どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ①

21/03/17まで

ラジオ深夜便

放送日:2020/12/24

#子育て#家族#コミュニケーション#ココロのハナシ

ざっくりいうと

  • 「大変なこと、ない?」 おしゃべりなほうからヒアリング
  • ママは叱り役、パパは優しい役。そんなのズルイ
  • 2020/12/24 ラジオ深夜便 ママ☆深夜便「子育てリアルトーク」大豆生田啓友さん(玉川大学教授)、犬山紙子さん(エッセイスト)、劔樹人さん(ミュージシャン、漫画家)

仕事、家事、育児に追われて毎日イライラ、口を開けばケンカばかり。「このところ、まともに夫婦で会話してないなあ」というご家庭もあるのではないでしょうか。どうしたら仲良く協力して子育てをすることができるのか、夫婦円満の秘けつは何か。子育て期の夫婦のコミュニケーションについて考えます。(聞き手:村上里和アンカー)

【出演者】
マメ先生:大豆生田啓友さん(玉川大学教授)
犬山さん:犬山紙子さん(エッセイスト)

子どもは親の幸せな顔が好き

――大豆生田啓友(おおまめうだ ひろとも)さん、<すくすく子育て>で見てらっしゃる方はお顔が思い浮かぶと思いますが、黒縁の眼鏡に黒い帽子、クルクルの髪の毛。マスクしてらっしゃるので分からないのですが、おひげなんですよね。そして、クリスマスだからでしょうか。きれいな赤い色のセーターを着て来てくださいました。「大豆生田」という、ちょっと変わったお名前ですが、栃木のご出身ですね。

マメ先生: 栃木県の南のほうに結構いるんですけど読み方は26通りぐらいあって、僕の「おおまめうだ」というのは2番目に多い読み方らしいです。

――きょうは「マメ先生」とお呼びしてよろしいでしょうか。

マメ先生: 学生もみんなそう呼んでいますので、それでお願いします。

――マメ先生のプロフィールをご紹介します。大豆生田啓友さんは1965年栃木県のお生まれ。青山学院大学の大学院を修了後、幼稚園で教諭として働き、その後大学講師へと転身されます。現在は玉川大学教授で、専門は幼児教育学、保育学、子育て支援。日本保育学会理事でもいらっしゃいます。25歳の長男、18歳次男、17歳長女、3人のお子さんのお父さんです。
今夜はクリスマスイブですが、マメ先生の家ではクリスマスはこんなふうに過ごそうって、決めてらっしゃるんですか。

マメ先生: クリスマスは大事な日で、子どもが小さいころはもみの木みたいなものを部屋に置いて、新婚旅行でドイツに行ったときに買った飾り用の木のおもちゃを毎年みんなで少しずつ飾ったりしましたね。今はかたちだけになっちゃいましたけど、きょうもクリスマスケーキを買いました。

――ことしは新型コロナウイルスでいろいろな影響が出ました。乳幼児を育てている家庭について、マメ先生が特に気になっているのはどんなことでしょうか。

マメ先生: 「いい夫婦の日」の11月22日に、あるアンケート調査が出ていて、「夫婦の会話が増えたことで良好な関係になった」というのが多かったんですけど、たぶん逆も多かったんじゃないかと思うんです。一緒にいるからこそ、密室の中で。仕事と家事の両立、おうちのごはんを誰が作るかも含めての葛藤もあったかなと思っています。
子どもの生活も結構二極化したかなと思っています。うちの近所だと、今まで子どもがいなかった公園でものすごく遊んでたんです。鬼ごっこやったり、お店屋さんごっこやったり。というのと、「リスクがあるから外へ出ないで」という二極化があったかなと思っていて、人によって全然違ってくるかなと思います。

――きょうは「子育て夫婦のコミュニケーション」がテーマですが、夫婦関係がどうであるかは子どもたちにも大きな影響を及ぼしますよね。

マメ先生: 子どもたちって、親が笑顔でいる、幸せそうな顔をしてるのが好きなんですよね。言わないんですけど、かなりちっちゃい年齢の子たちから。親は気付かないんですけど、ものすごいあの人たちは気を遣っていて。子どものためという観点からもそれは大事かなと思います。

――この番組を聴いてくださるのをきっかけに、ちょっとでも夫婦の笑顔を取り戻してもらえたらいいなと思いながら、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

2人目のゲストは、エッセイストの犬山紙子さんです。犬山さんとはインターネットでつながっています。7月に「“べきお化け”をやっつけろ」の回にご出演いただきました。
プロフィールをご紹介します。1981年、大阪生まれ。29歳のときに作家デビュー。テレビやラジオなどでコメンテーターとしても活躍中です。出産後は働く女性や母親が抱える問題や社会の現状をテーマに扱うことも増えています。2018年に、眞鍋かをりさんや坂本美雨さんたちと児童虐待問題に声を挙げるタレントチーム「こどものいのちはこどものもの」を立ち上げて活動中です。
犬山さん、きょうはクリスマスイブですが、きょうあすと、どんなふうに過ごされる予定ですか。

