印度カリー子さんのスパイスカレー! 「ホールスパイス」で香りアップ編

22/09/06まで
みんなで!カンタンめし
放送日:2022/08/30
#カンタンめし#レシピ#たべもの
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22/09/06まで
自分でごはんをつくるのが大好きな方、自炊にお悩みの方…そんなすべての方におくる!
<らじるラボ>「みんなで!カンタンめし」。
スパイス料理研究家の印度カリー子さんがまたまた登場♪ 今回は、原形のままのスパイス「ホールスパイス」を使って、味と香りをステップアップします。
前回ご紹介いただいた、おうちで作れる「基本のスパイスカレー」レシピは大反響! あわせてチェックしてくださいね。
「印度カリー子さん直伝!はじめてのスパイスカレー♪」はこちらから
【レシピ監修】
印度カリー子さん(スパイス料理研究家)
19 歳のときにスパイスに出会い、これまで作ったカレーは 500 種類以上。東京大学大学院在学中は、食品科学の観点から香辛料について研究。現在は、初心者のためのスパイス専門店を経営するほか、料理教室の運営やコンサルティングを行っています。テレビ、雑誌など各方面でも活躍中です!
基本の3つのスパイス「タ・ク・コ」
「スパイスカレー」とは、市販のカレーのルーを使わずに、スパイスから作るカレーです。ルーを使ってつくるカレーは「煮込み料理」ですが、スパイスカレーは「炒め料理」。小麦粉は使わず、油も少なくヘルシーで、本格的な香りを楽しめるスパイスカレーが、自宅でカンタンに作れますよ♪
必要なのは、こちらの基本のスパイス3種類です。
粉末状にしてあるパウダースパイスを用意すればOK!
左から…
「ターメリック」
「ウコン」という植物の根の部分です。カレーの色付けをするスパイスで、土のような香りがしますが、料理の香りに深みを出します。”縁の下の力持ち”のような存在。
「クミン」
なじみのある強い香りがする、定番スパイス。入れるだけで“カレーっぽく”なります。
「コリアンダー」
エスニック料理でおなじみの香草「パクチー」の種子で、葉とは違った爽やかな香りが特徴です。カレーに“とろみ”をつける役割もある、”まとめ役”です。
この3つを「1:1:1」で混ぜたものが、カリー子さん流・基本のミックススパイス。
スーパーなどで手ごろな価格で手に入れることができます。「タ・ク・コ」と覚えてくださいね。
「タ・ク・コ」スパイスには辛味成分が入っていないので、辛さを足したい場合は、「チリパウダー」や「レッドチリ」などを合わせてください。少量でもしっかり辛味があるので、入れすぎにはご注意を!
香りステップアップ! 「ホールスパイス」って?
植物を乾燥させて粉末状にしたものを「パウダースパイス」と呼ぶのに対して、原形のままのものを「ホールスパイス」と呼びます。いちばんの違いは…「香り」! パウダースパイスと比べて、ホールスパイスのほうが香りが長持ちします。カレーに使えば深い香りが出るので、味がより本格的になります。
今回使うホールスパイスは…
「シナモン」
甘くて独特な香りで、植物の樹皮から作られたもの。お菓子作りによく使われるスパイスです。
「カルダモン」
さわやかな強い香りを持っていて、数あるスパイスの中でもひときわ目立つ存在感があります。世界で最も古いスパイスの一つで「スパイスの女王」と呼ばれることも。
「クローブ」
甘い香りと刺激的な香りの両方を持ち合わせる、花のつぼみの部分を乾燥させたスパイス。鎮痛と抗菌に効果があるとされています。
左から、シナモン、カルダモン、クローブ。「シ・カ・ク」と覚えるのがオススメ。
ホールスパイスを加えた「シンプルキーマカレー」
それでは、カリー子さん流・基本のミックススパイス「タ・ク・コ」に、ホールスパイスを加えたレシピをご紹介♪
★基本の材料★(2人分)
・タマネギ…1個
・トマト…1個
・ニンニク…1かけ
・ショウガ…1かけ
・サラダ油…大さじ1
・塩…小さじ1
・豚ひき肉…200g
・無糖ヨーグルト…100g
・ターメリックパウダー…小さじ1
・クミンパウダー…小さじ1
・コリアンダーパウダー…小さじ1
・シナモン(ホール)…2cm
・カルダモン(ホール)…2粒
・クローブ(ホール)…2粒
ホールスパイスの使用量の目安は、クローブやカルダモンは「1人分で1粒」、シナモンは「1人分で1cm」と覚えるといいですよ♪
ホールスパイスが全部揃わなくても、「タ・ク・コ」さえ入っていれば、ちゃんとしたカレーになります。
★作り方★(2人分)
- 1)まずは下ごしらえです。タマネギをみじん切りに、トマトはざく切りにします。
ニンニク、ショウガはそれぞれ皮をむいて、みじん切りにします。
- 2)フライパンに油を熱し、ホールスパイスをテンパリングします。
「テンパリング」とは、油にホールスパイスを入れて炒め、香りを出す方法です。
スパイスが飛び散ることがあるのでご注意を!
しばらくするとスパイスがひとまわりくらい、膨らんできます。
炒めすぎると香りが飛んでしまうので、ほどほどにして次に進みましょう。
- 3)ここからは基本の作り方と一緒です。カレーの土台となる「グレイビー」を作っていきましょう。
フライパンにニンニクとショウガを加え、弱火で1~2分炒めて香りを出します。
少々焦げてきても大丈夫!
