庄司智春パパ・大日向雅美先生と考える 「子どもたちと過ごすコロナ禍」④

21/06/22まで

ラジオ深夜便

放送日:2021/04/23

#子育て#家族#コミュニケーション#コロナウイルス

さまざまなことが一変してしまったコロナ禍の世界。それでもなお、希望を持って子どもたちと過ごすことはできるのでしょうか? お笑いタレントの庄司智春さん、子育て支援の専門家の大日向雅美さんと考える、ポストコロナの子育てとは。
(聞き手・村上里和アンカー)


【出演者】
庄司:庄司智春さん(お笑いコンビ「品川庄司」)
大日向:大日向雅美さん(恵泉女学園大学 学長)

リモートを活用しよう

――庄司さんのところは、まさにコロナ禍での子育てをされているんですが、何か困っていること、心配なこと、今感染状況が悪化している中で最近、奥様と話し合ったことなどはありますか?

庄司: 子どもたちが学校生活の中で常にマスクをしなきゃいけないこととか、あとは友達との距離感。普通のそう遊びとかもできない状況でもあるので、成長過程の中で我慢をしなきゃいけない時間が長くなると、将来的にどうなってしまうのかな…という不安はありますね。
大日向: マスクが小さな子どもに与える影響って、心配ですよね。
よく「目は口ほどにものを言う」といって、「マスクをかけていても、目が見えるから大丈夫」とおっしゃる方がいらして、そういう考え方もあるかなと思う一方で、やはり小さい子どもにはできるだけ全部見せてあげたいですね。

この間伺った話ですてきだなと思ったのは――パソコンやテレビでのオンライン電話って、ありますよね。
おじいちゃま・おばあちゃまが、画面の向こうでマスクを外して食事を食べるようなまねをしてあげる。離乳食を嫌がって食べなかったお孫さんが、おじいちゃまが大きな口であーんと食べているのを見て、一緒に食べ始めたと。
画面越しだから、唾が飛んだりする心配はないわけですよ。おじいちゃま・おばあちゃまの顔を全部見られて、お口を開けると歯もあったなんてわかるというのは、とてもいいですね。
そういうふうに最近のパソコンやネットを新しい道具として使っていくことも大事ですよね。

――こういう状況だからこそリモートのよさというのもあるんですね。
先ほどのおたよりの方も、こんなことも書いてくださっています。「自分の子育て中は、身近にいる人に打ち明けたことで楽になりました」とおっしゃった方です。

現在、娘が子育てと仕事の両立に四苦八苦しています。県外に住む私たちは、なかなか手伝うことができませんが、時々テレビ電話で絵本の読み聞かせをしてあげています。

大日向: いいですね。
庄司: 温かいですね。

――確かに、絵本の読み聞かせはできそうですね。

大日向: あと、ママがちょっとトイレへ行きたいときがありますでしょう。それから料理をしているとき。おばあちゃまやおじいちゃまに、リモートで子守りしていただく。赤ちゃんはベビーカーでお座りして画面を見ながら、おばあちゃま・おじいちゃまが「いないいないばあ」したり、お歌を歌ってあげたり。そういうのもいいですね。絵本を読んで聞かせてあげたりね。
マスクじゃなくて、ちゃんと口も見えますし。

コロナ禍でも、学校には行かなくちゃいけないの?

――一方、こんなおたよりも来ています。

福岡県40代女性
今、子どもが小学生なのですが、自主休校しています。
基礎疾患がある子どもなので、前年度はまるまる1年お休みしました。今年度も重症化リスクが高く感染が不安なので、「お休みします」と伝えました。しかし、学校の捉え方とはずれがあるのかなと感じています。
「いつごろから来られそうですか?」と軽く聞かれても、「感染状況が落ち着くまでは、わかりません」としか私も答えようがないです。「皆が登校しているのに、なぜ来ないの?」と問い詰められているような気すらしてしまいます。
学校って、そんなに不安な中も、命を懸けてまで行かなくてはならない場所なのでしょうか? 世界がオンライン授業をしているとのニュースを聞きながらモヤモヤ思いました。

――基礎疾患があるお子さんを育てているということで、コロナ禍ではいっそうストレスもたまるし、いろんなことに気を遣っていらっしゃるんでしょうね。

庄司: 大変ですね。

――NHKが東京23区と全国20の政令指定都市に取材をしたところ、調査を行っていた自治体で新型コロナへの感染不安を理由に自主休校する小・中学生は今7000人以上いるということがわかったそうです。全国で見たら、もっとこの数は多いと思えます。
大日向さん、この方の気持ち、どう思いますか?

