どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ②

21/03/18まで

ラジオ深夜便

放送日:2020/12/24

#子育て#家族#コミュニケーション#ココロのハナシ

ざっくりいうと

  • 子どもとふたりだけで出かけてみよう。まずはそこから
  • “自称イクメン問題”。やってるほうだと思うんだけど…
  • 2020/12/24 ラジオ深夜便 ママ☆深夜便「子育てリアルトーク」大豆生田啓友さん(玉川大学教授)、犬山紙子さん(エッセイスト)、劔樹人さん(ミュージシャン、漫画家)

仕事、家事、育児に追われて毎日イライラ、口を開けばケンカばかり。夫婦のすれ違いについてリスナーから寄せられたお便りを読みながら、ゲストと一緒に解消のヒントを考えます。(聞き手:村上里和アンカー)

【出演者】
マメ先生:大豆生田啓友さん(玉川大学教授)
犬山さん:犬山紙子さん(エッセイスト)

子どもとふたりで出かけてみよう。まずはそこから

大阪府30代女性
<9か月の娘との3人家族です。夫は、土日はどこかに家族で出かけたい派、です。でも特に行きたいところはないらしいです。私は、子どもの食事のタイミングなどを気にしつつ夫の相手でヘトヘトになるので、毎週毎週、「きょうどこ行く?」と聞いてくる夫にストレスを感じています。ひとりで出かけてほしい!>

――9か月というと、つかまり立ちや伝い歩きぐらいでしょうか。食べ物だって大人と一緒のものが100%食べられるわけじゃないし、おむつもしてるだろうし、出かけるとなると準備がたくさんありますよね。

犬山さん: この時期のお出かけは本当大変だったなあって、思い出します。ベビーカーだと、どの駅のどこの出口が出やすいか調べたり、どこのデパートのどこに授乳室があるかとか。
私、これはもう、1回夫側が奥さんに「家でひとりでゆっくりしててね」って、子どもを連れてふたりで出かけてほしいなと思いました。どこに行くか決める大変さとか、子どもと一緒に出かける大変さとか、1回ひとりでやってみて、それでその次に、お出かけについての話し合いができるのかなって思います。
マメ先生: 大賛成! 準備から何から、全部やるの、パパが。そもそもお着替えがどこにどう入ってるかも分かんないので、そこから全部やるのが大事ね。
僕は結構パパたち向けのプログラムでそれをやるんです。赤ちゃんだったら、まずは半日ぐらいでいいので、自分で全部準備して連れて行って帰ってくるというのをやると、犬山さんがおっしゃったようにベビーカーなどはいろんなところにハードルがあるのも知って、自分がどう動かなきゃいけないかがよく分かると思います。やってもらったほうがいいですよ。

――出かけるまでにどれほど労力が必要かも、自分でやれば分かりますからね。

マメ先生: 僕、偉そうなこと言ってますけど、人のこと言えなかったっていうことを一応つけ加えておきます。分かんないんですよ~。たぶんね、このパパも悪気のないかわいいパパだと思います。ママからすると「ふざけんな!」だと思うんですけどね。

――パパはもしかしたら、「みんなで楽しもうよ!」っていう気持ち?

マメ先生: 頑張ってるんだと思うんですよ、「一緒に楽しもうね~」って。と、思うんですけど、ね。

――このメールには続きがあって、<娘がごきげんならいいかと思うようにしている。子どもが歩けるようになれば娘とふたりで公園に出かけてくれるだろう。それまでのしんぼう>と思ってらっしゃるとのこと。ぜひ、パパに働きかけてみてくださいね。

”自称イクメン問題“。やってるほうだと思うんだけど…

福岡県30代女性
<1歳5か月の子どもがいます。夫は自宅にいるときは子どもと遊んでくれたり食事を与えてくれたりしますが、平日の有給休暇時にひとりで公園に連れていくのを、人目を気にしていやがったり、子どもに食事を与える以外の準備と片づけなどは私に任せっきりです。手伝いとしてみればやってくれているほうかもしれないけれど、共働きで育児と家事を共同でやってくれているかというと、まだまだ不十分に感じてしまいます。なんにもやってくれていないわけではない夫に対し不満を感じる私は、感謝の気持ちが足りないのでしょうか。当の夫は、世間と比較すれば、自分は結構やっているほうだと思っているようです>

