山の動画配信で人気のかほさんご来店 「私が山にのめり込んだ瞬間」

23/08/12まで

石丸謙二郎の山カフェ

放送日:2023/08/05

#登山#ネイチャー

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登山を趣味とし、山を愛する石丸謙二郎さんが「山」をテーマに、さまざまな企画をお届けする<石丸謙二郎の山カフェ>。今回は、登山の動画配信をしている、かほさんがご来店。自身の動画投稿サイトのチャンネル登録者数は28万を超えています。かほさんが、どのようにして、登山の技術や知識を身につけたのかうかがいました。

【出演者】
石丸:石丸謙二郎さん(俳優・ナレーター)
山本:山本志保アナウンサー
かほ:かほさん(登山YouTuber)

撮影から編集まですべて一人で!

山本:
動画を4年間で500本というと、単純計算すると月に10本以上。このペースもすごいですが、山に行くのも、編集もお一人でやっていらっしゃるのですか?

かほ:
基本的には、すべて一人ですね。

石丸:
まるでシンガーソングライターが、CDを作るところまでやっているということだよね。

かほ:
そうですね。私は、小さいころからテレビっ子で、テレビ番組のADもやっていたので、編集とかは多少わかるので。

石丸:
最近の動画を見ると、擬音を入れたりとか。音楽も自分で編集?

かほ:
音楽は、(著作権の使用申請が必要ない)フリーの素材を、自分で選んで使っています。

石丸:
でも、選曲までやるわけでしょう? 最初のころは、そんなに多くなかったけれど、いい雰囲気ですよ。

かほ:
バリエーションがちょっと増えました!

石丸:
「助手でもいるのかな?」と思うぐらいだけれど、忙しいね!

かほ:
「忙しいのはありがたいな」という感じで、全然。

山本:
1年間に、どれくらい山に入っていらっしゃるのですか?

かほ:
遠征に行ったら、長く山に入ることもあるので、まちまちですけれど、(1年の)半分くらいは家を空けています。

石丸:
仕事場が野外。

かほ:
ただ、編集は家でやるので、家も外も、全部がお仕事をする場所でもあります。

山本:
500本以上の動画の中から、再生回数トップは、どこに行ったときの動画でしょうか?

石丸:
え? クイズ?

山本:
クイズですよ。私も答えを知らないんです。マスター、どこだと思います?

石丸:
ちなみに、2番目はどこだろう?

かほ:
2番目は、「絶対に行くべき低山5選」で、おススメの低山を5つまとめたものなので、3位を言いますと、槍ヶ岳(やりがたけ)です。

石丸:
それをヒントとして……やっぱりトップだから、富士山!

かほ:
あ~違いますね。
1位は、場所というか、料理を作った動画なんですが、谷川岳(たにがわだけ)にある肩ノ小屋の近くで、カップラーメンを使って、チャーハンを作りました。その動画が、けさ見たら(再生回数が)75万回だったかな?

山本:
わかります! かほさんの食べ物を食べているシーンとか、料理を作るシーンが大好きです!

石丸:
あれを見ていると、僕も食べたくなるもん。

かほ:
うれしい。ありがとうございます。

石丸:
おいしそうに食べる。僕も食べ物の番組をやっているんだけれど、「ああやって食べなきゃダメなんだ」って。

山本:
食べている姿がかわいいんですよ。見ているうちに、「私もチーズ食べたい」となって、きのうの帰りがけにチーズとワインを買っちゃいましたもん。かほさんの影響、すごすぎますよ。お酒好きなのかな? ビールがよく出てくるし。

かほ:
大好きですね。

山本:
山登りでも知りたい情報が、短く・明るく伝わってくる。地図っていうんでしょうか? イラストみたいなものは、どうしているのでしょうか?

かほ:
自分で作っています。

石丸:
何でも自分で!

かほ:
基本的には、全部自分で。
山に登るときって、「この山がどういう感じなのか?」という概要を知りたいと個人的に思うのですが、そういうものって、なかなかないんですよね。なので、自分でイラストを駆使して作ってますね。

石丸:
自分で作るから、誰にも文句を言われないしね。

山本:
クオリティーがいいんですよ。「きょう、かほさんは、こういうルートで行くのね」というのがすごくわかりやすい。

石丸:
色も塗ったりもしているわけ?

かほ:
私は、イラストを描くのが得意ではないので、頑張って、(著作権の使用申請が必要ない)フリーの山のイラストをくっつけたりして作っています。

山本:
“かほウォッチャー”の私としては、クオリティーがアップしている気がするなと。

石丸:
「これなら登れるかもしれない」と思って、行こうとしたのが何個かある。海外の山だけどね。でも、最後のほうに悲惨な感じになっていて「やっぱダメなんだ」って(笑)。

かほ:
マスターだったら、行けますよ!

