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2月17日 『表現者たち』では、世界的バイオリニスト・諏訪内晶子さんにインタビュー! 『どうしたの?~木曜相談室~』の相談員は、元陸上選手の為末大さんです。
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2月17日 『表現者たち』では、世界的バイオリニスト・諏訪内晶子さんにインタビュー! 『どうしたの?~木曜相談室~』の相談員は、元陸上選手の為末大さんです。
さまざまな表現に情熱を注ぐトップランナーに迫る「表現者たち」。バイオリニストの諏訪内晶子さんにお話を伺いました。
吾妻アナ: | よろしくお願いいたします。諏訪内さんにお会いするのは、3度目ですね。ずいぶん前に、『スタジオパークからこんにちは』で生演奏を目の前でしていただいたのが、昨日のことのようですけれど、あれからもう18年経ち… |
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諏訪内さん: | 18年ですか。本当に昨日のことみたいですね(笑)。 |
吾妻アナ: | それから横浜美術館で、「国際音楽祭NIPPON」美術館コンサートをされていたので、その取材に私が伺いまして、それが2014年。こうして事あるたびにお会いできて、とてもうれしいです |
諏訪内さん: | こちらこそ。よろしくお願いいたします。 |
3歳からバイオリンを始め、1990年18歳の時に史上最年少でチャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン部門優勝。小澤征爾指揮ボストン交響楽団定期公演、そしてカーネギーホール演奏会に出演するなど、世界中の名だたるオーケストラと共演。国際コンクールの審査員なども務め、2012年から「国際音楽祭NIPPON」を企画制作し、同音楽祭の芸術監督を務めています。
吾妻アナ: | 先月、バッハの「無伴奏バイオリンソナタとパルティータ」全6曲を録音したアルバムも発表されました。まずは、最新のアルバムについて伺いたいのですが。 |
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諏訪内さん: | もともと、こちらは2020年のうちに録音するという予定だったのですが、今でも覚えていますが、2020年の3月の頭に日本に戻ってきた時から、学校は閉鎖になったりとか、ちょうど全ての演奏会が難しくて。すべてキャンセルになり、ツアーもキャンセルになり、ちょっと見通しが立たなくなってきたんです。録音する時も演奏会も、やっぱり気分がちゃんとのっている状態じゃないと良いものができない。舞台もレコーディングも、自分の気持ちの高揚と比例しますので。この中で録音するのは難しいかなと、延期したんです。 |
吾妻アナ: | CDデビュー25周年の記念作品として、録音することになったもの。 |
諏訪内さん: | 2020年というのは、今まで借りていた楽器を返すということになっていた年で。 |
吾妻アナ: | ストラディバリウス「ドルフィン」、あの名器を20年にわたってずっと使ってらっしゃったんですよね。 |
諏訪内さん: | はい。2年前から返却をする準備を進めていて、「せっかくなので録音しましょうか」ということになっていたのですけれども。 |
吾妻アナ: | ストラディバリウスを手放すのに、最後にその「ドルフィン」で演奏してアルバムに収めるという計画だったんですね。 |
諏訪内さん: | そうなんです。演奏会がだんだん無くなり、自分の中での高揚感がだんだん…。何か用意してもまたキャンセルですという状態が続くと、なかなか前に進まず精神的にも辛いので、延期せざるをえないだろうということで。まだ2020年の初めの頃というのは、どの楽器で演奏するかも実は決まってなくて。たまたまその演奏会が全部だめになるという直前に出会ったのが、「デル・ジェズ」だったんです。やっぱりそういう時の出会いってすごく衝撃的なんですよ。 |
吾妻アナ: | グァルネリ・デル・ジェズ。「チャールズ・リード」という名前がついている。これも名器で、1732年製。 |
諏訪内さん: | はい。弾かせていただいた所では、いくつか楽器がありまして、ストラスヴァリウスもあったのですが。久しぶりに受けた衝撃でした。 |
吾妻アナ: | 20年慣れ親しんだ、ストラスヴァリウス「ドルフィン」とはまた違い、どんな衝撃ですか。 |
諏訪内さん: | 「ドルフィン」の時もそうだったのですが、“弾かれていない”楽器なんですよね。どなたかが演奏していたという楽器ではなくて、ある程度保管されていた楽器で、そういう楽器はすぐ“鳴る”わけではないんです。ただ、その楽器の潜在的なすばらしさというのは、弾かれていてもいなくても分かるんですね、奏者にとっては。それをすごく感じたので、「あぁ、この楽器と一緒に弾けたらいいな」とその時に一瞬で思いましたね。 |
