先々週、先週に続き、今週も生放送。
先週は大好きな斉藤和義さんのライブへ行ったあとの生放送で、興奮状態、テンションマックスのしのぶさんに対していろいろなご意見があるようですが、「今週もテンション高めでいっちゃうぞー!」。
そんな今週は新コーナー「サイコロ回顧録」がスタートします。
大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”
毎週水曜日 R1・ラジオ第1 午後9時05分~9時55分
先々週、先週に続き、今週も生放送。
先週は大好きな斉藤和義さんのライブへ行ったあとの生放送で、興奮状態、テンションマックスのしのぶさんに対していろいろなご意見があるようですが、「今週もテンション高めでいっちゃうぞー!」。
そんな今週は新コーナー「サイコロ回顧録」がスタートします。
大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”
毎週水曜日 R1・ラジオ第1 午後9時05分~9時55分
さて、きょうはですね、実はでございますね、ちょっと新コーナーをやりたいと思います。
実は私、大竹しのぶはですね、ことし、2023年秋に、ありがたいというか、は? というか、恥ずかしながらというか、言いたくないっていうか……デビュー50周年を迎えてしまいます!
♪愛と希望の街/北公次
懐かしいですねえ。これは50年前の、1973年の10月5日から放送されました『ボクは女学生』。北公次(きた・こうじ)さんが主役のテレビドラマの主題歌ですね。すごいですねえ。50年前ですねえ。
(この番組で)私が初めてテレビに出ました。それまでは普通の高校生だったわけですよ。ある日、この『ボクは女学生』というテレビ番組が放送されてまして、番組の最後に「コーちゃん(北公次さんのニックネーム)と共演してみませんか」っていうのがテロップで流れて、妹と2人で見てて「あっ!? えーっ、コーちゃんと共演だって!? ねえ、これ、オーディション受けたらさーあ、もしかしてコーちゃんがオーディションに来てるかもしれないよね」とか言って、で、「じゃあ、おぶちゃん」……“おぶちゃん”って呼ばれてたんですね。しのぶちゃんって呼べなくて。
「おぶちゃん、受けなよ!」って、「じゃあ、おぶちゃん、受けてみよう!?」とかって言われて、それで写真を送りまして、「オーディションに来なさい」って言われまして。えっと、高校1年生の秋ですね。50年前の秋ですね。行ったんですが、コーちゃんはオーディションには来ていませんでした。
でも、受かったんですよ私。そのとき5,300人いたんですよ! すごくないですか? 5,300人の中の11人。まあ、相手役とかでは全然なくて、女学生の役で出て。
私がその中でなぜか「明日から君だけは来なさい」って言われて、次の日からですよ、オーディション行った。すごいきっといいかげんっていうか……もう今言っちゃった。いいかげんだったんですかね、作り方が忙しかったんですかね。で、「次の日から君は撮影に来なさい」って言われて「えっ、父と母にも言ってない! 言わなくちゃ」って言って、「お母さん、お父さん、あしたテレビ局で撮影があるんですって」
「きゃー、そんな、大丈夫? 学校は?」って言われて、「でもとりあえずあした行ってくる」って言って、行ったのが最初の1900……え? 何年? 1973年でございます。
もう、最初のデビューのきっかけを言うのでこんなに時間取っちゃった(笑)。
その50年という節目を迎えるに当たりましてですね、これまでの活動を振り返りつつ、お世話になった皆さんに感謝を伝えるために、こんな新コーナーをお送りしていくことになりました。
題して、
「大竹しのぶ サイコロ回顧録」!!
えー、今スタジオにですわ……ですわね、ってちょっと今『ヴィクトリア』の口調になっちゃった。ですわね。
年代別に私のしゅつえんしゃくなど……しゅちゅえんちゃ……出演作などをまとめたリストと、サイコロが2つ用意されています。
2つのサイコロのうち、1つが私がデビューした1970年代を表す“197”から、“198”、“199”、“200”、“201”、“202”までの数字が書かれた正六面体、もう1つが、0から9までの数字が書かれた十面体。この2つのサイコロを振って、出た目の年代の作品について振り返ろうというのがこの企画です。
もちろん「2029」とか未来の数値が出ちゃったら、サイコロは振り直します。1度話した年がまた出ちゃった場合は、もう1度振り直します。
今、そのリストをちょっと見てるんですけど、ああ、こんなに私仕事してたんだと思って(笑)。そりゃそうだよね、50年、はあ、50年もやってるなんて(泣)。ん~、サイコロシャッフルか(泣)。
じゃあ、ほら。(♪サイコロを振った音)聞こえます? うるさいですか? 振りますねえ!
