みんなでファクトチェック 第3回 僕らが謎解きゲームをつくった理由

24/04/26まで

Nらじ

放送日:2024/04/19

#インタビュー

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社会にあふれるさまざまな偽情報にどのように向き合っていけばいいのか。「みんなでファクトチェック」では、偽情報についての研究や啓発活動などに取り組んでいる方をゲストに招いてお話をうかがいます。今回のゲストは、ある「謎解きゲーム」を作った学生グループ「クラスルームアドベンチャー」のみなさんです。ネットワーク報道部の足立義則デスクとお伝えします。(聞き手:足立義則 デスク、杉田 淳 ニュースデスク、柴田 祐規子 アナウンサー)

【出演者】
今井:今井善太郎さん(慶応大学3年生 クラスルームアドベンチャー所属)
古堅:古堅陽向さん(慶応大学3年生 クラスルームアドベンチャー所属)
堀口:堀口野明さん(慶応大学3年生 クラスルームアドベンチャー所属)

堀口野明さん、古堅陽向さん、今井善太郎さん

大学生が作った偽情報を見分けるゲーム『レイのブログ』

足立:
今回は「クラスルームアドベンチャー」から3人の大学生の皆さんにお越しいただきました。順番に自己紹介とゲームを作る際の担当を簡単にご説明していただけますか。

今井:
今井善太郎(いまい・ぜんたろう)と申します。エンジニアとしてプログラミングとかを担当しています。

古堅:
古堅陽向(ふるかた・ひなた)です。プログラムの企画制作などのクリエイティブを行っています。

堀口:
堀口野明(ほりぐち・のあ)です。僕は、絵を描いたりとか、ストーリーの部分を考えたりとかしています。

足立:
みなさん慶応大学の3年生なんですよね。そしてみなさんが中心になって開発した謎解きゲームが「レイのブログ」です。内容を簡単に説明しますと、中学生の主人公のもとにある日レイという名前の人物から「私を見つけてください」という謎のメッセージが届いて、さまざまな手がかりからレイの正体に迫っていきます。その謎解きの過程で情報を検証するファクトチェックに役立つテクニックを身につけることができる、というものなんですね。この説明でよかったですか?

今井:
バッチリです(笑)。

足立:
柴田さんも先ほどこのゲームを体験されたんですよね。いかがでした?

柴田:
1時間近くかかりましたけれども…助けてもらいながら、なんとかゲームを進めていくことができました。ゲームをしながら、自分でファクトチェックしつつ進んでいくんですね。スマホでゲームを進めながら、同時にパソコンを使って「レイのブログ」に出てくるものが正しいかどうかを調べていくんです。最初に例えば「アジア終了のお知らせ」という記事が出てくるんですよ。はたしてそこに書かれていることが正しいのかどうか。その記事の中から、どの言葉だったり、どの情報だったりが間違いなのか、ひとつひとつチェックをしていくんです。でも、調べても調べてもどれが間違いでどれが正しいのかって、なかなかたどりつけないんですよ。そこで結構心がくじけそうになりながら、でも3人の皆さんが優しく手を差し伸べてくれたのでなんとか前に進むことができました。

足立:
見ていた感じからは、すごくのってらっしゃったような…。

杉田:
アドベンチャ~!

柴田:
アドベンチャ~! な感じでした。情報の海を冒険している感じでした。

きっかけは 学校のメディアリテラシーの授業のもの足りなさ

足立:
このゲームを作ったきっかけをまずお聞きしたいと思ったんですけど、どうして作ろうと思ったんですか?

今井:
僕たち3人とも全く違う国で高校の教育を受けていて。堀口はアメリカ、古堅は日本で、僕、今井がカナダの高校だったんですけど、どの国にもメディアリテラシーの授業ってあったんですけど、どれもちょっとつまらなかった。多くの場合は、外部の講師の方が来て一方的に「SNSは危険だから、君たちには早い」とか、「インターネットはまだ何か危ない」っていう伝え方で、どうやったら正しく使えるかとかをなかなか教えてくれなかったんですね。成績につながるわけでもないメディアリテラシーって楽しくないと学べないなと思って、僕たちがちょっと作ってみようっていうところで、開発を始めました。

足立:
(授業は)つまらなかったですか。

古堅:
メチャメチャつまんなかったですね。なにかもう、スマホのことを言っているのにスマホの使い方とか実践的なことがなかったので、それもあって僕らは「レイのブログ」を作ろうってなったのかなと思います。

杉田:
危ないから使うなっていうような、そんな言われ方ですか。

今井:
そうですね。やっぱりSNSだと、何か事件があったとかいじめにつながるからっていうところは実際に多分あるとは思うんですけど、これからの時代、SNSを使わずに生きていくっていうのはすごく難しいと思っていて、だったら正しく使う方法を教えてほしいなって思いました。

