林真理子さん 本の未来を語る

ざっくり言うと
理事長になりました
これからの文学界
2020/06/22 武内陶子のごごカフェ 「カフェトーク」 ゲスト:林真理子さん(作家)

文学

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2020/06/22

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2020年6月22日(月)放送より

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【出演者】
武内アナ:武内陶子アナウンサー
林さん:林真理子さん(作家)


<林真理子さん プロフィール>
1954年、山梨県出身。大学卒業後、コピーライターとして活動。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が、処女作にしてベストセラーに。以降、数々の小説やエッセイを執筆し、1986年に直木賞を受賞。2017年に発表された歴史小説『西郷どん!』は、翌年のNHK大河ドラマに。2020年、女性として初めて日本文藝家協会理事長に就任。
※日本文藝家協会は、昭和21年(1946年)、作家、劇作家、評論家、随筆家、翻訳家、詩人、歌人、俳人など、文芸を職業とするメンバーの団体として誕生。会員数は、令和2年6月12日現在2269名。

日本文藝家協会の理事長として

武内アナ: 理事長就任おめでとうございます。
林さん: ありがとうございます。コロナで記者会見もできませんでした。
武内アナ: 理事長という立場になったことで、心持ちは変わりましたか。
林さん: 歴史と伝統があり、プロの方たちが集まっている。私も心して務めなければと思いますし、発言にとても気をつけるようになりました。私は元来なまけものなので、作家になるとも思っていませんでした(笑)。そしてミーハーな理事長です。インターネットの登場や、デジタル化によって文学を取り巻く環境の変化も激しい中、物書きが大変なときにお役が回ってきたことに、ご縁を感じます。作家の方々がちゃんと生活できるようにしたいです。
武内アナ: 日本文藝家協会は、どのような仕事をされているのですか
林さん: かつては健康保険関連の業務や、「文学者之墓」の管理が主な役割でしたが、2003年以降は著作権管理も行っています。入試や教科書での作品引用や、電子書籍を巡る出版契約など問題は山積みです。これほど文学がないがしろにされている時代はないと思っているので、ここは闘っていきたいと思います。

※「文学者之墓」…静岡県小山町にある合祀墓(ごうしぼ)。「日本に生まれ 日本の文学に貢献せる人々の霊を祀る」と墓碑に記され、菊池寛に始まり、それぞれ作家名、代表作、没年月日、享年が刻まれている。

林さん: 私も頼んでお墓を作ってもらいました。隣が向田邦子さんなのでいいポジションです(笑)。
武内アナ: 文学界を盛り上げるには新しい芽を見つけることも必要だと思いますが、若い方はどうでしょうか。
林さん: ものすごくうまいですが、やり続けようという人が少ないように感じますね。愚直であることが大事だと思いますし、アドレナリンがたくさん出ることが職業作家に必要だと思います。
武内アナ: 若い作家は林さんにとってライバルですか。
林さん: 私の場合、作家である前に読者なんです。本で楽しみたいのでライバル心や嫉妬はありません。

夢は林真理子書店

武内アナ: 文学界にとっての現在の状況は。
林さん: 電子書籍にはしないと言っていた作家の方も、このコロナ禍で電子書籍にしました。小説の電子化は、若い人が読んでくれるので、とてもいいことだと思います。本の力をもっと多くの人に知ってもらいたいです。そして、長編作品をもっと読んで欲しいです。
武内アナ: 週刊誌のエッセイも36年続いていますが、毎回のテーマ選びなど大変ですね。
林さん: 週刊誌は枚数が多く、新聞連載より大変です。週刊誌は4つ連載していて、きょうも「まだですか」と催促のメールが来ています(笑)。
武内アナ: 原稿はペンですかパソコンですか。
林さん: サインペンです。漢字を間違えても編集者が直してくれます(笑)。
武内アナ: 自分が書きたい題材と、社会が求める題材は違いますか。
林さん: 自分の書きたい題材は書きますが、小説は、編集者から受注があって書くんですよ。今は、苦手な法廷ものを書いていますが、コロナで裁判所にもいけません。
武内アナ: 連載に追われ忙しい中、本を読む時間はありますか。
林さん: 今は直木賞の選考会なので、厚い本がどさっとあります。本は自分でも買いますし、毎日1冊は読んでいますね。プロならみなさん読んでいると思いますよ。私は、いつもカバンに本が入っていて、隙間時間にも読んでいます。
武内アナ: 本を読まない学生たちには、どのようなアプローチが必要だと思いますか。
林さん: 子どものころから習慣をつけること。就活の時に、読書の有無を企業にやっていただければ。うちの娘は本どころか、新聞さえも読みませんが(笑)。
武内アナ: でも、図書館など読みたい人はけっこういますよね。
林さん: 図書館では貸出に何人待ちとありますが、できれば、文庫本ならぜひ買っていただきたいです(笑)。個人的には私のおススメの本を並べる「林真理子書店」をやりたいと考えています。
武内アナ: これからの時代、作家の役割をどのように考えますか。
林さん: 社会的発言をする方は、もっと頑張ってほしいし、何よりも文化のリーダーになってほしいと思いますね。

聴き逃しは1週間です。林真理子さんの「聴くエッセイ」をお楽しみください。

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2020年6月22日(月)放送より

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