みんなでファクトチェック 第4回 あふれる偽情報について大学生が思うこと

Nらじ

放送日:2024/04/26

#インタビュー

「偽情報社会の歩き方」について考える、「みんなでファクトチェック」のコーナー。
スタジオには前回に引き続き、さまざまな謎解きを楽しみながら情報を検証するテクニックを身につけることができるゲームを作った大学生たちのチーム「クラスルームアドベンチャー」から3人のみなさんにお越しいただきました。
今回は、偽情報にどう向き合っているか、また対策などについて一緒に考えます。ネットワーク報道部の足立義則デスクとお伝えします。(聞き手:足立義則デスク、杉田 淳ニュースデスク、柴田 祐規子アナウンサー)

【出演者】
今井:今井善太郎さん(慶応大学3年生 クラスルームアドベンチャー所属)
古堅:古堅陽向さん(慶応大学3年生 クラスルームアドベンチャー所属)
堀口:堀口野明さん(慶応大学3年生 クラスルームアドベンチャー所属)

堀口野明さん、古堅陽向さん、今井善太郎さん

大学生はニュースをどこから得ている?

足立:
前回は皆さんが開発した謎解きゲームについてお聞きしたんですけれど、あらためて自己紹介と、ふだんニュースの情報をどのようにして得ているのか、ということをお聞きしたいと思います。

今井:
僕は、ふだんはネットが多いんですけど新聞もすごく好きで、一時は新聞を4紙ぐらい自分でとっていたくらいニュース好きでした。

足立:
ちなみにテレビは見ていますか?

今井:
テレビは実は家になくて。新聞だけって結構アナログ(笑)。

古堅:
ふだんはもうネット記事でしか、僕は情報収集していないですね。あとSNSで流れてくるものだったり、そういったものから情報を集めています。

堀口:
僕は結構SNSとか、あとは携帯に自分が興味ありそうなニュース記事をおすすめしてくれる機能があって、そこから情報を集めてくることも多くて。そうですね、テレビなどからは情報を得ていないです。

杉田:
これからはラジオも聞いてね(笑)。

今井:
ラジオは聞いていますよ。みんな結構、大学生とかはラジオは深夜とか芸人さんのラジオとか。あとは何かドライブしている時とか。

古堅:
ラジオ聞きますよ。

柴田:
そうなんですか。ちょっとビックリ、いろいろビックリ(笑)。

最初に偽情報に触れたのは?

足立:
みなさんが偽情報を最初に意識したのは、いつごろ、どんなことでしたか?

今井:
明確に意識し始めたのは、やっぱりコロナの時かなと思っています。たとえば家族が「何かこんな情報が回ってきたよ」みたいに言ってきたのが「『息を止めたらコロナがわかる』とか『水を飲めば治る』っていうのが回ってきたから、ちょっとやってみて」みたいな話で。僕はちょっと怪しいなと思って調べたら、そういうチェーンメールが回っているという話があって。その時に初めてこういうフェイクニュースとか誤情報って言葉は知らなかったんですけど、何か間違った情報がインターネット上でどんどん広まっているんだなっていうことを意識しました。

古堅:
僕はフェイクニュースでいうと、2016年のアメリカ大統領選でトランプ氏がフェイクニュース、フェイクニュースといっていたので、そこで僕は初めてフェイクニュースを意識したなって思います。

堀口:
僕もそうですね、2016年のアメリカ大統領選挙が一番大きくて、アメリカにその当時いたので一方的な情報ばっかり聞かされた時に、自分の中でも何が正しいんだろうっていうのが検証できなくて、当時はすごい無力感を抱いたことを何となく覚えています。

その情報間は違っている…でも言えない

柴田:
みなさんは、いまはどんなフェイク情報・偽情報が問題だというように思っていらっしゃいます?

今井:
一番最近で言うと、ことしの1月に発生した能登半島地震があります。僕たちが目にしたのは、たとえばニセの寄付金のサイトだとか、真偽が分からない救助要請、実際に行ったら誰もいなかったみたいな話も聞いたし、あとは人工地震だっていう陰謀論って言われるようなものだったりを、数多く目にしました。

古堅:
最近は生成AIがやっぱり一番フェイクがそこで広まっているんだなと思って。テイラー・スイフトの、何かありえない写真みたいなものが広がったと思うんですけど、どんどん技術が上がっている中で、検証も難しくなってくるなって僕は思っていて。あとやっぱりTikTokとかYouTubeとか、短い動画ってそもそも全然ソースが信用できないものであったりとか、やっぱり時間が短い方が大きく見せようという傾向があるので、嘘が簡単に交じってしまうっていう傾向があるかなって感じますね。

足立:
周りの友達を見ていて、偽情報にだまされてるな…という例はありますか?