「危険」に気をつけながら自分たちで伝えることに

柴田:
なるほど。そのSNSを正しく使うためにプログラムを作っていく上で気をつけたこともありますよね。

堀口:
実際になにか危ない情報にたどりつくことがないように、安全面というのは学校で(授業を)開催する中ではすごく大事なのかなと思って、そういう可能性を避けるように設計をしています。

古堅:
ストーリーの部分は僕と堀口でシナリオを考えていって、アニメも堀口が絵を描いて、音声とかも僕らお金がないので友達の声を入れてもらったりとかして。英語版があるんですけど、堀口がアメリカの友人に頼んだりとか。本当に内々で作った作品になっている感じですね。

「正しい情報の集め方」を子どもたち・情報弱者・そして世界へ

足立:
これまでどれぐらいの場所で、「レイのブログ」を実践してきたんですか。

今井:
最初に始めたのが2023年の4月なんですけど、それ以来、約50校の学校で、のべ1,000人ぐらいの生徒さんに遊んでいただいて。中学校から大学、あとは児童養護施設や語学学校、在日外国人の方にも遊んでいただいています。

杉田:
語学学校ではどういう需要があるんですか。

今井:
語学学校というは、やっぱり日本にいる外国人の方って「情報弱者」になりやすいといわれていて、たとえば災害とか有事があったときもどういうところから情報を仕入れていったらいいのか分からないという声をいただいたので、僕たちがやらせてくださいと授業をしに行きました。

杉田:
手応えありましたか?

今井:
ありました。言語の壁があるかなと思ったんですけど、思ったよりもみんなスムーズにゲームの謎を解いてくれて、すごく楽しかったっていうようないろんな声をいただきました。

杉田:
「情報弱者」といいますとね、私のような視覚障害があってもそのゲームは楽しめますか。

今井:
ちょっとまだまだ考えられていなかったところだなと思っていて。やっぱり情報って、動画とか画像とか視覚に頼るものが多いし、そういうところでだましてくることが多いので、僕たちの扱うテーマもそういうところに偏ってたんですけど、いまお話を聞いて、たとえば、視覚に障がいがある方に対応したコンテンツも作っていきたいと思いました。

杉田:
でも逆に言うと、視覚情報というのがいかにだまされやすいのかっていうことを表しているとも言えますよね。

柴田:
簡単に情報にアクセスできるから、簡単にだまされちゃうっていうこともあるかもしれないですものね。

今井:
いまは誰もが平等に情報にアクセスできると思うんですけど、その情報をどうやって効率的に集めるかとか正しく集めるかというところは、まだまだ教わっていないところかなと思っていて、それはぼくたちはこれから大切かなと思っています。

柴田:
(開発したゲームは)日本人向けだけじゃなくて、ほかの場所でも授業とかメディアリテラシーで活用しているんですか?

今井:
アメリカをはじめとする英語圏の国でも活用していて、今年の5月には台湾で中国語版の開催も行います。誤情報は決して日本だけじゃなくて世界中の課題になっているので、そういう面で注目していただいていろんな国で行っています。

足立:
みなさん、いまは大学3年生ですよね。今後の展開はどのように考えていますか。

今井:
この活動を僕たち大学卒業後も続けていきたいので、たとえば持続的なビジネスにする方向も考えていますし、あとは、この「レイのブログ」ひとつだけじゃなかなかメディアリテラシーを完璧に学べるっていうわけにはいかないと思うので「レイのブログ」は入り口として、もっと継続的に学べるようなプログラムにしていきたいと思っています。

足立:
来週もまた皆さんに、今度は大学生たちが日ごろ感じている偽情報の問題や有効な対策としてどんなことが考えられるのか、またファクトチェックが果たす役割についてなどなどお聞きしていきたいと思っています。今井さん、古堅さん、堀口さん、来週もどうぞよろしくお願いいたします。

今井・古堅・堀口:
ありがとうございました。

柴田:
今回、私も体験してみた謎解きゲーム「レイのブログ」に関心のある方や体験してみたいという方は「クラスルームアドベンチャー」で検索をして公式ページからお問い合わせをお願いします。


みなさんからのメッセージです。

謎解きゲームは ぜひともやってみたいけれど、謎解きできるまでにかなり時間がかかりそうだなー。

ファクト先進国アメリカに広まると、ビジネスチャンスがありそうですね。大統領選挙も近いしね。

柴田・杉田:
みなさん、ありがとうございました。


【放送】
2024/04/19 「Nらじ」

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