宮本浩次① 「後半生も歌手で生きていけたら」

ざっくり言うと
貴重なオフは昼寝や古本屋街でぶらぶらと
「道半ば」の感覚で突き進むソロ活動
2019/10/28 ミュージックライン 【ゲスト】宮本浩次

音楽

2019/10/28

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【出演者】
南波:南波志帆さん(MC)
宮本:宮本浩次さん


休日は古本屋街でリラックス?

南波: 今回は宮本さんがソロ作品を持って来てくださいました。お久しぶりです。
宮本: お久しぶりです。だいぶたってたんですね。
南波: きょうもよろしくお願いします。
宮本: よろしくお願いします。
南波: お会いしてない間、お元気でしたか?
宮本: いろいろ…コンサートをやったり、いろいろ悩んだり、それを解決したり、いろいろ繰り返して生きています。
南波: お忙しい毎日だと思いますが、お休みはありました?
宮本: ズルズルしちゃうんですよね。休みなのか休みじゃないのか、よくわかんないんですよ。みんなそうなのかもしれないけどね。例えば、たまに水曜日とかで時間があって、気付かないうちに終わってる。昼寝しちゃったりとかね。
南波: お昼寝するんですね。
宮本: 昼寝とか、ボーッとしてるうちに過ぎてて。もはや休みだか何だかよくわかんないですよね。
テレビとか見ながら寝るのが…「楽しみ」と言うとすごい話なんですけど。それは至福の時間に近いですよね。将棋とか見ながら。将棋とか、結構のんびりしてるじゃない。そうやって寝ちゃったりとか。
南波: ダラダラする時間もあるんですね。
宮本: ダラダラっていうより、私の場合はズルズルしてる感じ。休日だから、朝5時に起きて車に水をかけて掃除とかできればいいんですけど、意外にズルズルしちゃうんだよね。休日を有意義に、何か自分の趣味の時間とかに過ごせたら…。
でも、この間、古本屋街に行ったりして。それは楽しかった。たった1時間半ぐらいだったけど、すごく楽しかった。
南波: 掘り出し物も見つかったり?
宮本: 私、若いときに…20歳前後、10代かな? 神田の神保町ってとこに古本屋街があって。
南波: いいですね。
宮本: 子どものころから、お城の本を。姫路城が今は世界遺産になってるけど、お城の本が好きで探しに行ったりして。世代ごとの思い出…小・中・高・大、最後は社会人になってからの…「社会人」っていうのかな? 歌手になってからの思い出が、神保町にはありますんで。
いろんな本。夏目漱石とか、普段お目にかかれないフローベールとか…別にフローベールは好きじゃないんだけど、フローベールとかの全集がドーンとある。そういうのを見るだけでかなりリラックスしましたよね。
南波: 神保町は街自体にも趣がありますしね。
宮本: そうだね。独特の雰囲気があったり、カレー屋さんがいっぱいあったりね。