大日向: この方のお子さんは基礎疾患をお持ちですから、当然の配慮だと思いますね。
今とても心配しているのは――去年は一斉休校だった。一斉休園だった。行きたくても行けなかった。
ことしになってからは何かトーンが違っていて、「一斉休校にしません」「登校させるもさせないも、家庭・親の判断です」というような声もちらほら聞こえてくるんですね。
そうすると、一斉休校とまた違った苦しさがある。親が判断をせざるをえない。行かせるのも大変、行かせないのも「どうして?」と。
ですから、この方は、「うちの子は基礎疾患があるので」という当然の理由があるので、正々堂々ときちんとご説明なさったらいいのだと思います。
日本の社会って、「みんな同じことしなくてはいけない」という抑圧・プレッシャーがありますので、そういうものにも立ち向かっていく試練というか、チャンスなのかもしれませんね。

ただ、それを家庭や親だけに全部課すのもきついかと思います。
先ほど「違いを認めて否定せず」の大切さを言いましたけど、こういうところでこそ「違い」をお互いに認め合うことは大切だと思います。
先ほどの話は「コロナの感染には、価値観の違いでは済まない問題がある」ということだったんですが、こういうときには、「それぞれの家庭の判断。でも、何かあったとき親・家庭だけの責任にはしない」というバランスですね。社会の成熟度が問われているのかもしれません。

――いろんな場面で親が判断を求められることが今は多いですね。

庄司: この方も、学校に連れていきたいという気持ちは十分あるはずですからね。そこは学校側もサポートしてもらいたいなと思います。理解してサポートしてもらう。親としてはそう思ってしまいます。
大日向: 学校の先生がかけてくださることばは、「いつ来られますか?」じゃないんですよね。「おうちでどうしていますか?」とまず聞いてほしいです。

――学校の先生が(この放送を)聞いていたら、ぜひそういう声をかけてほしいですね。

庄司: 今先生がおっしゃっていたことばで、悩んでいる親御さんが少しホッとできますもんね。

「頑張り過ぎないで!」

――いただいたメール・ツイートをご紹介します。
<子育て中は大日向先生が師匠でした>というラジオネームの方です。

愛知県50代女性
コロナ禍で頑張っているお母さん方のお話を聞いて、50過ぎの私は涙が出てきました。
普通といわれる子育てだって大変なのに、不安はいかばかりかと。どうかどうかご自身の体と1日1日を大切に子育てできますように。

――どうもありがとうございます。
そしてツイートでは…。

妻と息子は隣の部屋で夢の中です。大変な状況下でも息子はすくすく成長し、寝ている今も寝返りしまくっています。大日向先生のことばが心にしみたり、庄司さんのコメントにクスッとしたりして、ほっと一息つけました。またあしたからも頑張れます。

庄司: ありがとうございます。
大日向: よかった。

大阪府70代女性
若い人たちの子育ての頑張りを聞いていて、涙が出そうです。
こんな時期に、本当に大変ですよね。心の中で応援することしかできません。皆さん、頑張って。庄司さんの優しいお父さんぶり、感心します。

庄司: ありがとうございます(笑)。うれしい。
大日向: 本当そうですね。

――全然知らない人のつらさに寄り添って「頑張って」と言ってくれている。それも涙が出ますね。

庄司: つながっていますね。

価値観の変化、人々の優しさも見えた1年

――さて、「自粛疲れ」ということばも最近聞かれるようになってきました。でも、まだまだ疲れていてはいけなくて、今感染拡大で感染者が急増しているところですし、緊急事態宣言の発出も…と言われています。
でも、疲れも確かに出ているかと思います。そのあたり、庄司さんはどうやって乗り越えていますか? 先ほど「この1年、もう限界!」と言う方もいました。

庄司: そうなんですよね。緊急事態宣言があって、あけて、また皆さん解放されたかのように外出されて、そこでまた増えていて…みたいなことが繰り返されている現状ですけれど。
僕は個人的に、「緊急事態宣言解除はまだ先だ」と思いながら生活していたほうがいいのかな、と思います。解除されたとしても、うっすらと個人個人で「自分ルール」を作りながら。
たとえば、外出されても、「きょうはちょっと人が多いな。違うところへ行ってみようか」とか、臨機応変さを学びながら生活していったほうが個人的にはいいのかなって思っています。
コロナ禍でふだんと違う生活になるとは思いますけど、だからこそ家族一丸となって知恵を絞って、楽しく生活できたらなと思っています。

――大日向さんはどうお考えですか?

大日向: 今の庄司さんのお話を伺って、そのとおりだと思いますね。

実はさっき、番組が始まるまでとても疲れていたんです。大学でも来週からの対策等でいろいろと大変でして。
でも、今とても元気になれました。というのも、50過ぎの方や70代の方。ちょっと前までだったら「今のお母さん、もっと頑張らなきゃ」なんて言っていた世代なんですよ。「私たちのころはもっと大変だったのよ」なんて簡単に言ってしまいがちな世代の方々が、「今の若いお母さん、大変ね」「涙が出るほどわかるのよ」「応援してます」と。なんて優しい人が増えてきているんだろう。
コロナでつらいこといっぱいあるけれど、人の優しさは確かにありますよね。そしてもう1つは、いま庄司さんがおっしゃったようなたくましさですね。なんとか乗り越えていこうというたくましさ。
優しさとたくましさに、私は癒やされているなって思いました。ありがとうございます。

――確か大日向先生が1年前に出てくださったときは、「このコロナ禍のピンチをチャンスにして、明るい方向を向いてやっていきましょう」とおっしゃっていたと思います。
庄司さん、コロナ禍で生活が変わってしまった。でも、逆によかったところはどんなところに感じていますか?

