【みんなの子育て☆深夜便】ひとりっ子&きょうだいの子育て

22/07/28まで

ラジオ深夜便

放送日:2022/06/23・2022/06/24

#子育て#家族#コミュニケーション#お悩み

ひとりっ子を育てているからこそ、また、きょうだいを育てているからこそ感じること。リスナーの皆さんからのお便りを囲んで、ゲストのお二人と一緒にみんなの子育てを語ります。(聞き手・村上里和アンカー)

*放送の一部をこちらでお読みいただけます。全体は「聴き逃し」からどうぞ!

【出演者】
柴田:柴田愛子さん(保育施設代表)
小林:小林よしひささん(タレント)

親は誰でも“心配虫”

――きょうは、柴田愛子さん、小林よしひささんとともにお送りしていきます。テーマは「ひとりっ子&きょうだいの子育て」、先月に引き続いてのテーマです。前回は、「きょうだいゲンカが多くて困っている」「ひとりっ子は我慢が足りないとか打たれ弱いといわれている。どう育てていったらいいのか」といった悩みが寄せられ、Eテレ「すくすく子育て」の司会の鈴木あきえさんと、子育て支援の専門家、玉川大学教授の大豆生田啓友さんと一緒に考えました。放送を聞いた皆さんからいろんな思いをお寄せいただいたので、まずそうしたお便りからご紹介します。

宮崎県40代女性
<初めてメッセージを送ります。ことし二十歳になるひとりっ子の息子がいます。小さいときは、1人で遊んでいたり大人に囲まれていたので、幼稚園に入ったときに友達と仲良く遊べるのか不安でした。でも、ひとりっ子が半分くらいいるクラスだったので、みんなマイペースに楽しんでいて自然と仲良くなっていました。周りを意外と見ている、ひとりっ子の息子。今でも新しい環境にすっとなじめるのは、いいことだと思います>

――親の心配よりも子どもはたくましかった、という例の一つでしょうか。

柴田: まあ、親って、“心配虫”だからね。
小林: ははは、心配虫!
柴田: なんにも心配してない人って、いなくないですか?
小林: うんうん、それはないですね、絶対。

柴田愛子さん。1982年設立の「りんごの木子どもクラブ」代表。

柴田:
子どもが新しい環境に行くっていうのは、親自身が行くよりもさらに心配なのよね。でも子どもはいつも前向いて、もちろん躊躇(ちょうちょ)することもイヤなこともあるかもしれないけれど、絶対、立ち止まっているとか後退することはないでしょう? 不本意ながらも環境を用意されるわけだけど、よけて通らないで、ちゃんと前に向かって行くの。嫌いでも、「嫌い」ってよけないですよね、子どもって。「この子、こういう子なんだ……」って思いながら(見ていると)、前に進んでいくっていうか。だから案外、生きる力を持っていますよね。

――スピードが速かったり遅かったりするかもしれないけど、それがその子の個性であって、ちゃんと前に進んでいるんですね。

柴田: そう思いますよね。

東京都60代男性
<ひとりっ子は打たれ弱いといわれます。確かに私のひとり娘は打たれ弱かったのですが、社会に出てから世間が鍛えあげてくれたので、27歳の彼女は今では楽しく過ごしております。またお金の面でも、1人だけなのでとても気楽でした>

――世間が鍛えあげてくれたとお父さんは見ているようですが、もしかしたら、そんなに打たれ弱くなかったのかもしれませんね。

愛知県60代男性
<ひとりっ子で62年、女房1人、子ども3人、孫1人。振り返ると団体行動が苦手でした。習い事は、お絵描き、書道。若いころは柔道、サーフィンに明け暮れ、今は書家をなりわいとしています。友人は少ないですが、よき友、よき師に恵まれ、寂しいと思ったことは一度もありません。家族からは自分勝手と言われますが、好きなことをコツコツとやり通せる環境づくりが、ひとりっ子を大成させる要因と思います。私は“ひとりっ子バンザイ”組です>

