窒息したときの応急手当

ざっくり言うと
日本医科大学高度救命救急センター助教 五十嵐豊さん
素早く応急手当をすれば、喉を詰まらせても救命率が上がる
2019/06/05 マイあさ! 健康ライフ「もしものときに! 覚えておきたい救命法」

くらし・健康

2019/06/05

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2019年6月5日(水)放送より

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窒息にも注意が必要なんですね。

五十嵐さん: 窒息が原因で亡くなる方は年間約9000人に上り、不慮の事故による死因の第1位を占めます。これは交通事故で亡くなる方の3倍近くにもなります。しかも亡くなる人のほとんどが高齢者なので、これからも増加し続けると考えられます。

高齢者で窒息が増えるのはどうしてですか。

五十嵐さん: 高齢になると、食べ物を飲み込む機能が低下したり、気管に食べ物が入りそうになったときに咳(せき)を出そうとする咳反射が低下します。唾液が十分に分泌されなくなると、食べ物が喉に詰まりやすくなります。

近くにいる人が窒息しているかどうか、どのように判断できますか。

五十嵐さん: 窒息したときの特徴的なサインがあります。

・両手で喉をつかむ
 これはチョークサインといって、窒息したときに最も多いサインです。
・顔色が急に真っ青になる
・急に声を出さなくなる
・食事中に突然うなだれる

こうしたサインに気付いたら、どうすればいいでしょうか。

五十嵐さん: 1つでも当てはまったら窒息している可能性があります。詰まった食べ物を吐き出させる窒息の応急手当を行います。

【窒息の応急手当】

窒息した人に見立てた人形がうなだれたような状態になっています。

五十嵐さん: 異物を取り除く窒息の応急手当には2つの方法があります。
まず、おなかを強く押し上げて喉に詰まった食べ物や異物を吐き出させる「腹部突き上げ法」をご紹介します。
窒息している人を立たせて、体を起こした状態にします。

抱え込むような形ですね。

ウエスト付近に手を回す

五十嵐さん:後ろに回り、ウエスト付近に手を回します。一方の手でへその位置を確認します。
へその上、みぞおちよりも下の方に当てるように、片方の手で拳を作ります。もう片方の手で拳を包み込むように支えます。

親指側をおなかに当てるようにして、素早く、手前上方に向かって、圧迫するように突き上げます。

少し上の方へ、手前に引くという感じですね。

すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げる

五十嵐さん: これを5回繰り返してください。

後ろから抱きかかえるようにして、おなかの部分をグッと締めつけるように押し上げるんですね。

五十嵐さん: 強くおなかを突き上げることによって、腹部や胸の中の圧が高まって、詰まっていたものが外に出やすくなります。

窒息した人を立たせるのが難しい場合、どうすればよろしいですか。

五十嵐さん: もう1つの方法、背中を強くたたく「背部叩打法(はいぶこうだほう)」を行います。
窒息している人のやや後方から、胸もしくは下あごを片手で支えて、うつむかせます。

人形がイスに座った状態ですけど、少し前かがみにして片手であごを支える。

肩甲骨と肩甲骨の間を強くたたく

五十嵐さん: 続いて、もう片方の手の親指の付け根辺りで、詰まらせた人の肩甲骨と肩甲骨の間を強く5回ほど迅速にたたきます。

このくらいでしょうか。

五十嵐さん: 回数にとらわれず、異物が取れるまで行います。

5回たたいて確認したらいいですか。

五十嵐さん: 強くても大丈夫です。

こんな感じでしょうか。

五十嵐さん: 意識がなくなったら心肺蘇生に移行します。

窒息状態なので、意識がなくなることも十分考えられる。

五十嵐さん: 酸素が足りなくなると、意識がなくなったり心臓が止まるので、心肺蘇生を行う必要があります。

自分が詰まった場合、周りに人がいなかったり1人暮らしであったりしたら、どうすればいいでしょうか。

五十嵐さん: まずは咳をして、詰まったものが外に出るように何度も咳をしてください。

窒息の救命率はどれぐらいですか。

五十嵐さん: 家族が応急手当を行って異物が取れた場合では救命率は約7割です。一方、取れなくて救急搬送されて病院で取れた場合、救命率は1割になります。家族の命を救うためにも、窒息の応急手当を行ってください。

マイあさ! 健康ライフ「もしものときに! 覚えておきたい救命法④」につづく

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2019年6月5日(水)放送より

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