登山を趣味とし、山を愛する石丸謙二郎さんが「山」をテーマに、さまざまな企画をお届けする<石丸謙二郎の山カフェ>。今回は、子どものころから登山に親しんでいる俳優の小林綾子さんに加え、登山経験豊富で山の名湯にも詳しい、温泉紀行ライターの飯出敏夫さんもご来店。夏におすすめの山や、すばらしい温泉がある山についてうかがいました。
【出演者】
石丸:石丸謙二郎さん(俳優・ナレーター)
山本:山本志保アナウンサー
飯出:飯出敏夫さん(温泉紀行ライター)
小林:小林綾子さん(俳優)
登山を趣味とし、山を愛する石丸謙二郎さんが「山」をテーマに、さまざまな企画をお届けする<石丸謙二郎の山カフェ>。今回は、子どものころから登山に親しんでいる俳優の小林綾子さんに加え、登山経験豊富で山の名湯にも詳しい、温泉紀行ライターの飯出敏夫さんもご来店。夏におすすめの山や、すばらしい温泉がある山についてうかがいました。
【出演者】
石丸:石丸謙二郎さん(俳優・ナレーター)
山本:山本志保アナウンサー
飯出:飯出敏夫さん(温泉紀行ライター)
小林:小林綾子さん(俳優)
石丸:
飯出さん、日焼けをしていますね。どこかに行ったのですか?
飯出:
1か月ほど北海道に。きのうの朝に帰ってきました。
石丸:
山と温泉巡り。
飯出:
疲れました(笑)。
石丸:
「疲れました」と言っているけど、ニコニコして(笑)。
飯出:
帰りたくなかったです(笑)。今、北海道は一番美しい季節なので。北東北からフェリーに乗って行きました。
石丸:
北海道で記憶に残っている温泉はありますか?
飯出:
今の時期だと、十勝岳(とかちだけ)の登山口にある「十勝岳温泉」の、一番奥に位置する旅館の露天風呂。源泉が冷たい温泉が好きなのですが、今回はニセコにある日帰り温泉施設に行きました。露天風呂に、1~2人用のぬるめの湯があって、羊蹄山(ようていざん)と、ニセコアンヌプリが見える温泉があります。それにつかりながら山を見るのが最高なんです。
石丸:
ぬるめのお湯は、夏場にはいいな。
飯出:
夏場は、ぬるめと適温が両方ある温泉が、やっぱり楽しいですね。
石丸:
綾子さん、知ってる?
小林:
知らなかったです。最高のロケーションですね。
飯出:
温泉ファンの間では、最近すごく人気があります。
山本:
ポイントは、温度と眺望ですか?
飯出:
そうですね。温度と眺望と、庭先にジンギスカンのバーベキューハウスがあって楽しいですね(笑)。
山本:
北海道らしいですね!
飯出:
お湯はすごくいいんですよ。もちろん源泉掛け流しで。
石丸:
登山的には?
飯出:
登山は、ニセコアンヌプリと、昆布岳(こんぶだけ)という山に登りました。
石丸:
昆布岳ってどんな山なんですか?
飯出:
「ニセコ3座」と言って、羊蹄山とニセコアンヌプリと昆布岳があって、私は羊蹄山とニセコアンヌプリには登っていて、今回は昆布岳に挑戦したのですが、最初は雨で断念。阿寒のほうまで行って戻ってきて、最後の日に登りました。ニセコの温泉仲間が2人いて、一緒に登ってくれたんですよ。そんなに高い山ではないのですが、正面にニセコアンヌプリ、右に羊蹄山がバーンと見える。
石丸:
羊蹄山は、「蝦夷(えぞ)富士」と呼ばれていて。
小林さんは登った?
小林:
登ってはいないんですけど、見たことはあります。
石丸:
すばらしいよね。
小林:
形がきれいですよね。
石丸:
きれいだし、大きい! 堂々としていて、「横綱だ!」と思いましたよ。
飯出:
一番富士山に似ているんじゃないですかね?
山の魅力としては、高山植物がいっぱいあるので、羊蹄山のほうがいいかもしれないですね。富士山はないじゃないですか?