犬山さん: “自称イクメン問題”ですね。

――前回犬山さんにご出演いただいたときも、このことばが出てきましたね。

犬山さん: この方、「感謝が足りないのかな」っておっしゃってるんですけど、全然そんなことないと思うんですよね。共働きでいらっしゃるということで、子育ては、当たり前ですけど「参加」じゃなくて一緒にやるものなので、そこで不平不満が出るというのは、「ほかと比べてマシかどうか」という視点では全然なくて、「私たちのこの家族の中で平等かな」っていう視点で見たときに不満なんだったら、その不満は正当な不満だと思います。

――平日だとひとりで公園に連れていくのをいやがるというのは、人目が気になるんでしょうか。

マメ先生: パパがふだんから子どもを連れて歩くのはかっこいいですよ。だからもうそれは全然価値観がずれてますよね、そもそも。もし恥ずかしいと思っているんだとしたら不思議な感じはします。まあ何か、葛藤があるんでしょうね。
ズレの問題というのはいっぱいあります。僕がさっきから言ってるような、パパ側からするとやってる感があるのに、ママ側からすると全然やっていない、そういう温度差はものすごく激しいんですよね。
僕、偉そうに言ってますけど、ひと事じゃなくて。うちは3人子どもがいるんですけど、長男がひとりっ子だった時間が結構長くて、そのころ僕、結構あっちこっちの幼稚園の保護者向けの講演会で、いかに子育てをやっているかって話をしてたんです。妻からすると「はっ?」ってことだったと思うんですけど、そのときは僕、全然分かんなくて、「なんで? 僕、やってるよね」って。まさに“自称イクメン問題”だったと思うんです。

――どうやって気付かれたんですか?

マメ先生: 2人目が生まれたぐらいから自分でいろんなことをやるようになって、そうしたら「ママたち、これ、24時間やってるんだ……」っていうのが分かるようになりました。
それを思うと、パパ側からすると、「(ズレていることが)分からない」。自分は「ほかのパパたちと比べたらこんなにやってるよ」という満足感が高い。妻の側もそう思っているかどうかは全く別の話で、そこのズレをどうしていくかということなんです。

前に子育て番組で、ある先生が“自称イクメン問題”を取り上げたとき、おもしろかったですよ。その先生がパパたちを並べて、「皆さんはふだんから、感謝を伝えたり、お茶いれるね、とか、そもそもそういうこと、やってます?」って言ったら、パパたちがみんな黙っちゃった。「え、そこ?」って感じで。「ママの気持ち側に立って、ということ、本当に分かってます?」ということを指摘された。僕はそこにコメンテーターとして居たんですけど、背筋が伸びて「はい、そのとおりです」って。
ママたちがふだん「もうちょっとここをやってもらえると助かるなあ」と思っていることに、パパ側、男性側がちゃんと耳を傾けるとか、ママたちも、それを少し声に出されたほうがいいと思うんです。パパたちは「分かんないだけ」っていうのが結構あって、頑張ってるつもりなの。だからショックなんですよね、厳しいことだけ突然言われると。ということは、あるみたいです。

――それをどううまく気付いてもらうかが大事になってくるのかなと思うのですが、犬山さんの家のようにヒアリングをしたり、細かいコミュニケーションが大事ということでしょうか。

マメ先生: さっき僕、コロナ禍で顔を突き合わせるようになって、それがすごく大事だって言ったんですけど、必ずしもすべてをことばにしなくても相手のやってることが分かることはある。でもやっぱり、どこかでちゃんとことばにして話すこと。そしてその言い方は、ご夫婦の在り方によっていろいろでいいと思うんです。
犬山さん: 私の家の場合、保育園周りをほぼ夫が担当していますが、準備から何からすごいたくさんあるので、私が何も知らないことで軽く見積もることがないようにしなければと感じています。だからヒアリングするんですけど、保育園から夫が戻ってきたら、「きょうはどうだった? 何が大変だった?」って聞きます。
「見えない家事」も「見えない育児」も、いっぱいあるじゃないですか。マメ先生もおっしゃっているように、それを可視化する。ちゃんと分かってもらうためには「察して」ではなくて「伝える」。それかもう、「やってもらう」。それなのかな、なんて思います。

男友達と比べてどうするの?