今井:
僕は、友人が政治的な誤情報をSNS上に日常的に投稿しているのを見ていて、それはたとえば何か政治家がこんな裏の組織とつながってるとか。でもなかなか友達だから言えないっていうのもあって

足立:
友達だったら言いやすいと思ったりしますが、そうでもないですか?

今井:
すごく近い友達だったら「お前何言ってるんだ」となるかもしれないですけど、学校の友人とかそれくらいの友達だとなかなか。向こうもすごく熱意を持って発信しているというのもあるし、ケンカにはなりたくないと思ったりします。

家庭で偽情報を打ち消すようになれば

足立:
そうした社会を取り巻く偽情報への対策って、結局どうすればいいのか、ファクトチェックといった対策についてどのように思いますか。

今井:
そうですね、ファクトチェックというと思いつくのは、どこかの機関がファクトチェックしてそれを記事にするみたいなものだと思うんですけど、誤情報とか偽情報ってもう数え切れないほどある中で、誰かに言われてこれを真実だって見極めるより、自分の力で調べる力がないとこれから厳しくなっていくのかなって僕たちは思っていて、今回のプログラムを作りました。

従来までのメディアリテラシー教育って、「疑ってみよう」とか「一回立ち止まってみよう」みたいなことは教わるんですけど、それを実際にどうやって検証するかっていうところはなかなか教わらなくて。それこそ手口がどんどん新しくなっていくっていうのもあるし。僕たちは実際疑ったあとにどうやって調べるのっていう技術も学んでもらえたらと思っています。

柴田:
何かこういうふうに使ってほしいとか、こういうふうにファクトチェックしてほしいって思う時はありますか?

堀口:
自分で実際に疑って調べてみる。で、調べてみて実際にうそを暴けたみたいな、それが自分の自信につながって、そしてこれから自分が情報に向き合う時にちょっとしたきっかけになってくれればいいなって思っています。

柴田:
杉田さん、私たちの世代って意外とだまされやすい世代ですもんね。

杉田:
それに多分、若い人に教えを請うっていうのがなかなかできないんですよね。そういう事って感じません?

今井:
そうですね、僕たちも学校でやったあとに「お父さんとかお母さんと見てね」みたいに資料を配るんですけど、子どもたちのほうも親とそんなことしゃべりたくないということもあるし、親は親で僕の両親だったらたぶん、子どもが言ってる事だからみたいな。結構難しいなと思いつつも、例えばチェーンメールが親のところに回ってきたとき、子どもが学校で学んでたから止められた、みたいになれたらいいなと思っています。

足立:
今月、偽情報についてのある調査結果が発表されたんですね。国際大学グローバルコミュニケーションセンターと日本ファクトチェックセンターとが共同で2万人以上を対象に日本で拡散する偽情報について行ったものなんですが、その中で「信頼できる情報源は?」という調査項目があるんです。それによると最も上位の回答は「家族、友人、知人との直接の会話」と「テレビ・新聞」で、「家族と友人との会話」のほうがやや上回っていたんですね。だから今井さんが言っていた、家庭の中で言っていく、発信していくということが実は重要かもしれないですね、これからの時代は。

今井:
そうですね、そういうところに影響力があるようなプログラムにしていきたいなと思っています。

足立:
私たちも耳を澄ませないといけないですね。

柴田:
そうですね、ちゃんと若者から教えてもらう。

杉田:
でも柴田さんはゲームをやったからもう完璧でしょ(笑)。

柴田:
本当に時間がかかって…もっと皆さんから教えてもらいたいなと思った体験でした。

杉田:
私のような視覚に障害がある人でも使えるようなバージョンもぜひ、これを機会に検討してもらったら、喜ぶ人が多いと思います。

今井:
ぜひ開発を進めたいと思います。

柴田:
きょうはクラスルームアドベンチャーの3人の大学生の皆さんにお話を聞きました。今井善太郎さん、古堅陽向さん、堀口野明さんでした。どうもありがとうございました。

今井・古堅・堀口:
ありがとうございました。

杉田:
彼らなら、新しいバージョンもすぐ作ってくれそうですね。

柴田:
頼もしい3人でしたね。リスナーのみなさんから、メッセージもいただいています。

東京都の50代男性
幅広い意見を聞けるように、ネット・テレビ・新聞・ラジオ、いろいろなソースを取り入れて情報を取ってきたいですね。

柴田・杉田:
みなさん ありがとうございました。


【放送】
2024/04/26 「Nらじ」

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