バックパッカーという生き方

ざっくり言うと
ハンドキャリーという仕事
思い出深いエピソード
2019/12/26 武内陶子のごごラジ! 陶子のここが聞きたい パートナー:黛まどかさん(俳人) ゲスト:片岡恭子さん(プロバックパッカー)

趣味・カルチャー

情報

2019/12/26

陶子のここが聞きたい(前半)の放送を聴く
2019年12月26日(木)放送より

陶子のここが聞きたい(後半)の放送を聴く
2019年12月26日(木)放送より

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【出演者】
武内アナ:武内陶子アナウンサー
黛さん:黛まどかさん(俳人)
片岡さん:片岡恭子さん(プロバックパッカー)


片岡さん

<片岡恭子さんプロフィール>
1968年京都府出身。同志社大学文学研究科修士課程修了。同大学の図書館司書として勤めた後、スペインのコンプルテンセ大学に留学。その後、中南米を3年にわたって放浪。2006年以降は、ハンドキャリーの仕事をしながら、旅行記をブログなどで発信。旅にまつわる講演会も多数開催。これまでの訪問国は51(2019年12月現在)。

武内アナ: バックパッカーのよさとは何ですか。
片岡さん: 行き当たりばったり感がいいですね。何だか知らないけど、ペルー人の家でカレーを作った…みたいな感じがおもしろいです。ただ、観光名所を見た、名物を食べたというだけでは記憶に残りにくいと思います。余白の部分にこそ、旅のおもしろさがあるような気がします。

片岡さんのバックパック(60リットル)
1か月の旅のセットとして持っていくものは…
パスポート、マイレージカード、現地の紙幣、カメラ、スマホ、折りたたみ傘、エコバック、歯磨きセット、手ぬぐい、下着の替えなど。(3~5日分)

黛さん: 旅の持ち物って松尾芭蕉のころから変わらないですよ。

黛さん

ハンドキャリーという仕事

武内アナ: プロフィールでご紹介した「ハンドキャリー」ってなんですか?
片岡さん: 日本語で訳すと「運び屋」です。急ぎの荷物を運ぶバイク便の国際版のようなものです。バイクの代わりに飛行機に乗って、超急ぎの荷物を海外に配達する仕事です。
黛さん: そんな仕事があるのね。あやしく聞こえますが…。
片岡さん: 通関手続きをして、関税を払って、ビジネスビザで渡航するので合法です。国際郵便や船便で送っていたのでは間に合わない。明日朝までに届けないと間に合わないというときに、連絡がきて現地まで持っていくという感じです。
黛さん: どのようなモノを運ぶのですか
片岡さん: 企業秘密なので詳しくは言えませんが、手書きの書類1枚を運ぶ時もあれば、段ボールを何箱も運ぶときもあります。多くは海外の工場で急きょ必要になった、替えの部品や修理に必要な部品などです。1人が持ち込める荷物の制限に引っかかる場合は、3~4人に振り分けて動くこともあります。
武内アナ: 仕事の流れはどんなふうになっているの。
片岡さん: 専用の電話に依頼がきたら、すぐに出かけるという感じです。空港で荷物を受け取り、税関で託送品として申告します。あとは普通の旅行と一緒です。現地に到着したら、滞在目的はビジネスで入国します。荷物を引き取り、輸入品として申告。空港で受取人に引き渡したり、指定された場所までタクシーなどに乗って配達したり、受取証にサインと受け取り日時をもらったら任務完了です。朝アメリカから帰ってきて、夜の便でカナダへ飛んだこともありました。
黛さん: 年にどのくらい仕事があるの。
片岡さん: 年平均35回くらいで、月に2~3回くらいです。多いときで年間42回のときもありました。

