【大竹しのぶ サイコロ回顧録】1974年、中間テストが受けられない~(泣)

23/09/20まで

大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”

放送日:2023/09/13

#ライフスタイル#映画・ドラマ#舞台

放送を聴く
23/09/20まで

放送を聴く
23/09/20まで

今回の「サイコロ回顧録」は、しのぶさんがお仕事に打ち込むようになる前、デビュー翌年の「1974年」です。
当時は普通の高校生だったしのぶさん。学業や部活に集中したかったのにドラマ撮影のスケジュールとかみ合わず、泣いてしまった日があるんですって。


大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”
毎週水曜日 R1・ラジオ第1 午後9時05分~9時55分

詳しくはこちら

1974年 お仕事よりも学校! 部活! 中間テスト!

2023年は、私のデビュー作のドラマ『ボクは女学生』の放送開始から50年という節目の年。その節目を迎えるにあたって、これまでの活動を振り返りつつ、お世話になったみなさんに感謝を伝えていこうというのがこのコーナー。今、スタジオには年代別に私の出演作などをまとめたリストと、サイコロが2つ用意されています。
サイコロは、1つが、私がデビューした1970年代の“197”から2020年代の“202”までの数字が書かれた六面体、もう1つが、0から9までの数字が書かれた十面体。この2つのサイコロを振って、出た目の年代の作品について振り返っていきます。

前回は舞台『LOVE LETTERS』が上演された1991年でした。
それに続く今回は何年が出るのか。サイコロを振ってみたいと思います。
未来が出ちゃったら話せないけどね。

……1974年。

なんかさあ、1974年にもう仕事してたんだって思うこと自体が、あんた、いくつなんだ? って思っちゃうなあ。ショック。
’74年……あ、なんだ! 『ボクは女学生』でデビューしたのが1973年、その翌年ですね。監督さんが私を気にいって、「その続編があるから、お前それに出ろ」って言われて、1974年、『ボクは女学生』と同じ北公次(きた・こうじ)さんが主演の『ボクは恋人』というドラマに出たんです。
30分のドラマで、私は2シーンとか3シーンぐらいしか出てないんですけども、でもやっぱり学校休まなくちゃならないわけですよね、その日は。普通の高校生だったし、バレー部だったんですけど、部活も休まなくちゃいけなくて……それはまだなんとかなったんですけども、ある時、テストの日も休まなくちゃいけないっていうスケジュールになって、今でも覚えてるんですけども、もう私泣いちゃったんです(笑)。

お嬢様の役で、プールもあるようなおうちだったんですけども、プールの所で「なんで私はこんな所にいなくちゃいけないんだろう。学校で試験を受けたーい」と思って、「私は勉強をしたいのに。こんな撮影とか来たくな~い」って言って、一人で泣いてたんです私(涙)。思い出した。
そしたら、スケジュールを切る制作さんが……お顔は覚えてますね、「どうしたの? しのぶちゃん」って言ったら、
「私、きょうは……テストだったんです~(泣)」
って泣いたんですよ。そのプールサイドで。
「私、テスト受けたかったのに、きょうは、中間テストだったんですぅ~(泣)」
って泣いて。そしたらその制作の人が、
「えっ、知らなかったんだよ。僕は(困)」
その人がスケジュールを組むからね。
「そんなこと誰も言ってくれないから(困)。テストとか、ちゃんと言っていいんだよ?」
「だって私もう受けられないもん(泣)」
って言って。あっははは(笑)。かわいかったなあ。あはは。
「だからこういう仕事は、私もうできません。学校に行かなくちゃならないんです(泣)」
あははは(笑)。……って言って、
「わかった。スケジュール、ちゃんと僕に言って。僕がちゃんと学校のテストは受けられるようにするから。それからなるべく土日とかに撮影するようにするからね。そんなこと言わないでね。ちゃんとお仕事やってってね」
って言われて、
「わかりましたっ(泣)」って。
そんな1974年でしたね(笑)。

えっ? 半年!? このドラマ。えっ、ちょっと待って……ボクは恋人、フジテレビ、4月5日から9月……半年もやってたんだあ! そうだ。
でも、テストを受けられないっていうのがすごく……。だって成績も下がっちゃうわけだし、絶対これはだめだと思って。高校生だし。「もう、この仕事が終わったらもうやめよう」って。監督さんに言われても「いや、学校があります」って言おうと思ってたら、次の朝のテレビ小説(『連続テレビ小説 水色の時』)とか映画(『青春の門』)のオーディションに受かって、今があるというわけでございますねえ。

あの制作のおじさん、もういないかなあ? おじさんって言ったら失礼ですけれども、当時の私からしたら40歳ぐらい? もしかしたら20代ぐらいだったのかも知れないけど、もし元気だったらこれ聴いてくれてたらうれしいな。
そのあと、ちゃんとテストを受けられるようにしてもらって、ほんとに優しい制作の方でした。あー、楽しいなあ、懐かしいなあ。ほんとにいろんな方にお世話になりながらここに来たんだなって思います。

というわけで、今回のサイコロ回顧録は1974年のドラマ『ボクは恋人』を振り返りました。

大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”

毎週水曜日 R1・ラジオ第1
午後9時5分~9時55分

詳しくはこちら


【放送】
2023/09/13 「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」

放送を聴く
23/09/20まで

放送を聴く
23/09/20まで

この記事をシェアする

※別ウィンドウで開きます