底をこするように焦げをこそぎ落としながら、ひたすら炒めましょう。
10分ほど炒め、焦げ茶色になり水分がなくなったらOK。
新タマネギを使う場合は水分をしっかりと飛ばしましょう。
- 5)さらに強火のままトマトを入れて、クタっとしてきたら、つぶしながら混ぜます。水けがなくなり、ひとまとまりになるまで炒めます。
スパイスを入れると焦げ付きやすいのでご注意を。
カレーの素となる「グレイビー」の完成! 「グレイビー」は保存も可能です。
冷蔵庫なら5日ほど、冷凍庫なら1か月を目安に使い切りましょう。
- 8)作ったグレイビーに豚ひき肉を加え、火にかけます。
- 9)ひき肉がそぼろ状になったら、よくかきまぜたヨーグルトを加えて混ぜ合わせます。
- 10)最後に塩で味を調整します。スパイスの香りやコクは、塩によって引き立てられます。
味見して物足りなく感じる時は、塩をひとつまみずつ足してみてください。
基本的に、“食べられないスパイスはない”ので、ホールスパイスは最後まで取り出さなくて大丈夫。
シナモンは固いので避けたほうが良いですが、カルダモンやクローブは一緒に食べて、はじける香りを楽しんでみてください。もちろん、苦手な場合は無理に食べる必要はありません。
ホールスパイスを使い分けよう! 「ほうれんそうチキンカレー」
スパイスの「いい香り」は、油に溶けやすい性質があります。
香りが特徴的なスパイスの場合、主役の具材やベースに“油が多い”と香りが引き立ちますが、“油が少ない”と、スパイスの「いい香り」がうまく溶けずに、独特な強い香りだけが目立ってしまいます。
ホールスパイス3つの中で、香りが一番個性的なのがシナモン。
「主役」と「ベース」の“油の量”によって、“シナモンを入れるか入れないか”を判断すると、カレーがうまくまとまりますよ。
…“油の量”がよく分からない? そんなときは、「主役」や「ベース」の味が“あっさり”か、“こってり”か、で判断してはいかがでしょう。
“油の量が多い”、“味がこってり”の場合は、シナモンを入れても大丈夫です!
「主役」で油の量が多いのは肉や魚で、油の量が少ないのは、野菜や豆。
「ベース」で油の量が多いのは、ヨーグルトやココナッツミルクで、油の量が少ないのは、牛乳や、ベースを何もいれない(水のみ)にした場合です。
★材料★(2人分)
・タマネギ…1個
・トマト…1個
・ニンニク…1かけ
・ショウガ…1かけ
・サラダ油…大さじ1
・塩…小さじ1
・鶏もも肉…200g
・ホウレンソウ…1束
・牛乳…100ml
・水…100ml
・ターメリックパウダー…小さじ1
・クミンパウダー…小さじ1
・コリアンダーパウダー…小さじ1
・カルダモン(ホール)…2粒
・クローブ(ホール)…2粒
「主役」か「ベース」のどちらかの油の量が少ないときは、ホールスパイスはカルダモンとクローブの2つでOK。
今回はベースとなる牛乳があっさりとしている=油の量が少ないので、シナモンは入れません。
★作り方★
- 1)まずは、タマネギ、トマト、ニンニク、ショウガをみじん切りにし、下ごしらえをしておきます。
鶏もも肉はひと口大に切り、ホウレンソウも切っておきます。
- 2)フライパンにサラダ油をひいて、ホールスパイス(カルダモンとクローブ)を「テンパリング」します。
カルダモンがひとまわり膨らむまで、油の中で熱し香りを出しましょう。
- 3)ここからは、カレーの土台・グレイビーを作りましょう。先ほどの「キーマカレー」の作り方と同じです。
- 4)グレイビーが完成したら、フライパンに鶏もも肉、水、牛乳を入れて、中火で10分ほど煮込みます。
- 5)ホウレンソウを加えて軽く1分ほど炒めたら、完成です!
ホウレンソウを入れるタイミングが大切!
煮込みすぎるとクタッとしてしまうので注意しましょう。
味が足りなかったら最後に塩でととのえてください。
ホールスパイスを活用しよう☆インド風ピラフ「プラオ」
せっかく手に入れたホールスパイス。カレー以外にも使ってみましょう!
★材料★(2人分)
・米…2合
・シナモンスティック…1本
・サラダ油…大さじ1
・塩…小さじ1
・水…米2合分に対する量
・赤唐辛子…1~2本(お好みで)
野菜(合わせて1カップ(200ml)分)
・タマネギ…1/6個
・ニンニク…1かけ
・ジャガイモ…1/2個
・ニンジン…1/4個
・インゲン…2本
★作り方★
- 1)タマネギ、ニンニクはみじん切りにします。ジャガイモ、ニンジン、インゲンは2cm幅に小さく切ります。
- 2)フライパンにサラダ油をひき、タマネギ、ニンニク、ジャガイモ、ニンジン、インゲンを軽く炒めます。
- 3)米、野菜、塩、水、シナモンスティックを入れて、炊飯器で炊きます。
お好みで赤唐辛子を入れても◎
- 4)炊きあがったら完成! お好みでバターを混ぜ合わせてもおいしいです。
シナモンが入ったごはん?味を想像しにくいかもしれませんが、とってもおいしいんです! クセになる不思議な味わい♪
ホールスパイスを使えば、スパイスのさらなる奥深い世界が広がります。
ホールスパイスを熱して香りをつけた=テンパリングした油は、いろいろな料理に活用できます。その油で炒めものをしたり、油をサラダにかけてスパイシーなホットサラダにしたり。
ぜひ、お試しください~!
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22/09/06まで