経営の鉄則教えます

ざっくり言うと
取引実績が銀行との信用を得る最善策
融資を受け、日本経済をプラスにしていく
2019/08/04 マイあさ! 「著者からの手紙」 『「節税・無借金」経営は今すぐやめなさい』久保龍太郎さん(株式会社Qvou 社長)

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2019/08/04

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2019年8月4日(日)放送より

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『「節税・無借金」経営は今すぐやめなさい』の著者、久保龍太郎さんにお話を伺いました。この作品は著者が経営の鉄則について記したビジネス書です。
久保龍太郎さんは1981年、神戸市のお生まれです。アメリカのノース・カロライナ州、ウォーレンウィルソンカレッジを卒業、2005年大学卒業と同時に祖父が個人事業で始めた保険事務所の代表取締役となり法人化。株式会社Qvou(キューボー)を創業しました。
現在、生命保険・損害保険・太陽光発電・リノベーションなどの事業を手がける同社の代表取締役をお務めでいらっしゃいます。


――本の冒頭で、「一般的に常識とされている健全系は健全ではない」と繰り返しています。無借金節税は健全ではないということなんですね。

久保さん: 健全経営というのは究極的には会社を潰さないこと。これが経営の第一優先なんですけれども、日本の中小企業の社長さんというのは真面目な方ほど「借金は悪だ」ということで融資を受けずに自分の資金だけで頑張って現金が回らなくて倒産してしまう。こういうのは、銀行からあらかじめ融資を受けていると回避ができるので、現金を持ちながら経営するというのがいちばん健全。だから、「無借金」イコール非常にリスクの高い経営だと考えています。

――節税をせずできるだけ借金をして手元の現金資産を増やす方法について指南されているわけですけれども、無借金のデメリットとして「無借金だと銀行はお金を貸してくれない」という実情をあげています。
銀行から信用を得るにはどれだけ多く借り、そして返しているかという「取引実績がものを言う」という指摘ですよね。

久保さん: 銀行からしますと、ずっとお付き合いがある方に対しての融資というのが、やっぱり一番やりやすいですね。というのは、例えば人間関係で言いますと、ずっと子どものときから付き合いがあって、社会人になってもたびたびメシに行くような友達が「ちょっとごめん。ボーナス来るまでお金が足らないから、申し訳ないけど10万円貸してくれ」ってなると貸す確率は高いと思うんですよね。
これが道を歩いていて、いきなり正面の人から「すいません10万円貸してくれませんか?」と言われると、まず、貸さないと思うんです。
銀行はお金を貸すのが仕事だったとしても、やはり貸しやすいのは信用がある方。この信用っていうのは今まで無借金というのは全然信用にならないんですね。今まで無借金なのに急に借金したいってことは何かあるんじゃないのかと、今まで、他から銀行融資を受けてないっていうのは、何かここ怪しいんじゃないか、他の銀行から融資断られているんじゃないかなと。そういう意味で、まず取引実績として返済をきちっとしてきた、もともとのお付き合いがある方というのが、銀行からすると非常に融資がしやすいです。

――卸業者への現金一括前払いを推奨しています。売掛や手形でない現金一括前払いにして卸業者から割引をしてもらえば、その割引率が銀行に支払う金利を超えることがあると。よって、銀行からお金を借りて現金一括払いすることを勧めるというわけですね。こうしますと卸業者は売掛金回収のリスクが減ります。銀行は貸し出しが増えます。会社は利益が増えると。「三者が皆よし」となるいうことですね。このサイクルの重要性について教えてください。

久保さん: 商品を卸す問屋さんであったり、卸業者さんや商社さんが考えてしまうのは回収のことなんですよね。商品を会社に卸して、そのあと支払いが1か月後とか2か月後。「この会社さんは本当に返してくれるのかな?」と。で、1年間の取り引きで、何十社何百社に1社が倒産すると考えると、やはりその倒産するコストを組み入れないと商売として成り立たないと。そうなったときに「前払いで一括でお支払いしますよ」となると、卸会社さんの立場で考えると商品全部販売して「3割利益が残ります」と。これが全額前払いであれば25%ぐらいでもリスクがないので「それであればいいですよ」と。こういうのは、実際の取引で本当によくあるんですね。そうすることによって5%割引が可能だとすると、サイクルでいうと、1か月とか2か月ぐらいのサイクルなんでしょうね。
じゃあもしこれ、2か月サイクルとすると、1年間でいうとそれが6回あるわけなのでインパクトを生み出すと。
いま日本の銀行は本当に皆さん1%、2%という低金利で貸してくれますので、現金だけはきちっと確保して会社の利益をどんどんどんどん押し上げていくと。銀行さんもお金貸さないと商売になりませんから。銀行さんからしたらの預かったお金っていうのは負債なので金利を払わなきゃいけないですから、彼らは貸さないかぎり食っていけないわけですよね。

――貸したいわけですね?