――ありがとうございます。前回は、ひとりっ子は、打たれ弱いとか甘えん坊とか我慢ができないんじゃないか、また、周囲からそう見られているんじゃないかと気にしている方からのお便りが多かったんですが、「そんなことないんじゃない? 大丈夫だよ」という先輩たちからの声が聞こえてきましたね。小林さんは娘さんを育てている中で、モヤモヤしていることはありますか。

小林よしひささん。2005年から14年間、Eテレ「おかあさんといっしょ」で体操のお兄さんを務めた。現在はタレントとして活躍中。

小林:
周りから何かを言われてどう思うかというのは、こういう性格なので、ネガティブなこと……人からの意見みたいなものはあまり気にしないです。なので基本、モヤモヤしないですね。受け流して、いいところだけつまんで、みたいな感じです。

柴田: (子どもが)1人か2人か3人かなんて、どうしてそんなことを比較してものを言うのかなって、私、思うんですけどね。私のおばあちゃんの世代なんかは、きょうだいが13人とか、あったじゃないですか。時代によって子どもの人数は変わっていて、私は70歳を過ぎてますけど、私のころは5人って結構いたんです。それがだんだん子育てにお金をかけるようになったり、住宅事情やいろんなことがあったりして、多くても3人くらいになってきたんです。

みんな自分を基準に人を見るものだから、3人きょうだいで育った人は「ひとりっ子は少なくてかわいそう」とか思うし、ひとりっ子で育った人は「いやいや、1人でも大丈夫ですよ」って。時代によって子どもの数は変わっていて、だから……気にしなくていいんじゃないですか(笑)。

――自分が育った環境や自分の世代観を、今の若いパパママにうかつに言わないほうがいいというのはありますよね。

柴田: そうですよね。元気に生きてりゃいいと思いますけど。

――ああ! 柴田さんのその言葉を聞くと、ほんとにそうだなって思います。

「パパはいつも約束守るよね」

――小林さんは、娘さんと接する中で意識していることはありますか。

小林: うちはひとりっ子の状態ではあるんですけれども、そうすると例えば甘えん坊であったり我慢が弱かったりとかいうことを聞きますけど、私としては、まずは自分、私自身からだと思っています。パパとしては新米ですので、娘との関係性をしっかり築いたほうがいいかなということで、ささいな約束でもしっかり守ることを繰り返していけば、娘からの信頼も得られるようになるかなと思って。

例えばお風呂に入ろうとなったときに、「まだテレビを見たい」と言われたら、「あとどれくらい見る?」と聞いて、「このお話を見たら入る」と本人が言ったら、それを待ちます。時間がたって「終わったから入ろう」と言って「嫌だ」となったときに、「パパ、いつも約束守るよね?」「うん、守る」「じゃあ、入る?」みたいな、そういう関係性が少しずつできあがってきていて、もちろん、うまくいかないこともあるんですけれども、「じゃあ、お風呂、先入りまーす」とか言うと、あとからついてきたりして(笑)。その積み重ねがあることで、無理強いしなくてもうまくいくようになるのかなと。
柴田: 一方的じゃなくて相手を尊重して取り決めているから、子どもも納得しますよね。すごい!

――ご自身がまず約束を守ることを実行しているという。

小林: これ、結構いい方法……方法っていうとアレですけれど、ちゃんと関係性をつくることって、3歳になればもうしっかり大人と同じように見てますからね。

――例えばどんな約束をするんですか。

小林: ちょっとしたことです。(出かけるときに)「帰ったら、お人形のお世話ごっこしたい」と言われたら、「じゃあ、やろうね」って言って、(子どもは)忘れているかもしれないけれども私は覚えているので、帰ったら真っ先にそれをやります。
柴田: えっ、すごい!
小林: そうすると、「覚えていてくれたんだ。約束を守ってくれた」というふうになると思うので。
柴田: またよく覚えてるわね……。
小林: それはちゃんと覚えるようにしています。
柴田: そうなんだ。私なんて子どものとき、大人はウソつきだと思ってましたからね(笑)。約束してもすぐ忘れちゃう。
小林: 覚えておくのが、約束を守る上で一番大事なことかなと。守れなくても、約束したことを覚えているということが大事かなと思いますね。