犬山さん: わが家も夫がケーキを買ってきてくれて一緒に食べました。料理も用意したんですけれども、娘が一口も食べないで「別のがいい」って言ってきたので、ちょっとそこで悲しくなってしまって…。「そんなに言うんだったら、もう知らないよ」って、私、自分のベッドに逃げちゃって。でもそのあと「ごめんね」って謝って、そしたら娘も「ごめんね」って言ってくれて、一応仲直りできて円満な感じなんですけれども、きょうはそういうひともんちゃくがありました。

――料理を食べてくれないと、がくっときますよねえ。

犬山さん: 「前、食べてたじゃん! コーンスープ」みたいな気分です。

――2020年は犬山家にとってどんな1年になりましたか。

犬山さん: きょうこのあと出てくる夫がミュージシャンでもあるので、新型コロナの影響で仕事が中止になることが多くて、私は地方に行く仕事がリモートになって。苦しいことがある反面、子どもと夫と長く一緒にいれたのはよかったなと思っています。

――犬山さんの夫で、マンガ家でミュージシャンの劔樹人さんには、このあとご登場いただきます。

「大変なこと、ない?」おしゃべりなほうからヒアリング

――犬山さんのご家庭は、外の仕事、そして家事育児の量を、夫婦でトントンになるように調整していると伺っています。犬山さんが外で仕事をすることが多いため、家事育児は夫の劔さんが主に担うんですよね。おふたりのコミュニケーションはどんなことを心がけていらっしゃいますか。

犬山さん: ことし後半、夫が忙しくなり出しまして、私がもうちょっと家事育児を担当しないとフェアじゃないなみたいな、微調整が必要になってたりするんですけれども、夫が性格的に、「しんどい」とか「ちょっと休みたい」とかなかなか言えないと分かっているので、私のほうから毎日、「大変なことない? しんどいことない? 変えてほしいことあるかな?」っていうヒアリングをしています。
あともう1点、私がおなかがすくとイライラしがちという性格がありまして、カウンセリングに行ってどうやったら自分の怒りの感情とつきあえるかに向き合いながら、なるべく自分の気持ちをコントロールしながらやっていくことを意識しています。

――夫の劔さんにヒアリングをしている?

犬山さん: そうです。やっぱりこれも性格で私がメチャクチャしゃべっちゃうタイプなので、私の主張がどうしても通りやすくなるのを感じていたのでヒアリングは必須だなと思っていました。

――犬山家のスタイル、マメ先生、どうお聞きになりましたか。

マメ先生: いいですよね。自分の思いをバーンと出す人もいれば苦手な人もいますから、そうやって聞いてもらえることで話しやすくなりますからね。夫婦ってことばにしていかないとなかなか通じ合えないところがあるので、大事なことだなと思いながら伺いました。それと、おなかがすくとイライラする人、いますよね。よーく分かります(笑)。

――マメ先生のご夫婦は、コミュニケーションで大事にしているのはどんなことでしょう。

マメ先生: やっぱり顔を突き合わせるのは大事です。実は僕、大学の授業がほとんどオンラインになったので、今、ほとんど家にいるんですけど、向き合う時間って大事だなって思ってます。それまでは全国を飛び回っていたので、このあと、もしそれがまた戻ることを考えると、ちょっとどうかなって考えちゃいます。顔を突き合わせて、一緒にごはん食べたり作ったり、お散歩行ったりみたいな時間はすごく大事だなって。それはつくづく新型コロナから教わったことの1つだなと思ってます。

――マメ先生の家はケンカなどはされない?

マメ先生: そんなことはないですよ。ほかの家族は知りませんけれども、まあまあいろんなことがあって、怒ってみたり、でも翌日には「おはよう」と言ってみたり。そうしたなかでやりくりして夫婦ってあるんじゃないかな。きれいごとではないなと思っています。

――犬山家では最近ケンカになることはありましたか。

犬山さん: 私、アンガーマネジメントしているつもりなんですけど、ついこのあいだ、家族で外出した際に食事のタイミングを逃して、私がおなかを2時間すかせてしまって、夫がとなりで「ヤバイ……。おなかすいてるからイライラするかもしれない」みたいな感じで見てて、私も頑張って抑えてたんですけど、歩き回って疲れてしまって、夫に対してちょっときつい口調で「あのお店やだ。このお店やだ」みたいな理不尽なことを言ってしまいました。でもそこで娘が、私の手と夫の手をつないで「なかなおり~」って言って、そこではっとして「またやってしまった……」みたいなことがありました。