久保さん: 貸したいわけなんです。
「三方よし」これは日本経済全体にとっても非常に重要なことではないかなと思います。

――複数の銀行から金を借りることを勧めています。「1行(こう)から5000万円借りるよりも5行から1000万円ずつ借りるのが良い」ということですね。こうしますと久保さん、なんとなく多重債務といった言葉が頭をよぎりますけれども、経営においては、これは違った観点で考えたほうが良いということなんですね。

久保さん: メインバンク1つっていうのは会社にとって非常にリスクが高い状態です。「この支店長はイケイケだからどんどん貸すよ」「この支店長は非常に新規渋りがちだよ」っていう。銀行の支店長さんは本当に3、4年で変わりますので、新しい支店長が来て、ぴたっと凍りつくわけなんですね。弊社も、数年前にどんどん融資してくれた銀行さんが、いま現時点では「すみません全く融資できないです」という銀行さんもいます。ここの人によって左右されるところですね。
1つの銀行だけメインバンクで、ほかはお付き合い無いというのは、非常に危険なので、あらかじめ複数の、それも信用金庫・地銀・メガバンク…できるかぎり多い銀行さんとの取り引きが重要ではないかなと。

――この本は一貫して、手元資金を増やすために節税せず銀行からお金を借りることを勧めているわけですけれども、久保さん、中小企業の経営者たちは、どんなところから意識改革をしていけばいいとお考えでしょうか。

久保さん: まず本当に日本の中小企業の黒字倒産っていうのが、数がやはりすごい多いんですね。売り上げもきちっと上がっていて、取引先との信用もあって従業員もみなさん頑張っている。
なのに、ある取引先からの入金が半年、1年遅れたという資金繰りの詰まりで倒産してしまうっていう、本当に悲しい事故が日本ってすごい多いんです。どれだけ売り上げがあり、どれだけ利益があっても会社って潰れるんですよね。現金が無ければ。
1回立ち止まって考えていただきたいのが、いわゆる1億円という現金。この1億円というお金を常に会社の預金にプラスアルファで持っておくっていう、これの安心感というのをちょっと考えていただきたい。今の法人の口座にプラス1億あったら、だいぶ気持ち的にも違うよねと。じゃあそれの金利はいくらかってなると今の日本の銀行では1%台ですので、1億円融資を受けても100万円なんですよ。かかるコストというのが。
じゃあ「あなたの会社にアルバイトの方は何名いますか?」と、1人のアルバイトの方に1か月8万円払っていると、これで年間100万円ぐらいです。じゃあ、アルバイトの方が1人辞めたり1人増えたりしてあなたの会社は潰れますかっていうと、どんな中小企業の社長でも「いや、そんなんじゃ潰れないよ」と。「じゃあ1億借りてください」と。借りて置いておくだけでいいので、それを使わないだけでパートの方1人分の人件費で、何があっても結構耐えられる会社になる。この融資の金利っていうのを安心の保険料という形で考えていただくのが、やはりベストなんですね。日本の経営者の方って、保険好きな方が非常に多いので、ちょっともうかったら保険入って経費で落として、という形で節税をしますと、税金を払わなくて済んでも現金は手元に無いわけですよね。会社の純資産がたまらないので、銀行から融資を受けられないんです。そうじゃなくて、節税というのは一切全部止める。で、法人税をきちっと納めて、会社の純資産をどんどん積み上げて銀行から融資を良い条件で引っ張って。そこは経営されている方は今からでも銀行に飛び込んでいくと。あなたの周りにいる銀行さんというのは、お金を貸したくてうずうずしてる状態なので、ぜひとも扉を叩いてほしいですね。
それが結果的に、融資額がどんどん増えていくと日本経済にとっても、どんどんプラスになっていきますので、中小企業の経営者の方、一緒に融資を受けて頑張っていきましょう。

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2019年8月4日(日)放送より

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