日本の資本主義の原点は、この古典にあり!?

ざっくり言うと
「論語」に影響を受けた大実業家・渋沢栄一
渋沢は、道徳と経済活動の両立をめざす
2020/09/06 DJ日本史「歴史を動かした、この一冊」松村邦洋・堀口茉純 ほか

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2020/09/06

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【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2020年9月6日(日)放送の<DJ日本史>のテーマは「歴史を動かした、この一冊」。人々の心を揺り動かし、ついには時代を変える原動力を生んだ「本」に注目。そこには何が書かれていたのか、その後の歴史にどんな影響を与えたのか、見ていきました。

日本の資本主義の誕生に大きな影響を与えた中国の古典があります。
それは「論語(ろんご)」

「論語」とは、紀元前5~6世紀の中国の思想家だった孔子の言葉をまとめた本。人間として身につけるべき道徳の教えが書かれています。
この論語に大きな影響を受けた人物の1人が、日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一です。
渋沢栄一といえば、明治から昭和の初めにかけて活躍した大実業家。
およそ500の会社の設立に力を尽くした人物で、4年後には新しい1万円札の顔になる人。

その渋沢栄一は、論語の教えをもとに日本の資本主義を発展させていきました。渋沢の考えをまとめた本のタイトルは「論語と算盤(そろばん)」となっているくらい。
一見、資本主義と論語は何の関係もないように見えますが、どういうことなのでしょうか?

実は渋沢栄一が生まれる前まで、日本ではお金もうけは卑しいこととされていました。私利私欲のための行いとして蔑まれていたわけです。
しかし、こういう状態では経済は発展しません。
そこで渋沢栄一は、商売はそれ自体が悪いことではないんだ、お金もうけを通して世のためになり人の役に立つ方法もあるはずだ、と考えます。そんな考え方を導きだすきっかけになったのが、7歳のころには全部暗記していたという「論語」だったのです。

論語にはどんなことが書かれているのか?
渋沢栄一はここから何を学んだのでしょうか?


論語の中にこんな言葉があります。

「不義にして富み且つ貴きは浮雲の如し」
正しくない手段でお金を得たとしても、そんな財産は浮雲のようにはかない。そんな意味。

渋沢栄一は考えます。
「確かに正しくない手段で金もうけをしたら、それはいけない。しかし孔子は、金もうけ自体を否定していない。
金を稼ぐためには正しい方法をとるべきだと言っているのだ」
こうして渋沢は、道徳と経済活動の両立=つまり、論語と算盤の調和をめざしていきます。
渋沢栄一は、こんな例をあげて語っています。

「例えば、鉄道の狭い改札をみんなが我先に通ろうとしたら結局誰も通ることができない。自分のことだけを考えれば自分の利益すら守れない。道徳を大事にしてこそ、自分も国も豊かになるのだ」

実際、渋沢は自分の利益“だけ”をめざすことはしませんでした。
たとえば三菱の岩崎弥太郎が「自分と手を組んで、実業界を思うように動かそう」と提案してきたときも渋沢は拒否。
「独占事業は欲に目のくらんだ利己主義だ!」と言って席を立ちました。
また、富を独占することは正しくないと考え、自分で財閥を作ることもしませんでした。

こうした渋沢の態度は生涯を通して終始一貫。自分が富む以上に多くの財産を日本の実業界に残すことになったのです。

松村邦洋・堀口茉純 「論語」について語る!
※下記の再生ボタンからお聞きいただけます(2020年12月7日まで)。

DJ日本史「歴史を動かした、この一冊」 おわり

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