――子どもは見ている、気を遣っているというマメ先生の先ほどのお話、まさにそのとおりなんですね。

ママは叱り役、パパは優しい役。そんなのズルイ

――メールをご紹介します。

愛知県30代女性
<わが家の子育てにおけるすれ違い。それは、厳しさと優しさの加減でしょうか。食事の例でいうと、私は子どもの虫歯や健康を気にして甘い物やおやつは量を決めて与えたり、なるべく手作りで塩分やバランスを気にしたりしています。その一方で、夫は私が不在のとき、子どもの食べたい牛丼やラーメン、アイスクリームなどなど、いつも私が与えないように気を遣っているものを子どものリクエストに応えてどんどん食べさせます。食事以外にも基本子どもに甘く、絶対怒らない優しい夫のことを子どもは大~好き。完全にママが叱り役、パパが優しい役。こんなのズルイといつもモヤモヤしますが、なかなか夫には伝えられずにいます。
前回の「世代間ギャップ」の回で話題になっていたように、「まあ、たまにはいいか。きょうだけ特別」と自分に言い聞かせて見逃していますが、モヤモヤは止まりません>


神奈川県30代女性
<わが家の2歳男児はイヤイヤ期真っ盛り。とにかくなんでも「いや! 自分で」の連続で大変です。
夫婦ですれ違っているなと感じるのは、危険だと思う子どもの行動と、それへの対応です。私は何かと危険だと思うことをやめさせたり注意したり叱ったりと細かく見ているのですが、夫は少しくらい危なくても命に関わらなければ大丈夫、ちょっと痛い目をみるのも大事と、なんでもやらせてみることが多いです。私も本当はカリカリグチグチ言いたくない。でも何をしでかすか分からない怪獣のような息子を、叱ったりなだめたりするだけで体力が削られて毎日ヘトヘト。特にひとりでごはんの支度・掃除・洗濯物を片づけながら息子を見ているときなど、余裕がなくてついつい口うるさく叱ってしまいます。そんな私の対応について、夫に「少し厳しすぎじゃないの?」なんて言われると、すごくモヤモヤします>

犬山さん: このモヤモヤって、子どもの命や健康を真剣に考えるからこそだろうというのを、私もすごく共感しながら聞いていました。そこのすり合わせは、本当にお互いが納得できる着地点をコミュニケーションの中で見つけなきゃいけないんですよね。
でも話す時間を持つのがまた大変で…。例えば仕事だと、意見の違う相手と話をまとめるときに、1回まず相手のいいところを見つけてほめつつ、でもこういう問題点もあるからどうしようかって冷静に話すと思うんです。夫婦でもそういうコミュニケーションができればいいのかな、なんて感じました。
マメ先生: ママ側からしたら、子育てをかなり自分が担わなきゃって思っているからこそ、これは腹立ちますよね。そうだと思う。ただ子ども側から考えると、両面あるのは悪くないんです。どっちか一方だけでこられちゃうと結構きついですよ。

――ふたりで厳しいとか、ふたりで甘いとか?

マメ先生: うん。だから子どもにとってはまんざら悪くないなと思いながら聞いていました。でもママからすると全部自分がそういう役だから、それはきついよね。
パパ側からするとどうなのかっていうと、何か自分なりの出番を一生懸命探ってて、自分なりの貢献を頑張ってはいると思うんです。でもママからすると、たまらない。「自分はいつもそういう役ばっかり」ということだと思うんです。
だから犬山さんが言うように、これはちょっと話したほうがいいよね。我慢しすぎないほうがいいですよ。「私、その役ばっかりでつらいんですけど」って、素直に言ったほうがいい。そしてそう言ってもらわないと、パパ側も分からない。これね、分かんないんですよ。

――パパは、いいと思って、よかれと思ってやっている?

マメ先生: そう。よかれと思って。だって、子どもが喜んでるんだもん。「僕、結構いいことやってんじゃん」みたいなのはあると思うんです。だから「いやいや、そうじゃないから」っていうのは話したほうがいい。それでストレスがたまってるんですから、やっぱり出さないと。ただまあ折り合うぐらいに、さらっと言ったほうがいいと思いますね。

――話さないとモヤモヤは積み重なってしまうから、都度、出していくのは大事かもしれませんね。そして、責めるのではなくて、犬山さんが言ったように、いいところを認めつつ、柔らかい感じで話すのがいいのでしょうか。

犬山さん: これはもうブチ切れ寸前だから、私はブチ切れてもいいと思うんですけれども、人間なので(笑)。でもまだ余裕があるときは、なるべく冷静に話せたほうが問題解決はしやすいのかな。最初ほめられてから問題点指摘されるほうが、人間、聞き入れやすいかなと思います。

真夜中の子育て応援団
ママ☆深夜便

毎月第4木曜日
[R1] 午後11時05分~翌午前5時00分
[FM] 午前1時05分~午前5時

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<どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ②>

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