このコーナーがおもしろくなるかおもしろくないかは、私のトーク次第ですね。
やってみたいと思いまーす! ではサイコロを振って、その年について振り返っていきましょう~。
せーのっ!
2017年!
……2017年? もうさ、最近じゃん!? 2017年なんて。ちょっと待って、ちょっと待って、今、これ、2017……ちょっと待って、ちょっと待ってね、生放送だからね。……2017年は、これすごいね、すごいちっちゃくてね、読みづらい……2017年、どこだ、これか。
あー! これはすごいですね。えっと、ドラマをやって、アニメをやって、舞台は『フェードル』『にんじん』『欲望という名の電車』。……えっ、アルバムも出しまして、えっと~、私還暦……。
2017年?! なんだよ! これはですね、還暦の年ですよ! あっははん(笑)、そうだよね1957年生まれだから。
(ドラマ)『ごめん、愛してる』もやって、長瀬智也くんとやって、エッセイ『わたし、還暦? -まあいいか2』という本も出しまして。アルバムも出したりして、ライブも出たりしてすごい忙しいですね。
えっと、えっとー、まず「にんじん」という男の子の役をやったんですけど。舞台ですね。『欲望という名の電車』もやりました。『フェードル』というのもやりました。その中で『にんじん』についてお話ししたいと思います。
「還暦を迎えるにあたってもう1回やりたい役はなぁに?」ってプロデューサーの人に聞かれて、え、なんだろうと思って。もう1度やりたい役、なんでも舞台はやりたいとは思うんですけども、これでいいっていうことがないので。
「にんじん」って22歳のときにやった男の子で、ルナールの『にんじん』をもとにした音楽劇で、お母さんの愛情を受けてない、もらってない男の子がすごくお母さんにいじめられて、でも最後に自立するっていう。
山川啓介さんが作詞して、山本直純さんが曲を書いて、
♪まっ赤な髪で そばかすだらけ そうさぼくは みにくい“にんじん”♪
ってほらね、今でも歌えるでしょう(笑)。
「その何十年前かの歌を今でも歌えるの」ってそのプロデューサーさんに言いまして、「じゃあそれをやりましょ」って言われて。「えっ、でも、それ14歳の役ですよ」って言ったら「記念よ、記念」って言われて、それでなんと14歳の男の子を、60歳で私がやったんです! それがこの2017年の年ですね。
で、すごくおもしろかったのは、見た目はもう男の子なんかに見えるわけないじゃないですか。だからもう芝居でやるしかないんですけども、22歳にやったときよりも、芝居をしなくても男の子になれたんです。
すごくそれは不思議だなあと思ったのは、もう割り切れちゃったっていう意味もあるかもしれないんですけども(笑)、ほんとに素直に芝居をやればいいんだ、そしたら男の子に見えるだろうと思って。で、初演のときもそうだったんですけども、アンコールで、子どもがほんとににんじんがそこにいるって錯覚して、初演のときはえっと日生劇場で、アンコールで私が出てくると、ちっちゃい子が走って前に出てきて私に向かって「にんじん!」。
頑張れよっていう意味で「にんじん! にんじん!」って言ってくれて。ほんと、なんて子どもの感性ってすばらしいんだと思いましたね。
今もう1回やれって言われたら、お客さんが「もういいよ、1回で」って言うかもしれませんけども、ほんとに楽しかったですね。
あともう1つ、還暦ということで『大竹しのぶと60人の男たち』というので、ブルーノート東京でライブをやりました。で、私に関わった60人の男たちを呼んでですね、もちろん父とか蜷川(幸雄)さんとか(忌野)清志郎さんとか、今はいない方も含めて60人の男たちというのですごい超豪華な男性を呼んで。もちろん女性も、もちろん呼びましたけども。それはすごい夢のような一夜、でしたね。1957年生まれの私が2017年、60歳を迎えて。こうやって振り返ってみると、私、すごいいろんないい人たちに巡り会えてるんだなあってつくづく思いました。2017年でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。
というわけで、今回のサイコロ回顧録は2017年を振り返りました。
【放送】
2023/06/14 「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」
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