なんで音楽を聴くと明るい気持ちになるのですか?

ざっくり言うと
わたなべここみさん(中学校2年生・愛知県)からの質問に、篠原菊紀先生が答えます
メジャーコードの曲を聴くと明るい気持ちになりやすい
曲調に関わらず、繰り返し聴いた曲は落ち着きを与えてくれることがある

子ども科学電話相談

2019/05/12

10時台の放送を聴く
2019年5月12日(日)放送より

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【出演者】
石山キャスター:石山智恵キャスター
篠原先生:篠原菊紀先生(公立諏訪東京理科大学教授)
ここみさん:質問者


石山キャスター: こんにちは。お名前を教えてください。
ここみさん: わたなべここみです。
石山キャスター: 今日はどんな質問ですか。
ここみさん: なぜ、歌を聴くと気持ちが明るくなるの?
石山キャスター: ここみさんはよく音楽を聴くんですか。
ここみさん: はい。
石山キャスター: どんな音楽を聴くのが好きなの?
ここみさん: J-POPとか。今はangelaっていう歌手の『暗夜航路』っていう曲にはまっています。
石山キャスター: その曲を聴くと気持ちが明るくなる?
ここみさん: はい。
石山キャスター: では篠原菊紀先生に、どうしてなのか聞いてみましょうね。
篠原先生: ここみさん、おはようございます。
ここみさん: おはようございます。
篠原先生: 音楽に詳しいんですか。
ここみさん: う~ん……。
篠原先生: 何とも言えない?
ここみさん: 音楽は、私にとってちょっと安らぎをもたらしてくれるっていう。
篠原先生: ああ、そうなんだ。えっと、おじさんさ、これからお答えするんだけど、あんまり音楽詳しいわけじゃないけど、メジャーコードとかマイナーコードって、分かりますか。
ここみさん: 分からないです。
篠原先生: ドミソっていう和音とか、ラドミという和音は分かりますか。
ここみさん: はい。
篠原先生: 音楽の後ろに流れる音をコードって言って、ドミソっていう音を中心でやるのをメジャーコードって言うんだそうです。ラドミっていう音が中心にあるのはマイナーコードって言うんだそうです。一般的に言うと、メジャーコードで作られた音楽は明るく楽しい雰囲気になる。「音楽を聴くとどうして明るい気持ちになるんですか」っていう質問だったけど、曲によっては、気持ちがしっとりしてきたり、少しこう暗い気持ちっていう言い方していいのかどうか分からないけど、落ち着いた気持ちになるとかいう音楽もあるじゃないですか。
ここみさん: はい。
篠原先生: そういうのは大体、マイナーコードで作られている音楽が多いんだそうです。だからどういうメロディっていうかコードで曲を作るかによって気分が変わるってことは、脳科学や心理学以前の問題として音楽では古くから知られていて、そういうものを使って、人の気持ちを左右するような音楽を作ってきてたようです。ここ20年ぐらいは、実際にそういう音楽を聴いた時に、心臓の拍動や脳活動がどうなるとか、指先の皮膚抵抗値がどう変わるかを調べて、ストレスがどう変化してどう音楽を楽しむことができるのかを調べられるようになってきています。
どうしてそんなことが起こるのかっていうのが、ここみさんの質問だと思うんだけど、ここみさんの右の耳のちょっと上あたりの脳のあたりで、音のリズムとか歌の抑揚とかを感じ取っています。それからその逆側、左側の耳のちょっと上あたりのところでは、曲の歌詞の理解とかをやっていて、その場所は、脳の奥の感情に深く関わっている部分とよく結び付いています。だから例えばお母さんが子守歌を歌う時なんかも、そういうルートを通して子どもの脳に働いて、いい気持ちになって寝つくということがおきるのも分かってます。だから音楽って、もともと感情と結び付きやすいということなんですね。
そういうことの代表的な研究者として、オックスフォード大学のチャールズ・スペンスって人がよく出てくるんですけど、その人がアンケート型調査で出した結果によると、暗い曲調の曲を聴いていると例えば食べているチョコが苦くなるとか、明るい曲調の曲を聴きながらだとチョコが甘くなるとか、高い音域の曲を聴いてると酸味が増してくるとか、なかなか再現性に問題があると思うんですけど、よく報告されてたりもします。そういうふうに感情と音、あるいは味覚とか触覚とかそういったものは、割と密接に結び付いていて変化しやすいっていうことかと思います。ここみさんは、どういう時に音楽を聴くんですか。
ここみさん: 寝る前とか。
篠原先生: どういう曲を聴きます?
ここみさん: さっきの、angela。
篠原先生: どっちかって言ったら、その曲は気持ちが前向きになるっていうか、目覚める感じの曲?
ここみさん: 目覚めるというよりはちょっと……。
石山キャスター: 落ち着く感じなのかな。
ここみさん: 眠りを助けてくれる。
篠原先生: おじさん、これから言いたいのはね。世の中の人が感じる、目覚めるような曲っていうのと眠くなるような曲っていうのがあるじゃないですか。例えば、ロックやガチャガチャした曲だと目が覚めそうな気がするし、しっとりしたクラシックだと眠くなりそうな感じってあるじゃないですか。一般的にはそうなんだけど、ある曲が好きになると、脳の活動のしかたが変わるんですよ。
例えばロックなんかだと、初めて聴く時は脳が活性化しやすいんです。だけど繰り返し聴いている曲だと、その曲を聴くと脳が沈静化してあんまり働かなくて眠りにつきやすくなってくることが起きるんです。だから多分、ここみさんが寝る前に好きな音楽を聴くと気持ちが落ち着くっていうのは、曲調とは無関係によく聴いている曲だとこういう現象が起きてくるっていうところを、知っておいてもいいのかなって思います。
石山キャスター: ここみさん、どうですか。分かりましたか。
ここみさん: よく分かりました。
石山キャスター: きっと繰り返し聴いた大好きな曲だから、寝る前に聴くと気持ち良くなるのかもしれないね。長調と短調でも、その聴こえ方や感じ方が違うという話でした。また何か疑問があったら質問してくださいね。今日はどうもありがとう。
ここみさん: ありがとうございました。

10時台の放送を聴く
2019年5月12日(日)放送より

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