「おなかがすくと、ぐずってしまう」「おやつを食べると、食事をちゃんと食べてくれない」「食事中に動き回ってしまう」――子どもを大切に思っているからこそ、食事に関する悩みは尽きないはず。1人で思い詰めず、時には見方・考え方を変えてみては? 小林よしひささんと外山紀子さんのことばに耳を傾ければ、ヒントが発見できるかもしれません。(聞き手・村上里和アンカー)

【出演者】
小林さん:小林よしひささん(タレント)
外山さん:外山紀子さん(早稲田大学教授)


おやつを食べて、ごはんを食べてくれない…

―――きょうのテーマは「子どもと食」。ツイートをご紹介します。

<起きていたのでラジオをつけてみました。離乳食というと、「つらかったな」「大変だったな」という思い出。子どもが離乳食を食べてくれないと心配だし、つらい。私も「食べてくれー…」という顔をしながら、あげていたんだろうな。>
<離乳食だけでなく食事の際は母が目の前にいて笑顔で食べていたから、どんな食事でもおいしく食べている印象が強かった記憶がある。>


―――食事のときにお母さんが目の前にいて、いつも笑顔でいてくれたという子どものころからの記憶。いいですね。とてもすてきなお母様ですね。

メールをご紹介します。


茨城県30代女性
<メニューのレパートリーが少なすぎて、飽きられちゃいます。
新型コロナのステイホームで夫も家にいて、ほぼ毎日大人と子ども3食作るのが大変すぎて、「おなかすいたあ」と泣かれると、ご飯前にお菓子やバナナをあげてしまい、あまりごはんが進まない、という悪循環に悩んでいます。>


神奈川県50代男性
<1歳5か月の息子がお菓子ばかり食べて、本来の食事をあまり食べません。>

―――ごはん前におやつでお腹いっぱいになってしまって、食事をちゃんと食べてくれない、食事のリズムが作ることができない、という悩みです。よしお兄さんは、こういう悩みはありましたか?

小林さん: 食事を作るタイミングがずれてしまうと「おなかすいた」とぐずりだしてしまって、そのときにほかのものを「これでちょっと待ってて」とあげてしまうと、食事になると食べなくなる、というのがありますよね。

―――どんなものをあげるんですか?

小林さん: フルーツだとか、子ども用のお菓子もあるので、ついてあげてしまいがちではあるんです。

―――この方も、<お菓子やバナナをあげてしまい…>と。フルーツをちょっとあげるつもりが、「バナナ半分じゃイヤ」と言って全部食べちゃって、おなかいっぱいになっちゃうこともあるかもしれないですよね。
「食事のリズムを作る」という悩みが寄せられていますが、外山さん、どうしたらいいでしょう。

外山さん: お菓子は……あげちゃいますよね(笑)。ただ、子どもは、大人よりもずっと体に正直に食べるんです。
どういうことかというと、大人の場合、例えば次の食事まで6~7時間と時間が空く場合にはたくさん食べますし、次の食事まで2時間とかだと少ししか食べない。頭でコントロールして食べるんです。
でも、子どもの場合には、前の食事との時間感覚によって食べる量が変わっています。たくさん時間が空けばたくさん食べるし、少ししか時間が空いていなければちょっとしか食べない。子どものほうがずっと体に正直なんですよね。子どものほうがむしろいいのかとも思います。大人の場合は頭で考え過ぎる面もあると思います。
子どもはそういうことなので、おなかをすかせた状態で食事に臨めることが1番の解決策なんですけれど、なかなかそうはいかないこともあります。
例えば、ルールを決めて少しずつ守れるようにする、食べるときに手順を決める、といったところで少しずつ工夫していくしかないかと思います。

―――「食べるときに手順を決める」とは、具体的にはどんな感じなんですか?

外山さん: 手を洗うなど「その前にこんなことをする」。あるいは、食べるときに一緒に準備をする、配るのを手伝ってもらう。
さっき「みんなで収穫すると、パクパク食べる」とおっしゃっていましたけれど、そういったことをすると…、例えば枝豆が「固有名詞のある枝豆」になりますよね。「年長さんがむいてくれた」「○○ちゃんがゆでてくれた」といった食べ物、固有名詞・エピソードのある食べ物に変えるのも楽しんでできるかと思います。

―――「おなかすいた」と泣かれたら、「さっき○○ちゃんと一緒にお買い物で買った△△を使って、今ママがこれを作っているから、もうすぐできるから待っててね」と言うと、「そうなのか」と思ってくれるかも。それでも泣いたら、食べさせちゃうとは思いますが…(笑)。
<レパートリーが少なすぎて…>と悩んでいる方もいました。よしお兄さん、レパートリーについてはいかがでしょうか?

小林さん: 私も悩むところではあるんです。ネットを開くといろいろ出てくるのももちろんありますし、同じようなものでも、盛りつけのしかたや色合いを考えると、それだけでも結構変化はあるのかな。あと、季節の野菜を入れるようにすると考えると、少し使う野菜が変わるので、作る料理も変わる。そういうことを私は実践していますね。

食事に集中して!

