この梅雨時に一度大掃除をするのはお勧めらしくて、その理由がいくつかあるんだそうです。まず雨で外に出かけずに家にいるし、年末より時間に余裕がある。湿気でほこりが舞い上がりにくい。ガラスなどの汚れは、湿気を含んで落ちやすい。気温が高い時期なので、年末に掃除するより油が固まらず、キッチン周りの油汚れが落ちやすい。
すごいですね、本当に。結構メリットが多いんだそうです。ここで前半戦の大掃除をしてもいいんじゃないかなって思いますが、私はもう日頃のお掃除さえも、おろそかになっていて、キッチンとお手洗い、トイレだけはちゃんとね、きれいじゃないと気持ち悪いので…。自分の部屋は「まあ、いっか」って、なぜならば一人芝居と格闘する日々…。
という多忙なしのぶさんのお芝居の幕開けのお話からスタート♪
大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”
毎週水曜日 R1・ラジオ第１ 午後9時05分～9時55分
大竹しのぶ、今週の「喜or怒or哀or楽」。うれしい、楽しい、悲しい、腹が立った。人はそんな感情が揺さぶられるような経験をすると、その話を誰かに伝えたくなるものです。今週は四つの中からこのお話、「喜」。
私は『ヴィクトリア』という一人芝居が24日に幕を開けました。本当に私しか出ていないわけで…。
もうここまで作り上げることが「本当に大変だったなぁ」っていうのはありますね。「これで大丈夫だろうか」っていう不安もありましたし、本当に最後の最後まで、みんなと一緒に照明さんも音響さんもステージングの方とか、プロデューサー、もちろん演出家も含めて、みんなで最後の最後まで「ここはこうやった方が伝わるんじゃないか」「ここはこうなんじゃないか」「この言葉はこうなんじゃないか」とかずっと、初日の前の日ももちろん２回やりまして、その初日は６時からの開演だったんですけれども、その前にも１回通し稽古をやって、そのときにその照明のタイミング、消え方、音楽の入り方っていうのをさらにまた「こっちの方がいいよね」ってみんなで話し合いをして、本当に全員全力を出し切って知恵を絞り合って作り上げた舞台でした。
で、その幕が開いて、本当に今やっているホールっていうのは、200席ぐらいの小さな客席なんですけども…。上演時間は、１時間10分ぐらいかな？ そのあいだも私しかいないから…（笑）。で、しかも衣装も髪形もまったく変わらず、それなのに場面がいきなり変わるんですね。瞬時にパーティー会場になったり、お父様の書斎になったり、広い公園になったり、不思議な川のところであったりとか、それを私の言葉と動きだけで、表現しなければならないんです。
『ヴィクトリア』っていうのは、すごく小さいときからちょっと孤独で、「私の夫があそこで！」って浮気現場を見たりするシーンとかもあったりして、そうすることによって、こう精神が崩壊してしまう話なんですけども…。いや、面白いですね。やっぱりやっていて“自分の声と自分のイメージをお客様に渡す”っていうのが役者の仕事であるんですけども、それを１人でこう自由自在にやれるっていうのは、すごく怖いけれども、楽しい仕事ではあります。
最後に伝わるか伝わらないかちょっと不安で始まった幕が開いた初日、お客様が何度も何度もアンコールに拍手で、呼び出してくださいまして、最後はスタンディングもありまして、きっとお客様もずーっと緊張していたから「あ～、良かった」と思って拍手したと思うんですけれども（笑）。すごくほっとしました。今まで「一緒にみんなで作ってきて本当によかったな」と思うし、そしてここからまた更に進化していく旅が始まったんだなって思います。
ほっとしたかというと、やっぱりあしたもあさってもステージは続くわけで…。その膨大なセリフ、60ページぐらいかな？ もうちょっとかな？ 全部私が言っているわけですから、その膨大なセリフの確認とか、夜寝る前とか、朝起きてからとか、やっぱりそれはきちんとやらなくてはいけないので、とてもハードではあるんですけども、その役者の原点である“言葉でイメージを伝える”というその喜びを肌で味わえるっていうのは、すごくうれしい日々だなって思います。
東京公演のあとに兵庫、京都、名古屋のほうに行きますので、日々本当に格闘している感じですね。『ヴィクトリア』と共に生きているっていう日々を楽しみたいなって思っています。林遣都君がこのあいだ（公演を）見に来てくれて、「しのぶさんだけど、しのぶさんじゃない。『ヴィクトリア』ってあの劇場に住んでいる、怪物みたいでした」って言われて「ああ、そんな感想、すごくうれしいな」と思って…。「何か、怪物に見えたらうれしいな」って思います。
あなたが小さなハッピーを感じたことやカチンときたことや悲しいことや楽しいこと、喜怒哀楽をメッセージでお待ちしています♪
【放送】
2023/06/28 「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」
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