庄司: 本当にささいなことですけど、子どもとの時間。向き合う時間も多く長くなりました。
娘が折り紙でバラを作るんですよね。コロナと関係ないかもしれないですけど、時間を共有することが多いから、僕も折り紙でバラを折れるようになったり。そんな時間もいいなと思いました。
妻の誕生日に、子どもたちと3人で折り紙のバラを、妻の年齢の数の分だけ折ってプレゼントとしたりとか。
大日向: すてき。
庄司: 好感度を上げにいきましたけど(笑)。そういう時間もできたので、マイナスだけではないな、というのはあります。

――大日向さんは、どんなところによかったと? いろんなお話も出ていましたが。

大日向: 人の優しさや人の絆の大切さに気付けたことですね。

私の好きなことばで「たゆたえども沈まず」というのをよくお話させていただいているんですけれど、そのフランスのことばをこの1年間、何度も思い出しましたね。
パリって20行政区があるんですけれど、どの市庁舎にも荒波に揺れている帆船の絵が描いてあるんです。フランスって、歴史的にいろんな政権に翻弄されてきました。でも、「絶対われわれは沈まない。沈みさえしなければ、いつか必ず前進する。つらいときはみんなで手を携えて、じっと立ち止まることも力だよ」ということなんです。
風って、必ずやみます。コロナも、時間はかかるでしょうが、必ずワクチンが効いて終わるときが来るでしょう。
そのときに後で振り返ったら、あのとき沈まなかった。みんなで手を携えて耐えたね、と。

先ほど、ママたちが「心が折れそう」っておっしゃった。こういう状況では当たり前です。だけど、うずくまるのも力ですよ。うずくまっていれば、人間って必ず浮き上がってくるんですって。
その浮き上がる力に、きょうのこの「ママ☆深夜便」も少しお力になれたらいいですね。力になりたいというリスナーの声がたくさんあったじゃないですか。こんな温かいことばを頂けるというのも、コロナだからかなって思いますね。
たゆたえども沈まず。沈まないことだけ考えて、あしたを迎えたいですね。
きょう私、沈みかけていたの。

――大日向さんでも、そういうときがあるんですね。

大日向: だって、このコロナ禍での学生のことなど、いろいろ考えると、つい…。

――本当につながっている、みんなで頑張ろう、という気持ちになれますね。
庄司さんは、新型コロナウイルスが収束したら、何かしたいと思っていらっしゃることはありますか?

庄司: 普通に生活したいです…(笑)。
マスクを取って笑ってる顔を見たいですね。お笑い芸人という職業に就いたからには。劇場に出ても、お客さんの皆さんがマスクをしている状態ですから。
僕も笑いたいし、皆さんの笑顔も見たいな、という感じですね。

――今、不安や悩みを抱え、うずくまるときもあるけれど、子育てを頑張っているママ・パパにひとことメッセージを。

庄司: 僕も悩みながら毎日過ごしています。きっと頑張っている姿を子どもたちは見てくれていると思いますので、まだまだコロナで大変ですけど、一緒に頑張っていきましょう。

リスナーたちからの温かい声に、涙

――今届いたメールです。

神奈川県40代女性
初めて聞いております。<ラジオ深夜便>は好きだったのですが、私は子どももいないし「ママ☆深夜便」は関係ないかなと思って、聞いたことがありませんでした。
コロナの変異株や緊急事態宣言など無意識のうちに緊張感が増すこのごろ、とても繊細な事柄を話していらっしゃるのを聞いて、なぜかとても優しくホッとする気持ちになりました。どうもありがとうございます。
大日向さんの優しい話し方、バラエティー番組で知ることのできなかった庄司さんのパパぶりもすばらしいです。

庄司: ありがとうございます。

「子どもの思い出を作ってあげられていないんじゃないか」と心配している方が多いのだなと思ったのですが、私自身のことを考えると、一番思い出すのは、なぜか居間で母親と並んで座っていたときのことだったりします。
一緒に試行錯誤しながら時間を過ごしたことが、何よりの思い出になるのではないかと思います。

――すてきなメッセージをありがとうございます。
そして、先ほど「もう限界!」とおっしゃっていた方からのメールが届きました。私も今読むんですが…。

皆さんからの暖かい声に、キッチンで作り置きしながら涙が止まりませんでした。
たくさん泣いてすっきりして、あしたを迎えられそうです。

大日向&庄司: よかった。

いつか笑顔で振り返れますように。

――ありがとうございます。聞いてくださっていたんですね。
次回の「ママ☆深夜便」は5月27日木曜日です。
また同じ「コロナ禍での子育て」をテーマにしますので、皆さんぜひメールお寄せくださいね。どんなメールでもお待ちしています。



●おわり

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【放送】
2021/04/23 ママ☆深夜便「子育てリアルトーク ~コロナ禍での子育て」


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