歌を愛する気持ちは変わらない

南波: エレファントカシマシ30周年イヤーを終えて、今年はソロとしての活動を行っていらっしゃいます。ソロ活動を決められたのはいつごろだったんですか?
宮本: エレファントカシマシは、中学校の友達でやってまして。私、今年53(歳)なんですよ。バンド結成したのも、もともと1年6組の同級生だったのね。私と、ドラムのトミ(冨永義之さん)とギターの石くん(石森敏行さん)と。ベースの成ちゃん(高緑成治さん)は高校時代の同級生。同い年でやってて。13のときから結成してたから、極端に言っちゃうと、エレファントカシマシだけで言うなら結成40年ぐらいたってる。
私が入ったのは中3のときなの。だから、37~38年ですね。始業式のときに、私、ギターの石くんと友達だから。
非常に幸せなことに、NHK紅白歌合戦も30周年で出て。そういう30周年イヤーだった。去年がデビュー30周年だったのね。2018年が。
それでひと区切りでもないんだけど、幸い、紅白に出たり、(さいたま)スーパーアリーナでツーデイズ、スピッツやミスチルみたいな日本のスーパー・バンドとエレファントカシマシが一緒になって。祝祭感があって、2018年はいい年だったんですね。
そのあとにソロ。ソロはずっと、子どものから歌謡曲大好きだったし。それこそNHKの合唱団で…。
南波: そうですよね。
宮本: 何度も同じ話ばっかして恐縮だけど、このスタジオで、私、「はじめての僕デス」っていう歌を…ここじゃなかったかな? でも、このフロアで録ったりしてたのね。
南波: そのころから、ですもんね。
宮本: 歌が好きだったの。小学校のときの山口先生。小学校1年生のときにね、山口先生に…小学校の1年だから6歳ですよ。男の先生だったんだけど、その山口先生以外、小・中全部女性の先生だったの。まあ、いいんだけど。その山口先生が「君は歌がうまいね」って言ってくれた。
ソロっていう意味では、<みんなのうた>で「はじめての僕デス」を歌ったでしょう。それから40年だったりしてる。偶然いろんなものが30周年イヤーに重なってたのね。ずっと歌は歌いたかったから。
家族でさ、川崎大師ってとこに行ってたんですよ。毎年正月になると東京から初詣で、家族4人で車に乗って。
南波: いいですね。
宮本: 父親が運転して。みんな、今も初詣は行くのかな?
南波: 行きます、行きます。
宮本: 家族で行ったりするのかな? そのときに車の中で歌ったりとか、あと、修学旅行のバスで移動するときに、ずっと「おやじの海」って歌とか、クリスマスの歌とか、テレビのアニメソングとか歌うのが好きで、マイクを取ったら離さない。…そのころからソロ・シンガー。
南波: ソロ活動をするうえでのテーマや「こういうことをやってみたい」というイメージはあったんですか?
宮本: いやあ…難しい。今、まだ渦中にいてね。まだアルバムも出していないし、ツアーもやってないけど、いろんなことをやりたいって思ってますね。まだまだその途中だと思うんですけれども、いろんな歌を。
歴代日本にも、世界にも、いっぱいいい歌はあるから、カバーも含めて、いろんなこと、いろんな曲をやりたいって思ってます。
南波: 今はやりたいことがどんどん湧いてきている状態なんですね。
宮本: 子どものころ、小学校のころから、何しろ歌が好きだったんだよね。
歌謡曲も好きでね。土曜日や日曜日になると、それこそラジオでベストテン番組がやってたの。それはAMでもFMでもやってて。それを、本当にかじりついて聴いてたし。歌が好きなんだよね。ずっと歌っていられたらいいと思います。
南波: ずっと純度の高いままで愛し続けることはすてきなことですね。
宮本: ありがとうございます。バンドももちろん大好きだけど。
ロックは、(ザ・ローリング・)ストーンズとか、俺たちだとRCサクセションとか(ザ・ストリート・)スライダーズとか、あとYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)なんかも、われわれが子どものころヒットしてて。それと歌謡曲。
ロックのスタイルはあとから学んだの。中学校ぐらいになってから、クラスメートがKISSを好きだったり、RCがはやってたり、そういうのがあってね。ストーンズとか(レッド・)ツェッペリンって、大人になってから勉強したんですよ。
自分には、歌謡曲。ジュリーとか。歴代の歌謡曲って、スーパーマンみたいでしょ。本当にたくさんいて。子どものころまでは、小学校6年までは、歌謡曲一本やりだったから。ずっと歌手になりたかったから。
幸い、今、エレファントカシマシをやって30年。これから後半生、まだまだ歌手で生きていけたらと思ってます。

