日本でここだけ! かつての森林鉄道のSL列車に乗りに行く!

23/07/22まで
鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~
放送日:2023/07/15
#のりもの#鉄道#ローカル#アイドル
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23/07/22まで
音で鉄道の楽しさや、鉄道の旅の魅力を伝える、ラジオならではの鉄道番組「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」。
R1・ラジオ第1で毎週土曜日 午前10時5分から放送中! 放送後1週間は「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでもお楽しみいただけます!
今回は北海道に残る保存鉄道を楽しむトレベリン!
鉄道大好き・釧路放送局の堀若菜キャスターが、日本で唯一動態保存されている森林鉄道の機関車・雨宮21号に乗車リポートしました!
<取材メモ>
森林鉄道とは、木材を運搬するための林業用の鉄道で、主に明治時代から昭和30年代頃にかけて活躍しました。
「雨宮21号」とは、北海道遠軽町丸瀬布(えんがるちょう・まるせっぷ)に存在したムリイ森林鉄道(1963・昭和38年廃止)で活躍していた蒸気機関車。1928(昭和3)年に製造され、1957(昭和32)年にはスクラップにされる話がありましたが、地元有志で保存活動が起こり、製造から95年たった現在も、「丸瀬布森林公園いこいの森」にて動態保存されています。
<遠軽町 現役の森林鉄道SL「雨宮21号」 運行にかける思い>
丸瀬布森林公園いこいの森で動態保存されている「雨宮21号」
御年95歳! 今も現役のSLに堀若菜キャスターが対面
今回のトレベラーは釧路放送局の堀若菜キャスター!
堀:
北海道紋別郡遠軽町にある「丸瀬布森林公園いこいの森」という大きな公園に来ました!
公園内で最初に目につくのが線路! 踏切や川を渡る橋りょうまであります。
どんな鉄道が走っているのか、さっそく行ってみましょう!
遠軽町役場 丸瀬布総合支所・上戸智仁さん(写真に向かって左)
~(「雨宮21号」の機関庫にて)~
堀:
「丸瀬布森林公園いこいの森」には、1928(昭和3)年に製造され、かつて木材の運搬に活躍した蒸気機関車「雨宮21号」が動態保存されています。
今日は遠軽町役場 丸瀬布総合支所・上戸智仁さんにお話を伺います。上戸さんは役場の職員でもあり、機関士なんですか?
上戸さん:
そうです。ちょっと珍しいですよね。
堀:
今、SLの周りからドドドドド~という音がしますけど、この音は何の音ですか?
上戸さん:
これはコンプレッサーの音で、整備のために空気を送って通気をよくしているところです。
約1.2トンの水を天井にあるパイプから給水します。
堀:
機関庫の天井にあるパイプと「雨宮21号」が青いホースでつながっていますが、これは何をやっているのですか?
上戸さん:
これは給水をしています。
この汽車は両サイドにタンクが付いているので、そこに約1.2トンの水を入れておきます。
堀:
わ~、すごい量! SLを動かすって、いろいろなモノを使うんですね~。
ふだんは見ることができない煙室の中を特別に公開! そこから聴こえる音とは?
上戸さん:
今までは空気の圧力がなかったので、コンプレッサーを作動させて空気を送っていましたが、蒸気がたまって圧力も上がってきたので、煙室を開けて音をお聴かせします。
堀:
お~、今、21という銘板が付いた、いわゆるSLの顔が開きました。
わっ、すごい! 奥が蜂の巣みたいになっていますね。
上戸さん:
これが煙管ですね。この煙管の中を熱い空気が通って、煙突に抜けていきます。
この煙管の周りには水が入っているので、お湯が沸いて蒸気が発生するという仕組みになっています。
では今度、蒸気の力で通風するということで、ブロワーバルブを開いてみます。
~(蒸気が勢いよく吹き出す)~
堀:
すごい勢いですね!
この白い羽のようにゆらゆら上がっているものが蒸気ですね。
~(蒸気が止まる)~
堀:
蒸気が止まりました。筒状なので最後の「シュッ」という音が反響してイイ音しましたね(笑)。
きっかけは飲み会の席? 「雨宮21号」保存秘話とは
遠軽町役場 丸瀬布総合支所・上戸智仁さんに電話をつなぎました。
土屋さん:
せっかくなので、蒸気機関車の動態保存についてもっとお話を伺いたいということで、スタジオから遠軽町役場丸瀬布総合支所の上戸智仁さんに電話をつなぎました!
この「雨宮21号」はどうして廃車にならずに保存することになったんですか?
上戸さん:
当初は「雨宮21号」をスクラップにする予定でしたが、地元の商工会の飲み会の席で保存活動が立ち上がり、車両を買い取る形で解体の危機から免れました。
その後、「雨宮21号」を群馬県内へ移管する話が浮上しましたが、地元で反対運動が起こり、1976(昭和51)年に(「雨宮21号」を管理していた)営林局から町が譲り受け、動態保存に向けて復元整備しました。
土屋さん:
「雨宮21号」は、今では鉄道遺産クラスのSLなんですよね?
上戸さん:
1928(昭和3)年に作られた国産初の11トン蒸気機関車で、森林鉄道のSLが動態保存されているのは日本全国でここだけ。また北海道遺産、近代化産業遺産、準鉄道記念物、林業遺産に認定されています。
土屋さん:
動態保存することは大変なことですか?
上戸さん:
整備や点検が必要なので、とても大変です。
しかし、保存のために頑張ってくれた人たちの熱い思いを守るためにも、動態保存に努めています。
往年の森林鉄道にタイムスリップ? 「雨宮21号」に乗車!
「雨宮21号」がけん引する列車でトレベリンします!
~(発車ベル~汽笛~発車)~
堀:
「雨宮21号」が動き出しました!
園内に敷かれた約2キロの列車旅を楽しんでいきます!
今乗っているのは、窓がないトロッコ客車なのですが、煙突から出る煙がダイレクトに届くんですね。その香りがまたいいんですよね~。
そして、カーブをするたびに先頭のSLの動輪が力強く動いているのもよく見えます!
本格的な造りの鉄橋を渡っていきます!
鉄橋を渡る「雨宮21号」。
~(鉄橋を通過中)~
堀:
今、鉄橋を通過しています。車輪の音が結構反響しているのが聴こえますね!
SLの煙の香りを楽しみながら、どんどん進んでいきます!
堀:
大きなカーブに差しかかりました。
煙がこちらの客車にダイレクトに届くようになりました。いい香りですね~。
そして駅が見えてきました。およそ2キロの「雨宮21号」の旅もまもなく終了です。
「いこいの森駅」に到着。約2キロの鉄道旅を楽しみました!
堀:
列車を降りて機関車の前にやって来ました。
看板には「北海道遺産 雨宮21号」と書かれているのですが、この100年近くの歴史を伝えるSLが動態保存されていて、それに乗って歴史を感じられるところが、本当にぜいたくだなと感じますね。
ということで、今日のトレベラーは堀若菜でした!
スタジオトークよりひとこと
土屋礼央さん
土屋さん:
「煙がいい香り」という表現がとても気に入りました。保存鉄道に揺られて小さな列車旅を楽しむのもいいですね!
瀧野由美子さん
瀧野さん:
いろんな人の熱い思いの歴史があって、今も保存されているんだなと思ったら感慨深くなりました。
野月貴弘さん
野月さん:
保存に至るきっかけが、地元での飲み会の席からというのが意外でした。僕もその席にいたかったです!
【放送】
2023/07/15 「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」
放送を聴く
23/07/22まで