石丸:
そうか! (羊蹄山の)8~9合目辺りの谷になったところにたくさんありましたね。
飯出:
マスターも登られたのですね。
石丸:
お鉢巡りの瞬間にガスが出て。あそこは200メートル~300メートル下はへこんでいるんですって?
飯出:
だいぶへこんでいます。
石丸:
何にも見えなかった!
小林:
じゃあ、いつものイマジネーションですね。「こんなかな~?」って想像をして(笑)。
石丸:
そうそう、想像しながら……! もう一回行きたい。
綾子さん、行っていないんだったら行く?
小林:
行ってみたいですね。機会があったらお願いします(笑)。
石丸:
登るの大変でしたよね?
飯出:
往復8時間ぐらいかかるんじゃないですかね? でも、日帰りでも行けますので。
山本:
綾子さんは、北海道の山はいかがですか?
小林:
去年の7月に、大雪山に行きました。お花がいっぱい咲いていて、帰りたくなかったです!
飯出:
フラワーロードですからね。
小林:
チングルマ・ミツバオウレン・ミヤマキンバイ・ミヤマリンドウ・ウラジロ・ナナカマド・コケモモ・アオノツガザクラ・エゾノツガザクラとか……いっぱいありました。
石丸:
アオノツガザクラ・エゾノツガザクラは、丸い玉みたいな。
小林:
形がかわいいですよね。
飯出:
アオノツガザクラ・エゾノツガザクラ・チングルマは、一緒に咲くんですよね。
小林:
すばらしいですよね。
石丸:
あれが何十万という群落。それを向こうに、旭岳(あさひだけ)が見える。
小林:
姿見の池から噴煙が吹き上げていて、そこに旭岳がどーんと見えて……あのロケーション最高ですよね。ちょっと雪も残っていて。
飯出:
「神々が遊ぶ庭」ですから。それだけロケーションが最高。
小林:
帰り際に、ギンザンマシコという鳥も見ることができました。頭が赤いのですが、緑の中に赤いのが動いているので、「あそこにいる」って、すごく感動しました。「豊かなところなんだな」と改めて思いました。
飯出:
最後に雌阿寒岳(めあかんだけ)に登りましたけれど、ふもとの温泉に、マスターのサインがありました。
石丸:
僕、人がいっぱいで泊まれなかったんだけどね。
飯出:
サインを見つけてうれしかったです(笑)。
山本:
皆さんが夏山を選ぶとしたら、どんなポイントで選びますか?
小林:
やっぱり私は、お花が魅力的な山へ行きたいですね。あと、低山に行くと暑いじゃないですか? とけちゃいそうになるので、ある程度標高がある山に、夏は行きたいなと思いますね。
石丸:
アルプス系だと、何メートルぐらいだったら涼しくなるのかな?
飯出:
2,000メートル越えないと。1,500メートルだと暑いですね。
登っている行為そのものが暑いですけれど、森林限界を超えないと、涼しくならないですよね。
石丸:
晴れているとお日様がきつい。この間、八海山(はっかいさん)に登って、森林限界を超えたのだけれど、お日様にあたるとやっぱり暑いでしょう? もう「水……水……」という感じ。
飯出:
あと、ポイントは「風」ですね。「天然クーラー」と呼んでいるんですけれど、自然のクーラーは、家電のクーラーとは、快適さや心地よさが全然違いますね。
山本:
天然クーラーを味わうには、どういう環境が整うと感じることができるのですか?
飯出:
北アルプスに行ったら、ほとんど天然クーラーですよね。
小林:
雪けいがあるところに行くと、やっぱり涼しさを感じますね。
石丸:
上から降りてくる風がね。冷たい空気は、下に下がる傾向があるから。
小林:
まさに天然クーラーですね。
あと、まだ体験していないですけれど、風穴(ふうけつ)も(冷風が)吹き出してきて、涼しいですよね。
石丸:
あと、必ずと言ってもいいくらい風が吹く場所は、あん部。
小林:
通り抜けるところですよね。
石丸:
峠になっているところもあるけれど、標高がそこだけひょこっと下がっているところは、風が吹く。登って登って、やっとりょう線に出たときに、そこがへこんでいると、風がさーっと……。
小林:
気持ちがいいときありますよね。
飯出:
あの風は何とも言えないですよね。
小林:
ただ、冬に行くと大変なんですよね(笑)。
石丸:
寒いからね(笑)。
山本:
では、そのポイントをふまえて、どのエリアに行くのかうかがいたいです。綾子さんは「夏山、ここがよかった」というところはどこですか?
