よるドラ<ここは今から倫理です。>
主演・山田裕貴の仕事の流儀 (前半)

21/01/28まで

らじるラボ

放送日:2021/01/21

#NHKここ倫#インタビュー#映画・ドラマ#朝ドラ

ざっくりいうと

  • デビュー10周年! “運”と“縁”の巡りあわせ
  • 心を見て役柄を自分にしみこませていく
  • 2021/01/21 らじるラボ 「表現者たち」山田裕貴さん(俳優)

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21/01/28まで

NHKよるドラ<ここは今から倫理です。>で倫理教師・高柳を演じる山田裕貴さんが<らじるラボ>に登場! 聞き手は、山田さんをデビュー作から知っているという吾妻謙アナウンサー。インタビュー前半では、俳優になることを志したきっかけと山田さんの仕事の流儀を中心に伺いました。

デビュー10周年! 「続けられたのは“運”と“縁”」

――きょうもドラマの撮影現場からスタジオにお越しいただきました。暇なくというか、忙しく動いていらっしゃるんじゃないですか。

山田さん: なるべく自分からは「忙しい」という言葉は使わないようにはしてるんですけど、忙しくさせてもらってます。

――2019年の朝の連続テレビ小説<なつぞら>の小畑雪次郎役で、たくさんの方が山田さんという俳優さんを認知して以降、いろんな役でドラマや映画にも出続けていらっしゃいます。

山田さん: <なつぞら>のおかげで、山田裕貴という人がいろんな作品に出ていると見かけてもらうことが増えてきただけで…1年に14作の映画が公開される年もありました。
去年、やってきた作品の数がもう100作を超えました。
きょうもたまたま<ここは今から倫理です。>の撮影をしてたんですけど、道行くおばさまに「<倫理>見たよ」と言われて、「ありがとうございます」と言ったら、「お菓子屋さんの雪次郎のときも見てましたよ」と言ってくださって、うれしかったです。「朝ドラの力はすごいな…」と感じますね。

――2011年に初めてテレビドラマに登場してから10年。プロフィールを見るとすごいが数あって、10年のキャリアとは思えないぐらいの並び方ですよね。

山田さん: いやいやいや…。
2月13日に『海賊戦隊ゴーカイジャー』という、僕が出演させてもらったデビュー作。

――ジョー・ギブケン、ゴーカイブルー。見てました。

山田さん: ありがとうございます。その初回の放送日が2月13日だったので、ことしその日がデビュー10周年になるんです。ここまでたくさんの作品に携われることになるとは思ってなかったです。いろんな人が声をかけてくださって、1回やった監督からまた声をかけてもらえるといったことのご縁で、ここまで来られたかなと思います。

――ゴーカイブルーとして山田さんを見ていたときに、役柄的に寡黙で、目が印象的な役者さんだと思っていたんですが、その後いろんな映画やドラマの宣伝などでメディアに出てきてトークをしている姿を見て、「あら? ゴーカイブルーはこんなにしゃべるのか?」という驚きがあったんですが、寡黙なのは作っていたということですか。

山田さん: もちろん寡黙な「沈黙の剣士」という作り方をしてたんですけど、バラエティーやラジオ番組に出させてもらうなら、しゃべらないともったいない。せっかく自分のことを伝える場所・チャンスをもらっているのに、無口で「はい」と言うだけではもったいないと思って。いろんな人に自分のことを知ってもらって、好きになってもらって、作品を見てもらうことが一番の幸せなので、ついついしゃべっちゃいます。

――しかも、お笑いにも貪欲で、トークの中でも「笑いを取りたい」、みたいなところが見えます。

山田さん: お笑いが大好きなんです。人を笑顔にさせる職業って、すてきだなと思ってリスペクトしています。
お笑い芸人さんのしゃべるトーンや間といったところもおもしろい部分がたくさんあって、お芝居に近い。お芝居も間が大事だったり、トーンやテイストが大事だったりするので、フィールドは違うかもしれませんけど、似たようなものを感じています。
あとは、テレビを見て、笑わせてもらえるのが何よりも至福の時なので、お笑いが好きなんですよ。

――寡黙な役柄から、楽しそうにお話している山田さんが、私にとっても「ゴーカイチェンジ」でしたね。

山田さん: (笑)。変身しちゃってますか?