山形県30代女性
<1歳と0歳の子どもを育てる育休中のママです。夫は「俺も協力するから」と言ってくれるのですが、「何か手伝ってほしいことがあったら言って」と言い、自分の部屋に行ってしまいます。平日は仕事で疲れて帰ってくるのでしかたないと思うのですが、休日にそれをされると、「じゃあ私の休みは? 私は自分の趣味を我慢して頑張っているのに、どうして『ここは俺がやるから少し休んだら』って言えないの?」と、心の中で思ってしまいます。先日、頑張りすぎたのか私はダウンしてしまいました。そのとき私は、夫にちゃんとやってほしいことを伝えていなかったと反省しました。どうしたらよいか、ふたりできちんと話し合うことが大事だと思いました>

犬山さん: 私、思うんですけれども、男性の比較対象が「対妻」の仕事量ではなくて、「対同僚」だったり「対男友達」だったりするんですよね。そこからしてちょっとずれてるなという印象がすごくあります。「男友達に比べたらやってるから自分は偉い」ではなくて、家族の中でチームとしてどれぐらいの負担を担い合っているのか、そっちに焦点を当ててほしいです。

――周りの目だったり同僚だったり世間一般のお父さんと比べて、みたいな気持ちでいるかもしれないけど、夫婦で向き合って、家族の中で話して考えようよ、というのが大事ですね。

マメ先生: パパ側からすると、「一般的なパパたちの仲間に比べたらやってるよ」っていうのと、あとは働き方の関係で「俺、これだけ働いてるしさ」みたいな従来モデルがやっぱり強い。子育てや家事はふたりでやっていくというのがこれからの世代は当たり前で、ママが専業主婦であっても、それは一緒にやっていくことですね。「私の休みはいつあるの?」という話なので、そこはたぶん、自分たちの親の世代とは全く違うと思われたほうがいいかな。ただ、それをどう分担していくかはご夫婦で決めていくことですね。ほかと比較して、ではなく。

――パパのタイプも、いろいろあるんでしょうね。

マメ先生: さっき犬山さんが言ってたように、まずは受け止めてとにかくほめて育てる、「そうすると僕は育つんだよ」って、ママ側からすると腹立つんですけど(笑)、そういうタイプの人もいるし、かなり厳しく「そんなんだったら、もう一緒にいられませんけど!」みたいなほうがピシッと決まるタイプの人もいるので、それはご夫婦の関係の中でされることかなって思います。

――とにかく仲よくしたいわけだから、円満に分担したり、不満をためないでやっていけたらいいですよね。犬山さん、どうしたらいいのか、何かヒントはありますか。

犬山さん: 「話し合いの練習」をお互いするのがいいのかなと思います。話し合いっていうと、「うわっ、怒られる……」って逃げられがちというか、お互いちょっと暗くなっちゃうこともあると思うんですけれども、おいしいコーヒーとか持って、まず軽めの議題を持ち寄って、「これについて、どうする?」という練習をする。それで「なんだ、うまくできるじゃないか」という成功体験を積み重ねていくと、そのうちシリアスな話題も話し合えるようになるんじゃないかな。

あと、先ほど「ママには休みがない」という話が出たんですけど、それは大切なことだなと思っていて、話し合いのときに「今週はお休み、どこに入れる?」って、お互いにひとりで休める時間を先に確保しちゃうのもいいのかなって思いました。

――子どもからちょっと離れてひとりになる時間は大事ですよね。

マメ先生: そうなんです。だからやっぱりパパが子どもを連れ出すのは、意識的にやっていいのかなという気がします。
それと、分担なんかを決めるときに男性が結構好きなのは「見える化」すること。そうすると分かりやすい人が、結構多いかな。まず大ざっぱに家事にはどういうお仕事があるのかを「見える化」して、ボードに書いてもいいんですけど、そうすると「これは私でしょ、私でしょ、私でしょ……。あなたはどこだっけ?」みたいになるので、それは1つありかなっていう気はします。

――そしてそのときは追い詰めないで、「一緒にやってほしいんだよね」ってできるといいですね。

真夜中の子育て応援団
ママ☆深夜便

毎月第4木曜日
[R1] 午後11時05分~翌午前5時00分
[FM] 午前1時05分~午前5時

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<どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ①>

<どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ③>

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