40℃ぐらいのお湯を張ってください。最初はぬるめがいいと思います。心臓にも負担がないですからね。

――お風呂より少しぬるめですね。

前田さん: 40℃ぐらいがちょうど気持ちがよく、ビクッとしないので、心臓には負担にならなくてすみます。
足をつけてから3分ぐらい経過いたしましたら、どうしてもお湯が冷えてきますので、足し湯をしてください。足し湯は少し高め、42~43℃ぐらいまで上げていただいていいと思います。
何度か足し湯をしながら、20分ほどつけてください。

――何分ぐらい続ければいいのですか。

前田さん: 20分ぐらいでいいと思います。そうしますと体の中の温度が上がりますので、リラックス効果が出てまいります。

「入浴で健康に②」

放送を聴く
2019年11月4日(月)放送より

Related Articles関連

Latest新着

トップページへ戻る