――ちょっと前まで高校生役だったはずが、先生役や刑事役になっていたり…30歳でいらっしゃいますよね。

山田さん: これから公開されるものでもまだ高校生をやっている役もあるので、「高校生は卒業かな」とは言えないんですけど、30歳になって役柄が切り替わってきたのかな。自分も、生徒役が多かったので、先生の役をやっていると感慨深いものを感じますね。

「俳優は“心で戦える職業”」

――そもそも山田さんは、お父さまがプロ野球選手で、今でも広島カープで一軍のコーチをされている。「自分はプロ野球選手を目指したほうがいいのかな」といったのはなかったですか。

山田さん: めちゃくちゃありました。父親というより「男」として、「この人に負けたくない」というのが強くて、「父親がなれたなら俺も(プロ野球選手に)なってやる」じゃないですけど、その意地で野球を始めた。だから、途中で「自分には合ってない」とちょっとずつ感じていった。
小学校から中学3年生まで野球をやってたんですけど、「これは、僕の人生を歩んでいるんじゃないのかもしれない。父親の背中を追っているだけかもしれない」と思って、結局野球は中学3年生でやめちゃった。「父親がプロ野球選手だから…」というプレッシャーはありました。「自分もならなきゃいけないのかな」というのは思っていました。

――「なれないぞ」もあったし、「ならないぞ」もあったと思うんですけど、そこから役者、俳優へというのは、どんな気持ちの変化があったのでしょうか。

山田さん: まだ思春期真っただ中の中学生の時期に、圧倒的な力の差を見せつけられたときに、自分で完全にフタをしてしまった。毎年野球の全国大会へ行くぐらい強いチームにいたんですけど、レギュラーになれなかったり、「あの子には勝てないな」と思ったりして、「僕には無理だ」とそこで諦めちゃったんですよね。
体格やセンスで戦うには、なかなか…。
もちろん努力が足りなかったといったら、それが一番だと思うんですよ。ただ、そのときは体格やセンスなどで言われることは、もうやりたくなかった。

俳優になるきっかけは、「俳優さんは“心の職業”だな」と思ったんですよ。体格が違っても関係ない。「心にセンスはないだろうな」と思った。俳優さんは、体格や「力が強い」「足が速い」といったことではなく、“心で戦える職業”です。だったら、たぶん自分は何かのせいにはしないだろうな。俳優さんなら自分のせいにできるだろうな、と思った。
その前に、心理学といったところにも興味があったんです。心の分野に興味があった。「なんで人はこういう考えになるんだろう?」「なぜ人はいるんだろう?」みたいなことを考えることが好きだった。人の気持ちを考えることは好きだったんです。
人の気持ちを考えること、俳優さんは役の気持ちを考える職業だから、そっちのほうが自分の性に合っているんじゃないか、と思い始めて俳優を目指した感じですね。
高校卒業と同時にお芝居の学校に通って、お芝居の勉強をさせてもらいました。エキストラさんをやったり、舞台のセットを組み立てたり、そんなことをやってましたね。

――それが18歳で、『ゴーカイジャー』が20歳。2年間でやっと役をつかんだ。

山田さん: たまたまです。「戦隊もののオーディションに行ってみよう」と思って行ったら、1次を通って、2次、3次、4次…「なんで受かるんだろう? わからない」と思いながら最終まで行って、マネージャーさんから「ブルーに決まりました」と言われて、あの戦隊ものに決まった。

――今振り返って、「あのときの俺はここがよかったから選ばれたんじゃないか」と思うことはありますか。

山田さん: うーん…“運”と“縁”です(笑)。どこがよかったかは正直わからないです。巡り合わせでしかないと思います。

「ヘラクレスの気持ちがわかるのは俺だ!」

――この番組、ゲストの方のリクエスト曲をおかけしているんですね。まず1曲、何をおかけしましょう?