コラボでも、身ひとつで「そのまま行く」

南波: ソロとしての作品を発表する前、昨年は椎名林檎さんや東京スカパラダイスオーケストラの作品に参加されました。
宮本: 楽しかったですね。うれしかった。
林檎さんにしろ、スカパラにしろ、超一流の日本のトップ・ミュージシャンと一緒に歌えるのが楽しかった。「楽しかった」というか、名誉なことだと思った。全力でやりました。
南波: それぞれ作品に参加して、どんなことを感じましたか?
宮本: すごいですよ。みんな、歌が大好き、音楽が大好きな人たちだから。
自分のジャンルとはまた違う感覚があって。例えば、林檎さんの歌だとジャズだったり、スカパラはスカっていうのかな。最初、歌を合わせるのが大変で。
南波: 宮本さんでもですか?
宮本: 我流でやってるから、わからないです。ずいぶん有意義というか、すごかったね。ビジュアルも含めて…。
スカパラは男気あふれる人たちでね。スタジオに入っていったときに、9人がずらっと並んでる。全裸で。
「宮本くん、まあ一緒に風呂でも入ろうぜ」
こんな感じだったから。…これもおもしろくないから飛ばしちゃってください…(笑)。
南波: おもしろいです(笑)。
林檎さんはどんな感じでしたか?
宮本: 妖艶というんですかね。すごく素敵な人で、歌に対する情熱が強かった。
リズムがわからなくて、いろいろ教えてもらいました。私、おまけに音符も読めないもんだから、教えるのが大変だったと思う。
南波: 宮本さんは感覚的にやられますか?
宮本: いや。感覚的にやるのは、自分のバンド、エレファントカシマシでやるとき。みんな気心の知れた仲間ですから、わがままに、我流にやるんですけど。
コラボだと、その人の世界観もあるじゃない。邪魔しちゃいけないわけだし。徹底的に、そこに入る。
何でもそう。映画とかドラマの主題歌をやるときでも、全力でそこに、メンツになるように頑張る。
南波: ライブで共演する機会もあったと思いますが、バンドと違う緊張感はありましたか?
宮本: そうですね…ただ、ステージが「用意されている感じ」っていうのかな。ある種、「このまま行ける」っていうか。エレファントカシマシでやるときは、いろんな部分をやるわけですけど。
例えば、椎名さんのコンサートであるとか、スカパラのコンサート、私、どちらもすごいステージに参加したんですよ。今思うとびっくりしちゃいますけど、そういうときは「そのまま行く」感じですよね。
南波: 身ひとつで?
宮本: はい。
南波: 緊張もされましたか?
宮本: もちろん緊張します。「盛り上がるといいな」って思ってやります。

SNSも「今までやらなかったこと」に挑むソロ活動の一環

南波: 今年はソロ活動でいろいろなご経験をされてきたと思いますが、その中でも印象的だった、インスタ・デビューをされました。しかも手書きなので、インパクトがすごいです。このアイデアは?
宮本: これ、まだ途中でね。私もなかなか…山で言うならば「富士山の5合目」っていう言い方あるじゃない。まだ「2合目」ぐらいの感覚。
私はソロを「今、途中の段階だ」って自分では位置づけていて。来るべきツアーもあるし、アルバムも作るでしょ。それらを世の中に問うてもいない状態にいて、振り返る感覚がまだ自分の中にはないんですね。
ただ、インスタグラムで言うなれば…あれは「写真日記」って呼んでるんだけど。
「冬の花」って曲もそうだし、今回の「Do you remember?」もそうなんだけど、エレファントカシマシっていうもので、今までやってないこと。自分で、今までは「こうしたほうがいいんじゃないか」って思ってることがたくさんあって。インターネットは、私も素人中の素人…ああいうものには素人もないのか、そういう意味ではみんな素人なんだけども。でも、使ったことがなかった。自分から、例えばブログとかツイッターで発信したこともなかった。
自分でソロになるにあたって、「新しいことを絶対やりたい」って思ってたし、ホームページも、「宮本浩次らしいもので、みんなにも届きやすいものにしたい」っていう話はみんなにいつもしてた。具体的には、専門家と話して決めていくんだけれども。
「インスタグラムは直接発信できる」って聞いてたから、それはやりたいと思ってたの。ツイッターにしろ、インスタグラムにしろ、何かできることないかなとは思ってた。「インスタグラム、やりたい」って言ったら、「いいですね」って。半分ぐらいしかインスタグラムの意味、まだわかってないんだけど、それでもみんなが賛同してくれてね。
まだ全然途中。ただ、問われるならば、新しいことをやりたい。エレファントカシマシで自分たちがやってないこと。冒険じゃないけれども、ホームページも「宮本、散歩中。」っていうタイトルにしてるんだけど。自分が今までやってなかったことを、見つけながら進むってことですよね。みんなそうだと思うんだけど。
南波: どういうタイミングで撮ろうと思うんですか?
宮本: 「自分でやりたいときにやるのが一番だ」って思ってる。そこをみんなも信用してくれてるって思ってるから、気が向いたときになるべくしてます。楽しんでやってる感じが伝わるといいな、って思ってるんですけど。
南波: 引き続き、作品たちを楽しみにしております。
宮本: すいません、ありがとうございます。

<ミュージックライン 宮本浩次②>へつづく

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