大河ドラマ『どうする家康』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送中の「もっと、どうする家康」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心(ともよし・かくしん)さんです。
【出演者】
友吉:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者・『どうする家康』芸能考証・指導)
松山:松山ケンイチさん(本多正信 役)
大河ドラマ『どうする家康』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送中の「もっと、どうする家康」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心(ともよし・かくしん)さんです。
【出演者】
友吉:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者・『どうする家康』芸能考証・指導)
松山:松山ケンイチさん(本多正信 役)
友吉:
案内役の友吉鶴心です。
きょうは、本多正信役の松山ケンイチさんとご一緒にお送りします。
本多正信、戻ってきました!
三河の一向一揆で、家康に対抗して出ていって、イカサマ師とか…呼ばれていましたが、時にみんなをたきつけたり、何か楽しそうな感じもありますが、いかがですか?
松山:
僕も、すごく楽しんでやらせていただいています。
正信って、いろんな考え方がある中で、ほとんど誰も思いつかないような部分、見えてない部分、当たり前すぎて気付いていないところだったりとか、そういうことを話していたりするんですよね。自分が生き延びるために、どう立ち居振る舞いをするのか。プライドだったりとか、得だとか損だとか…いろんな理由で、「判断」ってしていくじゃないですか。なんですけど、正信は今回の登場人物の誰よりも、「生き延びる」っていう事をすごく大事にして、存在しているような気がするんですよね。
なので、僕は「一番、武士らしくない人」だなって思うんですよね。
第32回「小牧長久手の激闘」より
松山:
武士も結局、肩書でしかないというか、階級でしかないので、それを全部取っ払ったあとって、ただの生き物じゃないですか。虫と鳥と、動物たち植物たちと何も変わらない生き物。そういう意味で、正信って、もっともっと幅広い視野を持っている人だなと思って、演じています。
友吉:
ちょっと、プライベートなご自身に似ているというところ、ないですか? 自然の中で、とか。
松山:
確かに、それはありますね。僕が東京から離れて感じてきたことだったり、気付いた事っていうのは、実は当たり前のことだったりするんですよね。どんどんどんどん、当たり前って、普通になっちゃって、忘れていくんですよね。何かをやってもらうことが当たり前だったりとか、これをするのが当たり前だったりとか、本当に習慣化してしまうので、良くも悪くも。
なので、もう1回、自分の身の回りだったりとか、自分の景色みたいなものをじっくり観察する時間っていうのは、本当に自分にとって貴重だなって思いましたし、そこから学んでいけたことって、たくさんあったと思いますね。
友吉:
すてきなお話をありがとうございます。
松山さんとは、2012年『平清盛』でご一緒させていただきましたが、また大河ドラマに出演されて、「大河ドラマ」って、どういうふうにお考えになっていますか?
松山:
大河ドラマって、1年以上撮影しているんですよ。しかも、その登場人物の一生を演じていくわけですけれども、なかなか、そういう1人の人間の最初から最後までを演じる機会って、僕らはないんですよ。
平清盛なんかは(当時)26歳で、確か十何歳から始まったんです。玉木宏さん(源義朝)は、確か7歳からなんですけどね(笑)。
で、僕は最後亡くなる60代まで演じさせていただいて、26歳で30歳とか、40代、50代、60代、どんな景色が見えるのかって、僕にとっては全く未知の領域なんですよね。そういうものを登場人物を通して、経験させていただけた。もうちょっと僕より大人になったら、こういう考え方もできるようになるんだ、さらに(年齢が)いくと、もっとこういうことを考えなきゃいけなくなるんだ、というような、何か道筋みたいなものを僕の中に与えてくれた。「こういう生き方もある」っていうような。
平清盛でいうと、「遊びをせんとや生れけむ」っていう言葉があって、遊ぶために生きているっていうようなニュアンスだと僕は感じていて、それは自分の中で本当に中心にあるような感じで、今回の『どうする家康』でも、僕は「遊びをせんとや生れけむ」のように、現場にいます(笑)。
第29回「伊賀を越えろ!」より
友吉:
今後の見どころは?
松山:
まだまだありますよね、秀吉がどうなってしまうのかということもそうですし、関ヶ原があったりとか。
そこでも家康って、信念で突き進んでいくというよりは、いろんな圧力だったりとか、プレッシャーみたいな、人とのつながりだったりとか、その中で悩んだり、もしかしたら裏切ったりしながら、生きていっている。
その難しさみたいなものは、僕、すごく台本を読んでいて楽しいんですよね。
普通に生きていると絶対そういう経験って、できないと思うんですけど、まぁ、戦国時代でもないですしね。
なんですけど、やっぱり、生き延びていくっていうのは、今でもやっていかなきゃいけないんですよ、誰しもが。当たり前に生きているわけ、ないですから。「生きるために何をしなきゃいけないのか」っていうのは、今でもテーマとして必ずあるものなので、何かそういうものを、家康だったりとか、いろんなキャラクターを通して感じていただけたらな、って思いますね。
友吉:
きょうは、本多正信役の松山ケンイチさんとご一緒にお送りしました。
【もっと、どうする家康】於愛の方役 広瀬アリスさん(2023/07/30放送)
【もっと、どうする家康】芸能考証・指導 友吉鶴心さん(2023/08/06放送)
【もっと、どうする家康】持ち道具 古川朋美さん(2023/08/20放送)
【放送】
2023/09/03 「ラジオ深夜便」
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