小林:
私は去年登った薬師岳(やくしだけ)ですね。北アルプスにあって、本当に大きい山でしたけど、最高によかったですね。7月に登ったのですが、「コバイケイソウとニッコウキスゲが当たり年」と聞いていまして、行く先々でニッコウキスゲの黄色の花が咲いていて、コバイケイソウもいっぱい白いお花が咲いていて、とてもすてきでした。
太郎平小屋に泊まらせていただいて、太郎山(たろうざん)に登ったり、ちょっとお天気が悪かったので、上には行かないで、北ノ俣岳(きたのまただけ)に行ったんです。そちらも「お花が有名」というだけあって、たくさんお花が咲いていました。ハクサンイチゲもすてきでしたし、夢のような世界が広がっていて。
山頂からなんと、百名山が10座以上見えるんですよ! 水晶岳(すいしょうだけ)・鷲羽岳 (わしばだけ)・槍ヶ岳(やりがたけ)・北穂(きたほ)・奥穂(おくほ)・双六岳 (すごろくだけ)・笠ヶ岳(かさがたけ)・乗鞍(のりくら)・黒部五郎岳 (くろべごろうだけ)・御嶽山(おんたけさん)・薬師岳・赤牛岳 (あかうしだけ)って、ぐるーっと360度見えました! 「こんな世界があるのか」と思ってびっくりしたんです。
石丸:
バスガイドさんみたい(笑)。
太郎平小屋に泊まったんでしょう? 80いくつかのご主人はまだお元気?
小林:
五十嶋さん、お元気です。去年、番組で、五十嶋さんと薬師岳山頂まで登らせていただきました。
石丸:
まだ登られているんだ!
小林:
お元気ですよ。「マスター」って呼ばれているんですよね(笑)。
石丸:
僕も元気でいなきゃ! 山登りをしている方は、足腰がしっかりしているからね。
山本:
そして、飯出さんには、夏山シーズンにおすすめの温泉をうかがいたいです。
飯出:
今、小林さんがおっしゃった太郎平小屋をさらに超えて、もう1泊して行く温泉があるんですよ。「高天原(たかまがはら)温泉」というのがあります。いわゆる宿泊施設のある温泉としては、「最も遠いところにある温泉」。薬師岳と水晶岳の谷間にあって、雲ノ平(くものだいら)から下りたところにあるんですよ。
石丸:
宿泊する場所から、さらに歩くんですよね。
飯出:
20分ぐらい谷間に下りないと、温泉がない。
石丸:
僕も計画したことがあるんだけれど、新穂高温泉を出発したと考えて、行きだけで、僕は、2泊~3泊しようかなと思うぐらい。
小林:
とにかく深いんですね。
飯出:
北アルプスのど真ん中という感じですかね。
石丸:
行って帰ってくると5日はかかるくらい。雨の日もあるだろうし、あるいは寄り道もしたくなると長~い!
小林:
温泉に入ったときの喜びは、ひとしおですね。
飯出:
雲ノ平もいいですからね。それとセットで。
石丸:
雲ノ平に高天原だよ。神の世界でしょう?
山本:
どうやら営業は、7月上旬~9月下旬の夏のみなんですね。
石丸:
入浴料はかかりますか?
飯出:
入浴料はわずかですが、かかります。宿泊すればもちろん無料です。日帰り湯として、雲ノ平からわざわざお風呂入りに来る人がいます。また汗だくで帰る(笑)。
小林:
せっかく入ったのに(笑)。
石丸:
すごいお風呂の入り方(笑)。
山本:
楽しいけど大変ですね(笑)。
番組では、写真や番組へのメッセージの投稿をお待ちしております。また、最新の放送回は「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでお聴きいただけます。ぜひ、ご利用ください。
【放送】
2023/07/29 「石丸謙二郎の山カフェ」
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