――どうしても守れないこともあると思うんですけど、そういうときはどうされているのですか。

小林: 約束を覚えていることはちゃんと伝えて、それでしっかり謝ります。
柴田: そしたらもう、お子さんはあなたに絶大な信頼を持ってらっしゃるわね。
小林: その関係性は築けてきていると思うんですけれども。
柴田: 奥さまも、そういう関係性を持ってらっしゃるの?
小林: そうですね。あとは自主性というか、本人からしっかり言葉を発するようにというのは、お互いに決めてやっています。

――子どもがまず一番身近にいる親を信頼できるというのは、とてもいいことですよね。

柴田: そうですよ。子どもにとっては命綱ですもの。守って保護してくれるものがいなければ生きていけないのが動物ですよね。

だいたい6歳ぐらいまでは、保護してくれる人がいなければ自分に命がないくらいの危機感を持っているといわれているんです。まして3歳ぐらいって、イヤイヤ期っていわれるように自己主張が始まってみんな手に負えなくて、嫌になっちゃうことがあるじゃない? あっちはもう「自分で自分で!」って言って、本当に対等ぐらいに思っているわけですよね。だからそこで向き合って丁寧に接してくれるというのは、子どもにとってはすごく安心だと思いますよね。「この人には捨てられない。ちゃんと私を守ってくれる」って思うでしょうね。

――小林さんのお話を聞いていると、自分が大人で上にいて、子どもに何かを教えるとか押さえつけることがなくて、同じ目線で「これはどう?」「あ、そうなの?」とキャッチボールをしながら会話を進めていますよね。どうしてそういうことができるようになったんでしょう。

小林: やはり「おかあさんといっしょ」での経験が大きかったかなと。毎回新しい子どもたちが30~40人いるんですけれども、その子どもたちに対して、団体としてドンと言葉をかけるとうまくいかないんですけど、同じ言葉でも、ちゃんと個々として認識しながらかけると変わってくるので、やはり会話のキャッチボールがすごく大事だなと感じました。
柴田: (小林さんの)お子さんはもう、気持ちを言葉で伝えられるんですか。
小林: 言葉は早かったです。早い段階でしゃべるようになりましたし、今はほっとくとずっとしゃべってますね(笑)。おしゃべりな子になっちゃって。
柴田: そうすると、なおコミュニケーションがとりやすいですね。言葉で表現できないと、かんしゃくを起こしたりするじゃないですか。なかなかわかり合うのが難しくなってくるけれど、それは助かりましたよね。

子どもから“目をそらす”練習を

神奈川県40代女性
<4歳の娘はひとりっ子です。マイペースでのびのび育っているのですが、きょうだいがいないので、他人にもまれる経験が足りていないのではと感じています。私自身は、姉がいてたくさんケンカをしたりぶつかり合う中で社会を学んだように思います。ではお友達との関わりの中で経験させれば、ということもあるとは思うのですが、他人のお子さんなのであまり思い切ったことはさせられず、遠慮してしまいます>

――「遠慮してしまいます」というのがどういうことなのかを、私もそうだったなということから想像してみると、公園などでほかのお子さんと物の取り合いとかが始まりそうになってぶつかる前に引き離してしまったり、衝突を避けるように先回りしたり、もしくは感染予防の観点から、思いっきり触れ合わせるのは……というのもあるかもしれませんね。

