どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ③

21/03/20まで

ラジオ深夜便

放送日:2020/12/24

#子育て#家族#コミュニケーション#ココロのハナシ

ざっくりいうと

  • 父親にできない育児はなかった。結果、「愛情曲線」はうなぎのぼりで
  • 「ママ、代わって~」って、手に負えなくてもやるしかないのよ
  • 2020/12/24 ラジオ深夜便 ママ☆深夜便「子育てリアルトーク」大豆生田啓友さん(玉川大学教授)、犬山紙子さん(エッセイスト)、劔樹人さん(ミュージシャン、漫画家)

妻の夫に対する「愛情曲線」は第1子を産んだあとにいったん下がり、その後二極化するそうです。上がるか低迷するかは妻や家族に対する夫の態度次第とか。その時期も大事だけど、なにしろ子育ては長期戦。日頃のコミュニケーションについて考えます。(聞き手:村上里和アンカー)

【出演者】
マメ先生:大豆生田啓友さん(玉川大学教授)
犬山さん:犬山紙子さん(エッセイスト)
劔さん:劔樹人さん(ミュージシャン、漫画家)

育児に関しては父親にできないことってなかった

――ツイートをご紹介します。

<自分の反省点でもあるけれど、お互いの何が大変かのヒアリングというのも大事だし、何よりパパ側には共感力が必要>
<夫が長期不在がちのわが家のルールです。夜のケンカは翌朝に持ち越さない。ひと晩寝たら朝のあいさつは普通通り。意見の相違は後日話し合う(解決する前に夫が仕事へ旅立ってしまうのが困りもの)>

――ここからは、犬山紙子さんの夫で、漫画家でミュージシャンの劔樹人さんにもご出演いただきます。「夜のケンカは翌朝に持ち越さない」というルールでしたけれども、劔さんご夫妻はいかがですか。

劔さん: どちらもそんなにいつまでも怒らないほうだと思います。
犬山さん: 夫が1回冷静になれるっていうのはいいですよね。そのあとまた話し合えるのはすてきだなと思います。

――おふたりは何日も口をきかないなんてことは、ない?

劔さん: そうですね。僕はすぐ忘れちゃうんで。

――犬山さんもそういう劔さんを見ているとニコニコになれるんでしょうか。

犬山さん: 怒り続けるっていうのができないですね、彼の顔を見ていると。私は私で理不尽な怒り方をしちゃうので、反省して仲直りしています。

――家族円満のコツは夫婦のコミュニケーションを大事に、ということをお話ししてきましたが、マメ先生、特に大事にしなければいけない時期、タイミングはあるのでしょうか。

マメ先生: いつも大事なんですけど、子どもが生まれる前と後とで夫婦は関係が激変するんですよね。母親というか妻の「愛情曲線」についての有名な研究があります。第1子が生まれる前と後で、どう夫への愛情が変わるかという研究で、産んだあとの妻は夫への愛情が下がるんです。夫は変わらないんです、妻への愛情が。
そしておもしろいのが、女性の夫への愛情はそのあと2つに分かれて、上がる層と低迷のままの層と二極化するんです。夫が妻を大事にしたとか、夫が家事や子育てに積極的だったかどうかがその差に出るというのがあって、第1子が生まれたばかりのところがすごく大事だっていう、そういう観点からの研究があります。

ただ、子育ては長期戦じゃないですか。そうすると、どこででも変えられる可能性があると僕は思ってるんです。そういう意味でいうと、「これで決まっちゃう」と思わないほうがいいと僕は思っています。

さっき話に出ましたが「寝る」のはとても大事で、やっぱりうまくやるには結構努力も必要なんです。朝起きたら意識的に気持ちよく「おはよう!」っていうのは大事かなと思っていますね。

――「ママ深夜便」で「産後すぐの夫の対応に傷ついて、それがずっと許せない」というお便りを紹介したことがあります。それに対していろんな方が、自分もこういうことがあったとかこうしてみたらどうですかというメールをくださって、大きな反響を呼びました。犬山さんと劔さんご夫婦は、劔さんが産後育児を有言実行で取り組んだということで、夫婦の愛情曲線はうなぎのぼりだと犬山さんの本で読みました。やはりそこが大事だったと思われますか。

犬山さん: 本当にそこが大事でしたね。愛情曲線の話も妊娠中にふたりで共有して、そのころから「育児をどうしていこうか」っていうコミュニケーションをやっていました。だから本当に戦友というか…。夫が夜、3時間おきに起きてミルクを担当するのもやってくれたので、今は「心強すぎる相棒」というか、好き具合がグングン上がってる感じです。

――奥さまに「好き具合がグングン上がってる」って言われて、どんなお気持ちですか。

劔さん: 出産前の親の勉強会で愛情曲線の研究の話を聞きまして、結構僕、これは大事だなと思ったんです。
犬山さん: あと、産後クライシスとかね。
劔さん: そう。それもいろいろ読みまして、「これだけは絶対に気をつけないと、ろくなことにならない」という意識はありました。育児に関しては「父親にできないことってないな」と思っていたので、授乳も冷凍母乳を使って深夜もできましたし、まったく心配はなかったという感じです。
マメ先生: すてきですよねえ。今、画面でご夫婦おふたりを見ながらお話ししてるんですけど、いい感じでしゃべってて。

