【もっと、鎌倉殿の13人】風俗考証、その仕事とは? 佐多芳彦さん

22/12/31まで

ラジオ深夜便

放送日:2022/07/31

#大河ドラマ#映画・ドラマ

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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送中の「もっと、鎌倉殿の13人」。キャストやスタッフがドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役はドラマの芸能シーンに携わる、芸能指導の友吉鶴心さんです。

【出演者】
友吉:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者・『鎌倉殿の13人』芸能指導)
佐多:佐多芳彦さん(風俗考証)

鎌倉時代のくらし・空気感を伝えるために

友吉: きょうはドラマの風俗考証をなさっている、立正大学教授の佐多芳彦先生とご一緒にお届けいたします。
「風俗考証」というお仕事、大河ドラマには欠かせないお仕事のひとつなんです。具体的にはどのようなお仕事をしてくださっているかを、まずお話しいただけますでしょうか。
佐多: 考証というと、「時代考証」というのと「風俗考証」と2種類ありますが、「時代考証」はストーリーに関わることをやっています。「風俗考証」は、むしろ画面作りに深く関わっていまして、どんな服を着るか、どんな道具を使うかというような、目に見えるもの全般にわたる考証です。
友吉: ちょっとスタジオとかで拝見すると、建物の中に弓の稽古をする道具が置いてありましたが、ああいうところも先生のご指導があって成り立っているのでしょうか?

佐多: そうですね、やっぱり武士の生活ですから、そういう武具甲冑(かっちゅう)とか、そういう武芸に関するものをやはり、彼らは近くに置いていたわけですね。「いざ、鎌倉」っていう時になったら、すぐに着ていけるような、持っていけるような。ですから、彼らの生活もそういうふうに見えるように工夫してあります。

友吉: 鎌倉幕府というと、わりと一大イベントであります「巻狩り」というのがありましたね、頼家の。
ちょっとご説明いただけますでしょうか?

佐多: 「巻狩り」っていうのは、広い狩り場を設定して、そこに動物を追い込んでおくんです。で、狩りをする人々が取り巻くような格好で狩猟をするので、ですから「巻狩り」というふうに言います。
友吉: 昔の資料は少ないのに、すてきな場面ができたというのは、どういうアドバイスがあったんでしょうか?
佐多: あの、いわゆるこの番組の基本に出てくる「吾妻鏡」という資料にも、あまり詳しく書かれていないんですが、今回は九州の阿蘇氏に伝わったといわれている「巻狩り」に関する文献資料を活用させていただいて、それをもとに推定復元をしました。
友吉: すごい、すてきな場面で。
佐多: たぶん、すごくリアルな、いい場面が撮れてると思います。

友吉: 義時が伊豆にいたころは、わりと農業もやっていたりしたものが、鎌倉幕府に来ると政治が始まりますよね。そこら辺の違いというのは?
佐多: 例えば、伊豆にいたころの描写として、農業とかお米とかがそばにある描き方をしていたと思います。彼ら自身も実際に農業にたぶん関わっているんですね。実際に、たぶん田んぼに出ているんだと思います。でも、そういう生活から今度は鎌倉に来て、大倉御所というところに鎌倉幕府の御所をつくりますが、今度は農業はもう全くやらないで、政(まつりごと)一色になるわけです。だから生活様式も一変しますし、建物の様子もそういう農業のにおいは全くしないようなものに変わっていきます。
友吉: そうすると、着るものも変わってくるということですか?
佐多: そうですね、着るものは作業着とか労働着であった「直垂(ひたたれ)」という服を、伊豆ではみんな着ていますが、鎌倉に来てからは、非常に仕立ての良い、同じ作業着・労働着の系統でも、とってもいいものを着るようになっています。
友吉: ドラマの中では、そのいいものっていうのは、具体的に重く見えるようなものか、そういうものを考えていけばよろしいでしょうか?
佐多: そうですね、伊豆にいたころの作業着・労働着は、もう何度も洗っては干し洗っては干しという感じで使っているので、色があせていたり、クタッとしていたりっていうのがあります。

佐多: しかし、鎌倉に来ると、今度は政の場ですから、ものすごく豪華な、そして、一張羅(いっちょうら)といってもいいような、例えば鎌倉幕府内で着るのは、もうタキシードといってもいいような、礼服に近いような意識の、たぶんすごく上質な直垂を着ていると思います。

友吉: でも、その伊豆にいたころの直垂と、鎌倉幕府に来たときの直垂の、服としての構造は一緒なんですね?
佐多: 全く同じです。ここから武士たちも、実は衣服の文化がスタートしていく、ということになります。

左:(芸能指導)友吉鶴心さん 右:(風俗考証)佐多芳彦さん
佐多先生の専門は、有職故実・風俗史 日本古代・中世史 絵画史料論。
大河ドラマ『平清盛』からのお付き合い、というおふたり。“考証談義”が止まりません!

友吉: まだまだ、お話をお伺いしたいところではございますが、先生と話していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。鎌倉時代の風習・暮らしにもぜひぜひ、皆様ご注目いただいてですね、着ているものもご注目いただいて、ドラマを楽しく見ていただければなと思います。

きょうは風俗考証の佐多芳彦先生とご一緒にお届けしました。
ありがとうございました。
佐多: ありがとうございました。
友吉: 『鎌倉殿の13人』、今夜もどうぞお楽しみに!

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鎌倉殿の13人

日曜日 総合 午後8時/BSP BS4K 午後6時

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【放送】
2022/07/31 ラジオ深夜便 「もっと、鎌倉殿の13人」

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