石丸:
食べているところだけ見て、「ここに食べに行きたい」と思っちゃった。

山本:
そういう、いざない方もありますよね。

きっかけは居眠り?! かほさんの「山にのめりこんだ瞬間」

山本:
きょうのお便りテーマが「私が山にのめりこんだ瞬間」なのですが、かほさんにとっての「私が山にのめり込んだ瞬間」は、いつでしょう?

かほ:
さっきもちょっとお話をしましたが、大学を卒業してから、テレビ番組のADをやっていたんですね。そのときに寝不足が続いてしまって、収録スタジオで、ちょっと居眠りをしてしまったんです。

石丸:
こら!(笑)。

かほ:
ごめんなさい(笑)。
私は、舞台装置を動かす係だったんですけれど、居眠りのせいで、舞台装置が動かなくて。それで収録が止まってしまって、そのときに、タレントの小島瑠璃子さんが、「ADさんが寝てる!」って、うまく笑いにしてくれたんですよ。それで、スタジオもドカンと笑いに包まれて、「番組で、このことを企画にできないか」ということで、みそぎとして、「ADさんが、失敗を取り返すために、冬の八ケ岳(やつがたけ)に、初日の出を見に行く」みたいな企画になって行きました。

山本:
初心者としては、きつくないですか?

かほ:
冬の八ヶ岳は冷え込みますし、もちろん雪もあるので、歩く時間は3~4時間で、そんなに長いわけではないのですが、レベルとしては高いですね。そのときは、ガイドさんと一緒に行きました。

石丸:
それまで、山は?

かほ:
小学校のころの遠足で、山に登ったくらいですね。

石丸:
ほとんどゼロだった。それが冬の八ヶ岳!

山本:
つらかったのではないですか? 「のめり込む」って、どういう展開があったのですか?

かほ:
もちろんつらかったです。山の斜面を登っているときに「雪山だと、こんなに歩きづらいんだ」と思いましたが、雲海から初日の出が上がってきて、空がオレンジに染まるところとか、冬の八ヶ岳って、「八ケ岳ブルー」と言って、青空が青いのですが、それを見て、東京のコンクリートジャングルにいたADかほは「これだ!」と思ったんでしょうね(笑)。

石丸:
のめり込んだ瞬間だったのだね。

かほ:
体が感じましたね。

石丸:
そういう意味では、いいところに行ったね。

かほ:
本当にいい機会でしたね。

石丸:
これが雨ザーザーとか、虫がいっぱいいるとかだったら、イヤだろうけどね。

山本:
それからのめり込んだとしても、行くだけではなく、動画を配信しようという流れになるのですが、それはどうしてですか?

かほ:
そのあと、テレビ番組の仕事を辞めて、ITの会社に勤めたのですが、小さいころからテレビを見て育ったので、どうしても動画を作りたい気持ちが強くて、何かできないかなと思ったときに、「趣味の登山で、動画を作ってみたらいいんじゃないか」と思いまして。

石丸:
そう思ったら、まずビデオカメラ買うよね。

かほ:
今はスマートフォンのカメラで、4Kまで撮れちゃうので、すでに持っていたもので撮影ができました。

石丸:
自撮り棒で?

かほ:
そうですね。2,000円くらいの。

石丸:
それを三脚みたいな形にして置いて……。自分で話すだけじゃなくて、歩く後ろ姿とか、どうやって撮っているの?

かほ:
岩の上とかに自撮り棒を立てておいて、歩いて行って、また戻って回収(笑)。

石丸:
つまり、同じところに2回行っているわけだね。

かほ:
そうですね。

石丸:
うわ~! 体力いるな~!

山本:
一人語りはどうですか? 慣れないときもあったと思いますが。

かほ:
一人でカメラに向かってしゃべるので、たまに、ほかの登山者の方が、陰からピュッって出てくると「恥ずかしい!」って、ちょっとなったりしますね(笑)。

石丸:
「変な人」って(笑)。

かほ:
「変な人」って思いますよね(笑)。

山本:
最初のキャッチフレーズの「こんにちは、かほです」という、決めゼリフや山のポーズがありますが、あれもひらめいた?

かほ:
YouTuberの方って、オープニングでオリジナルの挨拶をされたりするので、「こんにちは、かほです」って言って、顔の近くで山のポーズをするのを自分のポーズにしようって決めました。

山本:
初回の動画が、高尾山のかき氷を食べに行くソロ登山から始まり、2回目は、日本一の紅葉を見に、北アルプス涸沢。そして、秋になりますと、山ごはんを楽しみ、冬は、登りやすい雪山、上高地のスノーハイキング、そして、日帰りで行ける百名山などなど……どんどん作品が増えていきまして、しだいに、それを見る登録者数も増えてまいりました。
山を登る技術は、誰かに教わったのですか?