―――食事のしつけに関して悩んでいるという皆さんからのメールです。

奈良県40代男性
<長女5歳。10月22日が誕生日です。>

―――おめでとうございます。

小林さん: おめでとうございます。

―――つづきがあります。

<…が、食事中に落ち着きがなく、集中してくれません。テレビを見たりおしゃべりしたり、とにかくガサゴソ、クネクネ動きます。登園時間が迫ってくるとき、なんか焦ります。
とはいえ、少しずつですが食べるペースも食べる量も上がってきていると感じたり、保育園では頑張っているみたいだし、何より「食事を楽しくないものと捉えられてはいかん」と思い直し、以前ほどは気にしないようにしていますが、ついつい口を出してしまいます。>


―――「ちゃんとしなさい」「おしゃべりしちゃダメ」とか言っちゃうんでしょうね。

神奈川県30代女性
<離乳食期はよく食べた息子ですが、イヤイヤ期を迎えたころから食べむらや好き嫌いが出てきました。
特に大変なのが、遊びながら食べ。食卓についてもすぐ飽きてしまい、ウロウロ立ち歩きます。「もう食べないのかな?」と思って下げようとすると、「食べるの!」と言って怒ります。で、ひと口食べてまたウロウロ。
その繰り返しがしんどく、最後はウロウロしている息子を追いかけ回したり、近寄ってきたタイミングでごはんを口に入れたりして食べさせます。時間がかかってしかたがないです。イスの高さを調節したり、テレビを消したり、声かけをしたり、おやつのタイミングを見直したりしているのですが。>


東京都30代女性
<現在2歳の娘を育てています。イヤイヤ期ということもあり、好きなものしか食べてもらえず、食事中のマナーもひどいです。
私自身は保育園の栄養士として10年近く働いており、子どもの食事に関しては知識も経験もあると思っていましたが、何も通用しません。悩んでいるお母さんたちには、「プロの子どもでもこんな状況ですよ」と伝えたいぐらいです(笑)。>


北海道30代女性
<食事の時間が40分から50分かかっちゃって、遊んじゃうし、もう大変です。どうしたらいいですか?>

―――皆さん、たくさんメールありがとうございます。
さあ、よしお兄さん、どうしましょうか?

小林さん: これは私も悩むところですね。なかなか集中してくれないときは多いですし、立ち歩くのもなきにしもあらずなので。あと、食事の後半で散らかしたり遊びだしてしまったり。同じ悩みがありますね。

―――そういうとき、「キーッ!」となったりしないですか?

小林さん: 私はあまりならないですね。「遊んでるなあ」と思うぐらいで。「片づければいいかな」と。

―――奥様はどうですか?

小林さん: 妻の場合は、私よりも一緒にいる時間が長く、外で食事をして食事をほかの人から見られる機会も多いと思うので、少し気にはしているみたいですね。
お互いにそれは気にしつつ、「リラックスしてやろう」とやっています。

時には心を鬼にすることも必要

―――さて、どこから取り組んでいったらいいでしょう。外山さん、教えていただけますか。

外山さん: 難しいですよね。寄せられたメールは、どれも「あるある」な感じがしました。
最初は環境を整えることなんだと思います。例えば、甘いものは最後に出す、気の散るものは遠ざける。
あとは、お子さんが足をふんばれるように環境を整えることが大事です。食事中に足がブラブラしているお子さんが割といるんですけれど、イスの高さを調節する、踏み台を作る。イスが大きすぎて体がグラグラしちゃうこともあるので、牛乳パックか何かを使ってはさむものを作ってみるといった調整ができるかと思います。
スプーンやフォークが握りにくい場合もあります。食器メーカーの言いなりにならず、自分で使ってみることが大事なのかと思います。
前に観察に行かせていただいたおうちで、コンビニエンスストアのパフェを食べる長いスプーンを使ってらっしゃる方がいました。「これがすごくいいんです。もらうためにパフェを食べています」とおっしゃっていました。
先ほど、よしお兄さんが「お子さんを観察することが大事だ」とおっしゃっていましたけれど、自分でいろいろ試してみるといいですね。

―――「ダラダラ食べて食事の時間が長い」という方もいらっしゃいましたが、そういう場合はどうしたらいいですか?

外山さん: 保育園などだと、長くても20分ぐらいです。ですので、心を鬼にしてやめたらいいと思います。それが、お子さんにとってもお母さん・お父さんにとっても、お互いに平和というか、心休まることなのではないでしょうか。
1回食べる量が少ないぐらいですぐに具合が悪くなることはありませんので、そこも心を鬼にして、次の食事までおやつを与えない。時には断固とした態度をとることも大事かと思います。

―――おなかをすかせてもらうためにお外に行って遊んでみるなど、気分転換させるのもいいかもしれないですね。1回食べなかったぐらいで、急にその子に重大な影響が及ぶわけじゃない。1回1回をすごく気にしないというのは、気持ちが楽になることなのかな。

小林さん: かなりなりますね。
外山さん: 「1回1回の食事を完璧にしよう」とか、子どもにも期待し過ぎると、がっかり感につながったりとかします。数日のスパンで考えたらいいと思うんですよね。大人も、お昼ごはんを抜いちゃうことや、おにぎり1個だけで済ますこともありますよね。
数日のスパンでバランスがとれていればいいので、長めの見通しを持っていくことが案外いいのかもしれません。

―――真面目で真剣だからこそ、「1回1回ちゃんとバランスのとれた食事をさせなきゃ」と思って、もしかしたらお母さんがすごく怖い顔になって子どもに向かい合っちゃっていたとしたら、さっきほどのツイートにあった<お母さんが目の前でいつも笑顔だった>というほうが、食事の記憶として楽しいものになるかもしれないですね。「1回1回気にしなくていいか」と思ってみてください、皆さん。


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