登山を趣味とし、山を愛する石丸謙二郎さんが「山」をテーマに、さまざまな企画をお届けする<石丸謙二郎の山カフェ>。今回の「山からおはよう」は、福島・新潟・山形にまたがる、飯豊連峰(いいでれんぽう)の御西岳(おにしだけ)避難小屋より。代表的な登山口から、なんと11時間かかる避難小屋から見える景色とは?
【出演者】
石丸:石丸謙二郎さん(俳優・ナレーター)
山本:山本志保アナウンサー
田巻:田巻和敏さん(御西岳避難小屋 管理人)
登山を趣味とし、山を愛する石丸謙二郎さんが「山」をテーマに、さまざまな企画をお届けする<石丸謙二郎の山カフェ>。今回の「山からおはよう」は、福島・新潟・山形にまたがる、飯豊連峰(いいでれんぽう)の御西岳(おにしだけ)避難小屋より。代表的な登山口から、なんと11時間かかる避難小屋から見える景色とは?
【出演者】
石丸:石丸謙二郎さん(俳優・ナレーター)
山本:山本志保アナウンサー
田巻:田巻和敏さん(御西岳避難小屋 管理人)
石丸:
日本各地の山と電話をつないで朝の空気をお伝えする「山からおはよう~!」。
山本:
けさは福島県・山形県・新潟県、この3つの県にまたがる飯豊連峰からです。日本百名山の一つで、標高2,105メートルの飯豊山(いいでさん)を中心に、2,000メートル級の山々がおよそ20キロにわたって連なっています。マスターは行かれたことはありますか?
石丸:
すべてを歩いたことがないんだけれど、端っこのほうは少し行ったことがある。
山本:
飯豊連峰はりょう線に山小屋が8軒あります。そのほとんどが避難小屋です。
けさお電話をつなぐのは、標高およそ2,000メートルのりょう線上に立つ、御西岳避難小屋です。この避難小屋までは、飯豊連峰の代表的な登山口である、福島県側の御沢(おさわ)登山口から、なんと11時間かかります。健脚(の人)ですと、1日で来る方もいらっしゃるそうですが、途中で1泊するのがおすすめだそうです。7月中旬~9月中旬の夏山シーズンは管理人さんがいらっしゃいます。管理人の田巻和敏さんに、お電話がつながっています。
石丸:
田巻さん~おはようございます!
田巻:
おはようございます。御西岳避難小屋の管理人、田巻です。
石丸:
きょうの天気いかがですか?
田巻:
けさ気温はで15度。空は晴れております。
石丸:
小屋の周りは、どんな風景が見えますか?
田巻:
いまは小屋の中で電話をしていますが、目の前には、飯豊連峰の最高峰、大日岳(だいにちだけ)が見えますね。健脚の人で片道1時間かかると思います。
石丸:
遠くには何が見えます?
田巻:
日本海が少し見えていますね。
石丸:
佐渡島とか見えます?
田巻:
天候によっては佐渡島も見えますが、いまはモヤがかかって見えない状況ですね。
石丸:
避難小屋はどんな設備があるのですか?
田巻:
正直、寝泊まりするだけですが、管理人がいる夏の時期だけは、ライスパック、カレー、中華丼、アルファ米、アルコール、炭酸飲料などもございます。
石丸:
寝袋は自分で持っていかなきゃいけないんですね?
田巻:
そうなんですよね。避難小屋になりますので、食料も含めて登山道具一式を、本来は持ってこないといけない形になります。
石丸:
水はいかがでしょう?
田巻:
標高50メートル下がったところに、天然水が出ております。
石丸:
そこでくめる! それはうれしいですね。
田巻:
行くまでに8分かかり、帰りはもう少し時間がかかってしまいますが。
石丸:
でも、水があるということは、担いでいかなくてもいいですからね。
田巻:
やっぱり水が一番大事ですので、天然水で出るというのは、すごく恵まれているのかなと思っております。
石丸:
そこを利用するお客さんは、どういう方たちなのでしょうか?
田巻:
大日岳を計画されている登山者の方が泊まられたり、飯豊連峰を端から端まで縦走する方が、この小屋を利用されることが多いです。
山本:
縦走は何日ぐらいかかるのですか?
田巻:
端から端までだと2泊ぐらいですかね。ゆっくり景色を見ながらだと3泊になることもあります。
石丸:
3泊となると、その分の食料も持って歩かなきゃいけない。大変な山だと思いますが、それでも何かいいことがあるんですね?
田巻:
飯豊連峰は登山口が7~8つほどあり、すべての登山口がりょう線に上がるまで非常にきつい山なのですが、りょう線に上がってからの景色が魅力的なのかなと思っています。
山本:
どんな景色が広がっているのですか?
田巻:
この時期であれば、緑と白(残雪)のゼブラの景観や、どこまでも続くりょう線が端まで見えます。あとはこの時期はお花に癒やされますよね。
山本:
どんなお花を見ることができますか?
田巻:
この山では、一般的なハクサンイチゲ・ヒメサユリ・ニッコウキスゲという人気が高い植物も見られますが、この時期、この山域でしか見ることのできない、固有種の「イイデリンドウ」を見ることができます。
青紫でかれんな花を咲かせ、花弁が5枚、やや丸っこい形や、ちょっととがった形などがあり、飯豊山山頂付近に天気のいい日にしか咲くことがない、非常に珍しい花なんです。
石丸:
曇っていたら咲かないんだ!
田巻:
曇ったら咲かないんですよね。
石丸:
これが見られるのは、超ラッキーなんだ!
山本:
どこにでもあるのですか? それとも一部にしかないのですか?
田巻:
りょう線上にちょろちょろっとあるのですが、やはり有名なのは飯豊山頂付近となります。
山本:
小屋から飯豊山までは、どれぐらい時間がかかるのですか?
田巻:
飯豊山までは、30分くらい。距離にして言うと、3キロくらいでしょうかね。
石丸:
りょう線に上がると、そんなに激しいアップダウンはないのですか?
田巻:
多少はありますけど……登山口からりょう線までは5~6時間かかりますので、それに比べると苦ではないのかなと。
山本:
「りょう線までが大変だから」というのがよくわかりました(笑)。
この時期の注意点がありましたらお知らせください。
田巻:
まだこの時期は残雪が残っていて、軽アイゼンを装着しなければ通過できない危険な場所や、鎖場やはしごや岩りょう地帯を歩けなければならない場所もあるので、注意が必要になります。
石丸:
わかりました。
下山したら、何かおいしいものはありますかね?
田巻:
下山すると塩分補給として、よくラーメンを食べる方が多くて、福島の喜多方ラーメンや、山形のラーメンがあるのですが、私はラーメンよりおそばをおすすめしたいなと思います。
登山口付近に温泉施設がありまして、そちらで汗を流して、ゆっくりおそばを食べて堪能していただければと思います。
石丸:
もうぜひ! 山本さんはそっちだけ行く?(笑)。
山本:
登山口付近で満足してしまいそうな(笑)。
でもりょう線の眺めが魅力的なので、「避難小屋に行かなければ!」と思いました。
田巻さん、ありがとうございます。
田巻:
ありがとうございました。
山本:
けさは、福島・山形・新潟の3県にまたがる、飯豊連峰からの「山からおはよう」でした。
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【放送】
2023/07/22 「石丸謙二郎の山カフェ」
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