大河ドラマ『どうする家康』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送中の「もっと、どうする家康」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心(ともよし・かくしん)さんです。
【出演者】
友吉:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者・『どうする家康』芸能考証・指導)
岡田:岡田准一さん(織田信長 役)
大河ドラマ『どうする家康』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送中の「もっと、どうする家康」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心(ともよし・かくしん)さんです。
【出演者】
友吉:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者・『どうする家康』芸能考証・指導)
岡田:岡田准一さん(織田信長 役)
友吉:
案内役の友吉鶴心です。
きょうは、信長役の岡田准一さんとご一緒にお送りします。
岡田:
友吉先生には、大変お世話になっています。
友吉:
大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014)でご一緒させていただいて…今回は、信長役です。
岡田:
どうですか? (信長を)どう見ていますか?
友吉:
「圧がすごい」(笑)。
岡田:
今回は家康主体の話なので、「家康にとって、信長がどういう立ち位置でいられるか」。
兄のようでもあり、一時期は師匠のようでもあり、そして、(家康が)天下を見据えたときに「この人のやり方じゃ駄目なのかな」って、思わせなきゃいけないっていうのが最後にくるんですよね。「自分がやるんだったら、この人の道ではない」というか。
そのために、どうしても短絡的に物事を動かそうと、「圧」で。
信長は「時間内に物事を動かそうとする男」というか、家康は「待って、待って、周りの意見を聞いて、物事を変えていく男」ですので、そういう意味でも限界を見せなきゃいけないし、そういうのは最後の方にすごく意識しましたかね。
友吉:
「新しい信長」というと変ですけど、今までにないキャラクターだなっていうのが、今の話を聞いて、腑(ふ)に落ちたって感じです。
岡田:
信長像って、いろんなイメージがあるし、僕はもっと、まともな人だと思ってるんですよ。
西洋のものというよりも、もともと日本の文化っていうのを大事にして、「これを変えられないんだったら、全部新しく作り直しますよ」っていうことをしていくので。まずは、「それでうまくいくんだったら、それをしていきましょう」、「それでもガタガタみんな言うんだったら、全部変えますよ」というやり方を、時間をかけずに変えていきたかった男というか。
信長は岐阜という、川がいっぱいある場所で、伊吹山(いぶきやま)を越えれば、もう天下、京があるという場所で育った。運搬、運用とか、川が岐阜は多いので、商売とかも見据えた、とてもよくできた人だとは思いますけど、ただ、時間を焦ったという人ではあると思っているので。
でも、そうではない、ちょっと「圧の強い信長」というか。こういう要素もあったであろう、と演じていることは確かですね。
それを家康が見て、「やっぱり、俺はちょっと違うな」というか、「このやり方じゃ、敵を生むな」ということに気付いて、江戸時代をつくるっていうのがやっぱり今回のドラマのメインなので。
「急(せ)いている、圧の強い(信長像)」っていうのは、すごく強めにやっていると思います。
岡田:
僕のひそかなテーマは、(家康役の)松本君に、ボロボロになるシーンを「こうなっちゃったんだ」って、「思ってなかった」っていうシーンを作れたらいいなと思っていて。
「大河あるある」なんですけど、長いスパンで撮っているので計算しちゃうんですけど、でも「こうなっちゃったな、芝居が…」みたいな、「ぼろぼろに泣いちゃった…」みたいな、そういうことが起こり得るんですよね、大河ドラマって。
それは、僕は『軍師官兵衛』の時に「本当に心の傷を負いながら芝居をした」みたいな経験が何シーンかあって。
そういう経験を松本君がしてくれることによって、家康っていうのは完成に向かっていくと信じているので。
そういう意味では、27話あたりで、松本君のボロボロの顔が見られたので、「こういう芝居するつもりなかったんですけどね」って言っていたのが聞けたから、僕の中の裏テーマはクリアしたというか。
僕も松本君の先輩として、彼にエモーショナルに何か起こる方法ができたらいいな、っていうのは裏テーマだったので、それがかなえられたのが27話でありますので。
よく出来ているかどうかは、もう全く分かんないですよ(笑)。いいシーンになっているかは分からないけど、松本君を崩せたなとは思っているので、期待をしていただけたらいいなと。
それで、来週、僕は死にますんで。
友吉:
本能寺ですね。
岡田:
本能寺に行きますんで、そこを楽しみに。もう、いなくなりますから、最後の信長を楽しんで見ていただけたらいいなと思います。
友吉:
あと、2話ということですね、第27回「安土城の決闘」と第28回「本能寺の変」。
どうぞみなさん、お楽しみにご覧いただければと思います。
【もっと、どうする家康】加藤拓 演出統括(後編)(2023/06/04放送)
【もっと、どうする家康】井伊直政役 板垣李光人さん(2023/06/18放送)
【もっと、どうする家康】瀬名役 有村架純さん(2023/07/02放送)
【放送】
2023/07/16 「ラジオ深夜便」
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