吾妻アナ: | 名器といわれているバイオリンだと、いい響きをさせるために立ち方とか筋肉のつき方もバイオリンに合わせていく作業が必要だと、これまで名器を演奏されたバイオリニストの方もおっしゃっていたのですが、諏訪内さんもそうですか? |
諏訪内さん: | そうですね。「ドルフィン」が非常に大きい楽器で、健康的な楽器でしたので。「チャールズ・リード」も、もちろん健康的なんですが、ストラディバリウスと比較すると非常に小ぶりで、持っていて割と“軽い”。私は自分で実際に測ったわけではないのですが、長さも短いですし、ちょっとその調整は大変でしたね。 |
吾妻アナ: | それで、バッハの曲をアルバムに収めるとなると、どこまでなじめばレコーディングできるのですか。 |
諏訪内さん: | なじんでも、なじんでいなくても、こちらから“合わせる”。すばらしい楽器というのはどこが違うかというと、その「倍音」の響きが、私が使っていたストラスヴァリウスの場合はキラキラしていて、特に高音の倍音が非常に“通る”。それも、どんなに周りで音がしていても、特徴的な透明感がある倍音が響く。「チャールズ・リード」の出す倍音というのは、地響きがするような倍音なんですよね。特に教会で録音していると、あまりにも地響きがするので、それをどうやってうまくポリフォニー(多声音楽)につなげていくかっていう。非常に面白かったですね。 |
吾妻アナ: | バッハを演奏するにはまたとないタイミングでやってきた楽器、とも言えるわけですか。 |
諏訪内さん: | いろんな意味で、そうですね。「これだけストラディバリウス黄金期のすばらしい楽器を弾いていて、どういうふうに進んだらいいんだろう」って。自分ではできるだけその楽器の良さというのも出してきたつもりでしたので、その先というのは想像ができなくて。ただ幸運なことに、デル・ジェズというのは別の製作者ですし、全くキャラクターが違う楽器でしたので、演奏したこともなかったですし、また全く新しい扉を開けてもらった感じがしますね。自分の中の「音のイメージ」というか。 |
吾妻アナ: | そうなんですね。もう“相棒”ですもんね。 |
諏訪内さん: | そうですね(笑)。何よりも誰よりも、時間を一緒に過ごしている、っていう。 |
このほかにも、バッハの作品を無伴奏でレコーディングして感じたこと、最年少でチャイコフスキー国際コンクールで優勝した当時のこと、芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON」について、お話を伺いました。
詳しくは、9時・11時台の「聴き逃し」で♪
週替わりで登場する各界のエキスパートと一緒に、リスナーのみなさんの悩みや相談に答える「どうしたの?~木曜相談室~」。第3木曜日の相談員は、為末大さんです。
為末さん、去年11月以来のご出演でした!
~お答えしたお悩みの一部をご紹介~
<年長になる娘は体操に通っています。先日、コーチから、「素質があるのでゆくゆくは選手クラスに上げたい」と話がありました。本人はただ楽しいだけで、メダルを取りたいといった意識はないようです。どこまでやらせるのか考える上でのヒントをいただければうれしいです。>
為末さん: | もし長く競技をやるにしても、競技ではない道に進むにしても、一番大事で守らなければいけないのは「やる気」なんです。これをとにかくすり切らせちゃいけない。やる気は体力がいるので、本人が「やりたいな、楽しいな」と思っている間は続けられますが、心がすり切れちゃうとできなくなるので。小学生の間は“腹6分”くらいの感じですかね。週2回で私は十分だと思いますね。 |
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<31歳の男性です。今月末よりアフリカに長期赴任することになりました。みずから決めた道ではあるのですが、いざ目前に近づくと怖くなり最近は寝つきが悪いです。この感情とどう向き合っていくといいのでしょう。>
為末さん: | 僕も初めて海外のチームに入った24歳頃の時、そんな感じだったのを覚えていますね。本当に世界が変わると思うので、将来をイメージするのが大事なのと、あとは、思ったより楽しいことが見つかるんですよ。友達ができたりする時の喜びが、日本にいる時の5倍、10倍だったり。心が通う友達って、言葉はあんまり通じなくてもできたりして、それが生涯の友達になりえるので。いろんな出会いがあるので、それを楽しみにしていただけるといいのではないかなと思います。 |
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詳しくは、10時台「聴き逃し」で♪
「どうしたの?~木曜相談室~」は、週ごとに相談員が変わります!
「らじるラボ」のHPにある専用フォームから悩みや相談事をお送りください。
電話してもOKという方は、電話番号もぜひ!
【放送】
2022/02/17 「らじるラボ」
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