かほ:
最初の低山を登っているときは自分で、という感じですが、山が高くなったり、季節が変わって雪山になると、自分だけでは登れなかったので、ガイドさんと行くようになったりして、ちょっとずつ技術を身につけました。知識も、最初は知り合いで聞ける人がいなかったので、山に関する雑誌をいろいろ買って勉強していましたね。

石丸:
クマとか遭ったことはないの?

かほ:
実はあります。

石丸:
撮影しているときに?

かほ:
そうですね。山を歩いていて、目の前にクマが出てきちゃったことはあります。でも、それも知識として、「焦ってはいけない」というのがあったので、焦らず、クマがこっちに気づいていなかったので、音を出してみたら、向こうから逃げていきました。背筋の凍るような思いはしましたが、「後ろを向いて、逃げてはいけない」とか、熊鈴もつけていましたが、それが聞こえていなかったのか、遭ってしまったので、冷静に。

石丸:
そのとき(カメラを)回していなかった?

かほ:
やっぱり、回すまでは行かなかったんですよ。

石丸:
回す行為って、結構カチャカチャやるからね。

かほ:
カメラのレンズに、クマが興奮してしまったりするのかなとか、多少思ったのかもしれないですが、そこまでやる余裕はなく。

石丸:
僕も、クマに遭ったときに(カメラを)回したんだよ。「いいのかな?」と思いながら。録音もしたんだよ。両手がふさがっているから、クマよけスプレーも取り出せない。やっちゃいけないことをやって反省したね。

かほさんは、動画を撮っているでしょう? 僕は録音機で録音してるわけ。最初始めたときに、一人でしゃべって誰もいなかったらいいんだけれど、人が来ると、すごい恥ずかしかった(笑)。

かほ:
そうなんですよね(笑)。

石丸:
「こんにちは」って挨拶しながら、やり過ごす(笑)。

山本:
お二人は、ソロ登山の経験が豊富ですが、ソロ登山ならではの不安とか、「あれ忘れちゃった」とか、ありますか?

かほ:
失敗はもちろんあります。例えば、最初のほうでは、バックパックを街で使うようなもので、北アルプスに行っちゃったことがあって。天気が悪くなって、中の物が全部水浸し。ベチャベチャになったバッグを小屋で広げている私を見て、同じ部屋になった方が、大きいビニール袋をくださったんですよ。「バックパックの中にビニール袋ごと荷物を入れたら、あしたからは大丈夫だから」と教えてもらって、「山では、ザックカバーという、カバーがついてるザックを持ってきたらいいんだよ」と。

石丸:
ザックカバーも持っていなかった。

かほ:
普通のバックパックだったんですよ。「雑誌で勉強した」と先ほど言いましたが、山小屋で出会った人に「この道具いいよ」とか、いろいろな情報を聞いたりした出会いも、コロナの前はありましたね。

石丸:
僕も、人から聞いたのが一番多いかな。雷のよけ方とか、靴ひもの結び方とか……。

ザックのひもが、電車の中で、人にぶつかったらいけないじゃない? でも、伸ばしたり締めたりしなきゃいけないから、結ぶわけにもいかない。だから、髪を結ぶゴムひもがあるじゃない? あれを丸くくくりつける。そしたら調整できるじゃない? そうすると、ぷらんぷらんしないの。

かほ:
それいいですね。やっていなかったです。

山本:
ここでも、情報の共有が始まりました(笑)。
登って行く途中、「身の丈を超えた山に来ちゃったな」とか、そういうのは感じたことありましたか?

かほ:
動画を始めて半年くらいしかたってないときに、「雪山に行ってみよう」と思って。最初は、北八ヶ岳とか、ちょっと静かな雪山に行ってみたのですが、冬の唐松岳(からまつだけ)、雪山としては、入門からちょっと踏み込んだ山なのですが、一人だったのと、歩き方もまだまだ未熟でしたので、途中で時間オーバーになりそうだったのと、天気もガスが出てきて、風も吹いてきちゃったんですね。なので、途中で撤退になりました。

石丸:
へたすると、何があるかわかんないからね。

山本:
ソロ登山は、自分で判断しなきゃいけないことが多々あると思いますが、ソロ登山ならではの不安はないのですか?

かほ:
ソロ登山の不安を消すために、事前の準備は入念にやります。忘れ物が自分で多いと自覚しているので(笑)、いつも出かけるときは、登山リストを用意してチェックをするようにしています。

山本:
えらい! まるで遠足前ですね(笑)。それで、入念にリストをチェックして。

かほ:
なので、忘れ物とか、天気も、かなり入念にチェックしております。

石丸:
ソロ登山ならではだ!

山本:
ステップアップしていらっしゃるのですね。


番組では、写真や番組へのメッセージの投稿をお待ちしております。また、最新の放送回は「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでお聴きいただけます。ぜひ、ご利用ください。


【放送】
2023/08/05 「石丸謙二郎の山カフェ」

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