武内アナ: ハンドキャリーを始めたきっかけは。
片岡さん: ハンドキャリーをやっていた友人に誘われました。
黛さん: これまでにどんな場所に行かれたの。
片岡さん: アメリカ、メキシコが多いですね。他には、フィリピン、インド、中国、韓国などです。アメリカやメキシコは、何度も行っているので旅でもなく日常の延長みたいなものですね(笑)。
武内アナ: ハンドキャリーの魅力は何ですか。
片岡さん: 自分チョイスでは行かないところに行けることです。さまざまな国での出会いや、機内での最新映画が年間100本は無料で見ることができますしね。そして、なんといってもマイレージが貯められることですかね。
黛さん: でも、いいことばかりじゃないですよね。
片岡さん: いつどこに飛ぶのかわからない、地に足のつかない生活です。忙しいときと暇なときの差がありすぎて、この仕事だけでは食べてはいけません。でも、私には心地よくて、むいている仕事だと思います。

バックパッカーという生き方

武内アナ: 元々は図書館司書をされていて、どうしてバックパッカーを仕事にしようと思ったの。
片岡さん: 仕事、人間関係に閉塞(へいそく)感を感じていたことが大きかったかもしれません。自分自身の再生をかけた荒療治でした。さんざんな目にあったが、ようやく自分の体を慈しむことができるようになったし、この先何が起きてもなんとなかなる。私ならなんとかできるという自尊心が生まれました。

思い出深い国、忘れがたき事件簿

◆スペイン感電事件
・1998年、スペイン留学時に「ピソ(=アパート/シェアハウス)」で初めて死を意識した事件。電気コンロで料理中、煙を出そうと窓のサッシに手をかけた瞬間に感電。

◆パタゴニア雪山遭難(そうなん)事件 (アルゼンチン)
・2002年4月、南半球の秋。ナウエル・ウアピ国立公園に紅葉狩りに。気軽なハイキングコースだったはずが、季節外れの猛吹雪に見舞われてしまった。後ろから追い越していったパーティーの通報で来たレンジャーの助けで、なんとか山小屋へ。あと2時間遅ければ死んでいたそう。手足の指は全て凍傷に。

◆謎の果物での食中毒事件 (ペルー)
・アマゾンの密林のど真ん中にあるイキトスを訪ねた船旅の復路。アマゾンでは乗客が十分に集まるまで船が出ない。出発するまでに3日、船で待った。食事は港の食堂で食べていたが、食当たりに。原因として考えられるのは、パッションフルーツのような酸っぱい果物。見たことも食べたこともない未知の種類で元々そういう味なのかと思っていたが腐っていたらしい。嘔吐(おうと)のあとは下痢と寒気。完治するまでに3か月かかった。あとで知ったことだが、当たりやすいので、現地の人でもほとんど口にしない食べ物だったらしい。

◆耳事件 (ボリビア)
・ボリビアの高地は、日差しは暑いのに風は冷たい。防寒と日焼け止めは必須な地域。あるとき、宿に帰ってシャワーを浴びようとして服を脱いだら、何かが落ちた。え? 耳!? 慌てて手で確認すると耳はついたまま。それは、耳の形そのままにズルっと向けた耳の皮だった。片耳だけ日焼け止めクリームを塗り忘れていたのが原因だった。


武内アナ: 各地で危険な目にあっているのに、なぜまた旅に出るの。
片岡さん: きちんと計算して旅行の計画は立てていますが、まさかの事態が起きることは防げません。ただ、そういう緊急事態に陥ったときに、対処できるということが大事だと思います。

旅行者へのアドバイスと今後

片岡さん: 今まで何事もなかった人は、運がよかったからと思ってください。警察官だって国によっては信用できません。隙を見せないことが大事です。行く前に、情報通に話を聞くなど事前の準備をきちんとしてください。

黛さん: 今後の旅のご予定は。
片岡さん: 言葉が通じない、文字が読めないようなところは異国感満載でワクワクします。予想もつかないことが起きるのがおもしろいから旅を続けるのかもしれませんね。
黛さん: 片岡さんの経験値があってこその旅なんですね。


聴き逃しは1週間です。パスポートなしで、「スリリングな旅」気分を味わえますよ。

陶子のここが聞きたい(前半)の放送を聴く
2019年12月26日(木)放送より

陶子のここが聞きたい(後半)の放送を聴く
2019年12月26日(木)放送より

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