小林: 私も最初のころは、前もって、という感じになってしまっていたなあという反省がありますね。それって、子どもどうしでもそうなんですけど、親どうしのコミュニケーションもまだとれていないからなのかなと思っていて、今、娘には親友の子がいてケンカもするんですけど、親どうしも仲良くなってお互いに信頼できているので、多少強めのケンカになっても見ていられるんです。だからまずは親どうしの関係性が築けると、ある程度、思い切ったこともできるんじゃないのかなというふうに最近は感じています。
柴田: 確かに、ぶつかり合う中で学んでいくことはいっぱいあると思うんですね。でもぶつかり合える関係性というのは、特に小さい子の場合は親の関係性がからんでいますよね。ですからぶつかり合える関係性ができている人がいて、それでぶつかり合って学ぶことってあるとは思うんです。でもこの方、まだ4歳よ。4歳からぶつかり合ったってさ……。まだそんなに世の中にもまれなくてもいいんじゃないの?って(笑)、私なんかは思っちゃうのね。人生百年時代ですから、ぶつかり合いたくなくたってぶつかるできごとが、これからいっぱいあるじゃないですか。

自分で言うのもヘンですけど、私、小学校ではちゃんと座っていることしかできない子だったんです。家ではいろいろやってたんだけど、学校ではものも言わなかったし、6年間で3回しか手を上げたことがないの。だからほかの人とぶつかり合った経験なんて、全然ないですよ。そこから学んでいくよりも、観察して学んでいたと思う。「あの子はどうしてあんなことになっちゃうんだろう」とか、「あの子はどうしていじめられちゃったんだろう」とか。周りの先生と子どもの関係性とかはものすごくよく覚えているんです。でも遠慮のない関係性の友達がいたかっていうと、いなかったです、私。

いろんな学び方があって、いろんな人生の進み方があって、いいんじゃないですか。親としては、よりよい方法でとヤキモキなさるのはわかるけど、大丈夫よ、まだ4歳なんだからって、思いますよね。
小林: 確かに! いつかは見ていられない瞬間が来ますからね。本人が頑張らなきゃならない瞬間がありますものね。

兵庫県40代女性
<ひとりっ子ゆえ、過干渉気味になってしまう。子どもを見守りたいという理想はあるけど、いつも先回りしがちで自己嫌悪>

――こういうお母さんたちには、どんな声を?

柴田: 見守るって、難しいのよね~。見てたらなんか言っちゃうのよね。手も出ちゃうのよね……。目が行き届きすぎるということがあるとは思うんですよ。そこにどうしても目がいってしまうからね。だから“目をそらす”練習をなさったらどうかしら。

――ああ!

柴田: 目をそらすっていうのは、自分の家事を増やすとか、子ども以外のことに思わず向いてしまう自分の好きなことを持つとかね。自己嫌悪になるよりは、自分が好きなことを一つお持ちになったらどうかしらと思うのと、それから、人の言葉にそんなに脅かされなくても大丈夫よ、って。

ひとりっ子ときょうだいがいる子に、私は大きな違いはないと思っているんです。それよりも、その子の気質とか性格とか、そのほうが大きい気がするのね。子どもの数が多いから少ないからということはあるんだけれど、そんなに気にして育てていくことはないんじゃないかな。それよりも、その子の特徴やその子らしさを把握していくことのほうがいいかなって。それと、どうしても目が行き届きすぎるから、目をそらす練習をしたらどうかなって。

もう一つ言うと、いつも大人って、メリットとデメリットを比べるんですよね。ひとりっ子のメリット・デメリット、きょうだいが多いメリット・デメリット、というふうに。でもね、どれだってメリットとデメリットがあるのよ。そう思わない? メリットだけなんてことはありえないわけです。人間は損得勘定では生きていけないじゃないですか。だからそんなふうに損得勘定で子どもを見ることはないし、自分をそれでコントロールする必要はないんじゃないかな。それで再び言いますけど……元気に育っていれば、いいんじゃない?

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毎月第4木曜日
[R1] 午後11時05分~翌午前5時00分
[FM] 午前1時05分~午前5時

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【放送】
2022/06/23・2022/06/24 ラジオ深夜便 「みんなの子育て☆深夜便」 子育てリアルトーク

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