わがままラジオ

ざっくり言うと
日本が30人の教室だったら
わがままレッスン
2019/11/19 武内陶子のごごラジ! 陶子のここが聞きたい パートナー:林家彦いちさん(落語家)  ゲスト:富永京子さん(立命館大学准教授)

くらし・健康

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2019/11/19

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【出演者】
武内アナ:武内陶子アナウンサー
彦いちさん:林家彦いちさん(落語家)
富永さん:富永京子さん(立命館大学准教授)


富永さん

【富永京子さんプロフィール】
1986年、北海道出身。2009年、北海道大学経済学部卒業。2015年、東京大学大学院博士課程修了。現在、立命館大学産業社会学部准教授。専攻は、社会運動論・国際社会学。社会学の視点から、人々の生活における政治的な側面、社会運動・政治活動の文化的な側面を研究している。

わがままは悪じゃない!

富永さん: わがままな意見というのは、実は、社会を良くするための大事な声です。
彦いちさん: わがままってネガティブな要素が強いですよね。噺家(はなしか)の楽屋なんかわがままだらけですよ。落語の登場人物もわがままな人多いし。
富永さん: それって、ヨーロッパ的ですね。海外だと意見を持っているのが前提です。
彦いちさん: いつから日本人はわがまま言えなくなったのかな?
武内アナ: 「空気読んでないな」って思われたくないからでしょ。主張すると嫌がられますよね。
富永さん: 「わがままでずるい」は、みんな一緒・平等であるべきという考えが根本にあるからです。
武内アナ: わがままを考える上で、私たちは本当に平等なのかどうかを考えるのは重要なことなんですね。

30人の教室

富永さん: 私たちは本当に平等かどうか「もし日本が30人の教室だったら」として考えましょう。
彦いちさん: クラスの運営に参加しない人が3分の1くらい。なんでも反対する人が半分はいてほしいな。
武内アナ: 給食をおかわりする人は7人くらいかな。
富永さん: 専門機関が集めた各種データで日本を30人の教室にしたら、このような結果が出ました。

・ひとり親世帯の人は2人
・発達障害の可能性がある人は2人
・LGBTの人は3人
・貧困状態にある人は5人
・世帯年収1000万円以上の人は3人
・外国籍の人は1人

武内アナ: このデータからわかることは?
富永さん: 全体に合わせられない人が半分はいるということです。全体が持っている「ふつう」に合わせようとすると、無理して合わせようと、苦しむ人が出るということです。
武内アナ: 今まで考えていた「ふつう」はあまり意味がないのね。
彦いちさん: つまり、多様性を見せるということですね。

彦いち師匠

わがまま解放レッスン

富永さん: 日常のシーンにおいて、何か意見を言いたいときのレッスンをしましょう。

レッスン1
とある飲食店にて、あなたの席の冷房が寒いとき、どうやって伝えますか?
・言える? 言えない?
・意見を言う前に、どんなふうにちゅうちょしますか?
・周りの人は暑いのかと気にしています?

彦いちさん: 僕はすぐ店員さんに言いますね。もしくは席を変えます。
武内アナ: 私は言いたいけど我慢します。周りを気にして言えないかな。
富永さん: 彦いちさんはベーシックな「わがまま」です。でもそう訴えることによって、同じように寒い思いをしている人がいたら、その誰かを助けることになるかもしれません。
武内アナ: 自分のわがままが、他人を救うことにもつながるかもしれないということですね。
富永さん: だから、誰かのわがままを聞くトレーニングも必要なんです。
彦いちさん: 気持ちをおもんぱかって、みんなが知らんぷりしないということですね。

レッスン2
飲み会にて、お酒を飲まなかったのにみんなと同じ金額を請求されました。幹事に言いますか?

彦いちさん: 僕は自分から多く飲んだと申告して、多めに払います。
武内アナ: 彦いちさん、そういう話ではないの!
私は飲めないのですが、雰囲気が悪くなるから言えないですね。
富永さん: これも主張することで、同じように考えている誰かを助けるかもしれない。
武内アナ: でも言い方も気をつけないと…。
富永さん: そうですね。表現に気をつかうことは大事です。言う前から「セーフなわがまま」「アウトなわがまま」と線引きは難しいので、そのあとの話の中で、どこに落とし所を付けるか、考えておくことも重要になってきます。

わがままを広く社会に生かすには

富永さん: わがままを広く社会に生かすには、不満や不安といったモヤモヤを感じるセンサーが大事です。自分が社会の何にモヤモヤしているかを理解し、それを言葉にすることで、同じ思いをしている誰かを救えるかもしれません。
武内アナ: たとえば、自分と直接的に関係ないことでも言っていいものなの?
富永さん: 被災した場合など、もっと苦しんでいる人がいるかもと、自分のわがままを言い出せない現状もありますよね。だからこそ、代わりに表明する他人の「おせっかい」は大事だと思います。“わがままの代理”をしてあげてください。誰かが言いたいわがままな意見は、回りまわって自分に返ってくると思って、当人じゃなきゃという考えをいったん捨てて、もっと軽い気持ちで言ってもいいのではないでしょうか。
彦いちさん: そのような社会的な「わがまま」を、ちゃんと理解する聴き方も大事ですね。


「聴き逃し」は1週間。わがままでごめんね。

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