――肩寄せ合って、見つめ合いながら。

犬山さん・
劔さん:
部屋が狭いからしょうがないです(笑)。
マメ先生: でも劔さんがおっしゃったように、パパはできるんですよね、ほとんどママと同じことが。「ママじゃないとできない」ってよく言われるんですけれど、実際やられた方がそうおっしゃるんですから、そのとおりだと思います。これは研究でも言われています。

――妻の産後うつのリスクが高い、子どもが生まれた直後の時期に、男性が最大4週間休めるようにという男性産休の制度の検討が始まっています。大事なことだと国も思って進めようとしているのを感じます。とはいえ、2019年度の男性の育休取得率が7.48%。低いですよね。

犬山さん: すごく低いと同時に、取得する日数もものすごく少ないんですよね。かつ、取ったはいいけど家事育児をやらない人も結構いるという話も聞いて、もちろん制度は大切ですけれども、家事育児は女性のもの、みたいな感覚も一緒になくしていかないと、難しい問題だなと感じます。
マメ先生: おっしゃるとおりだと思います。実際どう運用されるかなんですよね。「ちょっと長く休み取れちゃってラッキー」みたいな話になったら目も当てられない。だからほとんどパパが子育てや家事を自分でやるんだっていう期間にしないと、あまり意味がないかなと思います。

「ママ、代わって~」だって? 手に負えなくてもやるしかないのよ

神奈川県30代女性
<私がもうヘトヘトでパパに対応を交代してほしいとき、子どもが「ママじゃなきゃ、やだ~」とぐずってパパを拒絶したり、夫も「やっぱりママじゃなきゃダメだよね」と助けてくれないとき、夫と子どもの双方にどう対応したらいいのか分からなくなります。さらに夫は、「もうパパは用なしの存在だなあ」などと子どもの言動に傷ついている様子すらあり、子どもをなだめながら夫を慰めるのにも疲れます。このまま放置すると夫が子育てから離脱しちゃうんじゃないかという怖さも感じていて、子どもの機嫌がいいときに積極的に夫と触れ合わせたりして愛情のバランスをとっているつもりですが、なぜ私が家庭内でそこまで接待のようなことをしなければならないのかと、苦しくなるときがあります>

――お子さんの年齢が書いてないんですけど、もしかしたらイヤイヤ期なのかな、と思ったりします。犬山家では「パパ、いや!」なんてことは起きなかったですか。

犬山さん: ないですね。言ったとしても10分、20分の話で。気分で言ってるだけで、本当に「ママじゃなきゃ」「パパじゃなきゃ」って感じのことは言わなかったです。
劔さん: 僕は日々よく言われますけどそんなに気にしない、っていうか。
犬山さん: はははは。
劔さん: すぐ今度は「ママがいやだ~」って言うし。
犬山さん: 子どもってそんなもんだよなあ、っていうくらいで。

――パパにも子どもにも気を遣って疲れたというママに、マメ先生、どんなアドバイスがありますか。

マメ先生: 剱さんのところはある程度ふだんからやっているからそのギャップが少ないと思いますけど、日常あんまり関われなくて、
たまに頑張ってやろうとしたときに、結構そのギャップが出てくる。これは僕も経験があって、「ママじゃなきゃ、やだ~」と言われて「ママだよ~」って言ったら、「ママじゃない~」って怒られて、もっとひどいことになったんですけど(笑)。

でもこれって、ママたちだったら手に負えない状況になってもやるんですよ。だって、やんなきゃなんないんだもん。
お風呂なんかでよくあって、パパが入れると「パパじゃやだ~」って言われて、「ママごめーん、代わって~」なんて言いますよね。でもママだったら、ぐずられても入れるんですよね。だからパパももう、それをしっかり通り抜けなければいけない。それでもやり抜くってことが大事になってくるかなと思ったりもします。ちょっとつらいんですけどね。

――つらくてヘトヘトになるかもしれないけど、ママたちはそういう道を通り抜けて、なんとか工夫してやっているというのがありますね。

マメ先生: ママ側も、「やっぱりママじゃないとダメなのね」っていうふうにしすぎないことも大事。そこは「パパ頑張ってね」というのも必要かもしれないです。
犬山さん: おっしゃるとおりだなと感じます。「いや」って言われてもやるしかないという現状で頑張っている状態だと思うので、夫側も同じくやり遂げてもらって、子どもももうちょっと分かるようになったら、そういうことは言わなくなるのかなと思いますね。

――全国各地の30代のママたちからメールがたくさん来ています。パパたちの声があまりないので、パパを代表して「もっとここを分かってほしい。ここがモヤモヤするんだよ」っていうようなこと、剱さん、パパ目線でありますか。

劔さん: 僕は逆に自分のほうがやっている感覚でいるので、いま悩みを寄せてくださっているお母さんの立場になるのかなっていう感じもあります。朝晩の保育園の送り迎えがほぼ自分なので、娘とふたりきりのときに結構苦労することがあるんですけど、それでもやりきらなきゃいけないので、「この思いをたまにはしてほしいな~」っていうくらいの気持ちです。たまにママが迎えに行くとわりとすんなり帰ってきてくれたりするので、「僕のときはすごいいろんなところに寄り道させられたりするのにな……」という感じはあります。

真夜中の子育て応援団
ママ☆深夜便

毎月第4木曜日
[R1] 午後11時05分~翌午前5時00分
[FM] 午前1時05分~午前5時

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<どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ②>

<どうしてる? 子育て夫婦のコミュニケーション ④>

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