アナログレコードの魅力再発見!

ざっくり言うと
アナログ人気ふたたび
いい音を探し求めて
2019/11/28 武内陶子のごごラジ! 陶子のここが聞きたい パートナー:渡辺真知子さん(シンガーソングライター) ゲスト:有山達也さん(エディトリアルデザイナー)

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2019/11/28

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【出演者】
武内アナ:武内陶子アナウンサー
渡辺さん:渡辺真知子さん(シンガーソングライター)
有山さん:有山達也さん(エディトリアルデザイナー)
※エディトリアルデザイナーとは、雑誌や本、カタログ、教科書といった出版物のデザインを行う仕事。ブックデザイナー(装幀家)が本の表紙やカバーのデザインをするのに対し、エディトリアルデザイナーは、誌面のデザインや編集を行う。


有山さん

<有山達也さんプロフィール>
1966年埼玉県出身。東京藝術大学美術学部を卒業後、デザイン事務所にデザイナーとして勤務。1993年に独立して事務所を設立。雑誌、文芸書、料理本、漫画などのさまざまなデザイン、アートディレクションを数多く担当。東京藝術大学非常勤講師。アナログレコードの収集と、ヴィンテージオーディオをこよなく愛する。

渡辺さん: 若者たちの間でレコード人気が高まっているそうですね。
有山さん: アーティストの中には、新曲をあえてレコードでリリースする動きもあります。アメリカ、イギリスでまずブームになり、日本でも生産数が年々増加しています。
武内アナ: オーディオにこだわるとお金もかかりますよね。
有山さん: この世界にハマると泥沼が待っています。真空管アンプを自作する人もいれば、次から次へ機器をあれこれ買い替える人も。私は、機器をあれこれ買い替えるタイプです。これまでにどれだけ散財したか…。

武内アナ: 海外の機器にもこだわったりしましたか。
有山さん: 視聴したこともない高額のスピーカーをロサンゼルスから船便で送ってもらったり、雑誌で評判のいい機器を取り寄せたりしました。現状に満足できず、もっと良い音があるはずと追い求めてしまいます。
渡辺さん: まさに、終わりなき旅ですね。

渡辺さん

有山さんのレコード遍歴

渡辺さん: いつからレコードにハマったのですか。
有山さん: スピーカーを自分で組み立てるほどハマっていたいとこから、50枚ほどのレコードを借りたのがはじまりです。当時、自分の部屋にあったオーディオセットで、同級生の友人と繰り返し聴きました。
渡辺さん: もちろん大きな音ですよね。
有山さん: 爆音で聴くのがたまらなくて、たびたび親に怒られましたね。
武内アナ: 最初に自分買ったレコードは何でしたか。
有山さん: 田中星児さんの「ビューティフル・サンデー」かな。
渡辺さん: 私は加山雄三さんでした。当時360円くらいだったかな。
武内アナ: 私のころは500円でした。学生だとレコードを買うにもお金がかかりますよね。
有山さん: 貸しレコード店にはお世話になりました。

武内アナ: 今、どのくらいのレコードをお持ちなの。
有山さん: きちんと数えたことはないが、数千枚といったところですね。
渡辺さん: どうやって管理しているの。
有山さん: 事務所の地下にオーディオ部屋があって、ジャンルごとになんとなく分けている感じです。レコードは、1日の終わりのリラックスタイム。レコードを聴いていると仕事のことを忘れられます。

武内アナ: CDが登場したとき、レコードから心は離れませんでしたか。
有山さん: CDにハマり、レコードをぞんざいに扱ってきたときもありました。でも、この3~4年くらいでまた熱が入ってきて、ちょっとでもお金があると買ってしまいます。レコードは、ファーストプレスと再発盤では音が違います。どの工場で何番目の型で作られたかなどで、音が異なるので、よりよい盤を求めて何枚も購入してしまうこともあります。
武内アナ: 同じレコードが何枚もあるということですね。
有山さん: よりオリジナルに近い盤だと、数万円するものもあります。そもそも、レコード自体がいい状態で音を閉じ込めていないと、どれだけ高級なオーディオセットを使ってもいい音は出ないものです。

有山さんのこだわりのオーディオセットでレコードを聴かせていただきました。

いい音を探し求めて

有山さん: アナログレコードの魅力は、一番に音の良さ。そこで、“なぜ音が出るのか”、“本当のよい音とは何か”、音がどんな形をしているのか探ってみたいと思って本を作りました。オーディオメーカーの人や、レコードプレイヤーを組み立て直す名人、名盤レコードを復刻するエンジニア、レコード針をつくる職人さんなどに取材をしました。

印象深かった取材

◆レコード針を生産している秋田県の会社で…
ダイヤモンド製のレコード針は長さ1ミリにも満たない。その極小の針を、ベテランの女性職人が顕微鏡をのぞきながら手作業でカット。音質を左右する針の形状の微妙な調整は、職人の手の感覚にかかっていた。

◆名盤の復刻レコードを手掛けるロンドンの会社で…
オリジナルマスターテープから、当時とほぼ同じ方法でレコードを製作する会社で、ビル・エヴァンスのマスターテープを聴かせてもらった。大音量でも耳が痛くならない。生でありながら自然。実在感があるのに不要な圧はない。
目指す音の1つを見つけた気がした。

渡辺さん: いい音のカタチはわかりましたか。
有山さん: 結論として、これこそが“いい音”だという正解はないということがわかりました。何をもって“いい音”とするかは好みや個人差があります。職人さんひとりひとりに音に対する哲学みたいなものがあり、それをお互いに尊重しあっています。アナログレコードの豊かな音は、職人の卓越した技と、音を記録し再生することにかける、熱い想いによって生み出されているんです。
渡辺さん: 有山さんが熱い!

レコードの未来

武内アナ: 音楽データをスマホなどで聴くのが主流の時代に、アナログレコードの人気はなぜかしら。
有山さん: デジタルネイティブの20代の子たちにとっては、レコードという存在自体、初めて知り初めて目にするもので、レコード盤に針を落とす行為などが新鮮なのだと思います。スマホでピッとボタンを押して聞く音楽とは違う世界がある。いちいち手間がかかるところで、音楽の聴き方、向き合い方が異なるともいえますね。
渡辺さん: オーディオは男性の趣味というイメージですよね。
有山さん: 最近は、女性ファンが拡大しているらしいですよ。“目で聴きがち”な男子に比べ、女子は先入観なしで、自分の心地よい音を探せるみたいです。

武内アナ: これからも“いい音”を探す旅、続きそうですか。
有山さん: まだまだ道のりは長いですね。
武内アナ: 真知子さんはどうでしたか。
渡辺さん: 初めて自分のレコードが出たときのこと思い出して涙が出ました。


「聴き逃し」は1週間。ネットはデジタルでクリアな音声ですが、たまにはAMで生放送もいかが。

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