山田さん: ディズニーの映画の『ヘラクレス』という映画が、僕は小学生のころからずっと好きなんです。きょうかかる曲はエンディングのほうだと思うんですけど、劇中でリプライズ・バージョンみたいな感じで主人公ヘラクレスが歌うシーンを見ると、小さいころから絶対に涙が流れるという不思議な現象が起きるんですよ。その「ゴー・ザ・ディスタンス」という曲をかけていただきたいです。

曲~♪

――きょうの「表現者たち」ゲストの山田裕貴さんのリクエスト、ディズニー映画『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」をお送りしました。この映画で涙が?

山田さん: 不思議とそのシーンになると絶対…歌詞が、「見つけてみせるさ、僕の場所、くじけずに強くなれば行けるだろう、いつの日か」という、ずっと居場所を探している、みたいな歌詞なんですけど、それが僕は好きです。好きというか、心を震わされてしまって、なぜか大人になってから見直しても絶対そこで涙が出てしまう。
不思議なんですよ。「自分はずっと何かを探しているんだろうな」と思いながら…。

――この映画はアニメなんですよね。

山田さん: この『ヘラクレス』が実写化されると聞いて、「絶対僕が日本語版の吹き替えをやりたいな」と。
絶対にやりたい。「絶対ヘラクレスの気持ちは俺が一番わかっている。何回見直したか…」ぐらいの感じで好きで、絶対やりたいと思っています。

「役柄を自分にしみこませていく」

――先ほども、俳優の仕事を志すときに、「人の気持ちがわかる」「役の心がわかる」とおっしゃっていた。これまでの短い時間の中にも、「心」という単語がたくさん山田さんから出てくるんですけれど、役を演じるにあたって一番心がけていることは?

山田さん: その人を知ろうとする、その人の心を見る。「なぜこういう行動をするんだろう?」「なぜこのセリフを発するんだろう?」「この人はどんな歩き方をするんだろう?」「どんなテンポでしゃべるんだろう?」「声のトーンは?」「どういう音でしゃべるんだろう?」…そういったことをひたすら考えながら自分にしみこませていくのは心がけているかもしれないです。

――同時並行で何作品かで役を演じていることがあると思うんですけど、切り替えはどうやるんですか。

山田さん: 自分ではできないです。「だからこそ僕は1人では生きていけないな」と、この仕事をやっていてつくづく思うんです。

現場に行って、その現場のスタッフさんたちの顔を見て、衣装を着せてもらってメイクをしてもらって、その現場の雰囲気があると、そこに僕のスイッチがある。並行していても、その衣装に着替えてメイクしてもらえたら、そこで切り替われるんですよ。
スタッフさんたちのおかげです。きっと自分では切り替えられないです。

――複数別々の台本を同時並行で覚えるんですよね。得意ですか。

山田さん: いやあ…10月~11月で般若心経の70倍の量をやりました。覚えることは得意ではないと思うんですけど、覚えなきゃ仕事にならないので。
現場では2万文字を覚えたと言っていました。

――台本でいうと何ページぐらい?

山田さん: 59ページ。それは1カットだったんですよ。8分割されていて、1回9ページぐらいが1カット。

――途中でかんだら最初から?

山田さん: その現場はちょっとかんでも、「それもおもしろい」という感じでした。
しゃべりたくなったらアドリブも浮かんでくるから、自分でセリフに全然ないことを盛り込みながらやっていたので、1人舞台1本やったぐらいの感覚でした。

――民放のドラマですね。スタッフから表彰されたというエピソードがありましたけど、それですか。

山田さん: 「限界突破賞」ですね。「人じゃない」と言われました(笑)。

――覚えるコツは何ですか。

山田さん: コツはないです。ひたすら読んでました。あれだけ家でも休めなかった日々はなかった。ずっと台本を開いていましたね。
家でも仕事でした。どこに僕の休息の場所があるのか…(笑)。

――このあとは今放送中のNHK夜ドラ<ここは今から倫理です。>、高柳という先生役について深く伺っていきます。

よるドラ
「ここは今から倫理です。」

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<後半>へ続く

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