季節・環境の変わり目 “帯状疱疹”に注意!

24/05/01まで

NHKジャーナル

放送日:2024/04/24

#医療・健康#カラダのハナシ

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今回は「環境の変化や季節の変わり目に気を付けたい“帯状疱疹(ほうしん)”」についてお伝えします。
4月は新年度を迎えて生活環境がかわったり、寒暖差があったりと、知らず知らずのうちに疲れやストレスをためやすい時期です。こうしたストレスなどによる免疫低下によって帯状疱疹の発症率が高まるとされています。以前は50代以上の方がかかりやすいとされていましたが、この10年で20代から40代の発症率が高まっています。中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬(まつお・こおま)さんに伺います。(聞き手:山崎淑行ニュースデスク・野村優夫キャスター・結野亜希キャスター)

【出演者】
松尾:松尾光馬さん(中野皮膚科クリニック院長)

帯状疱疹とは…

――帯状疱疹とは改めてどのような病気なのでしょうか?

松尾:
帯状疱疹の『疱疹』は、小さい水ほうが集束するという意味でほとんどヘルペスのことを表しているんですけども、体には知覚を感じる感覚神経が全身に分布していますが、その神経の左右どちらか一方の流れに沿って帯状に発疹を生じることから帯状疱疹と呼ばれています。帯状疱疹の特徴はその神経に沿ってでる痛みが特徴で、主に上半身の発症が多く、重症化すると痛みが長く続いたり、顔面に発症した場合はハント症候群という顔面神経麻痺が残ることもあったりします。60歳以上の15~20%の方には、帯状疱疹後神経痛という神経痛が3か月続いている方もいらっしゃいます。

――帯状疱疹にかかる原因はなんでしょうか?

松尾:
水ぼうそうと同じ『水痘・帯状疱疹ウイルス』が原因です。子どもの頃に水ぼうそうにかかることが多い日本の成人の9割ほどは、子どものころかかった免疫とともに、ウイルス自体も体内に潜伏しています。このウイルスの特徴は治ったと思っても体内に潜伏し続けることなんです。若いうちは免疫が維持されていてウイルスの活動自体が抑えられていますが、主に加齢によってウイルスに対する免疫が低下すると、ウイルスの活性化がおきて帯状疱疹を発症するということになります。

――この時期は、慣れない生活にストレスや疲れを感じている人も多いと思うんですけども、そういったストレスが帯状疱疹の発症に影響するのでしょうか?

松尾:
そうですね。大きなストレスがかかり続けると帯状疱疹の発症率が上昇するというデータはありますし、私の病院でも仕事や行事で疲れた後に発症するという事例はみられますので、ストレスや疲れが関係していると思います。

20代~40代にもかかる人が増えている

――20代~40代でかかる方が増えているのはどうしてでしょうか?

松尾:
帯状疱疹は、依然高齢者がかかることが多いのですが、2014年から水痘用の小児用水痘ワクチンが定期接種になったことが挙げられると思います。
これまでは、お子さんが水痘にかかった際に、親御さんが接するにあたって免疫が活性化されていたんですね。今でいうワクチンを打ったのと同じ状態になっていたといえます。近年はワクチン接種によってお子さんが水痘にかからなくなった代わりにウイルスに接する機会が減ったので、そうすると免疫が活性化されずに若い世代、親御さん世代もかかる方が増えています。実際に私の病院でも若い方の帯状疱疹は増えていますので、20代などの若い方でも帯状疱疹に注意を払う必要があるかと思います。
ただ、帯状疱疹は、一般的に抗ウイルス薬をしっかり飲んでいただけば3週間ほどで治癒するものですので、早く気づいて病院にかかって、いち早く投薬をすることが大切です。いろんなデータから3日以内に投薬をするとより早く治るというデータもありますし、より早く投与することで広がりや症状を抑えられるというものになります。

早期発見のポイントと予防法

――早期発見のポイントはどんなことでしょうか?

松尾:
帯状疱疹の初期症状の特徴としては、神経の炎症がおこると違和感や痛みを生じるということなんですね。痛みはヒリヒリ・チクチク・ピリピリ、奥の方から来るズーンとするような痛み、針で刺されるような強い痛み、そういったものが、主に上半身、肩から背中、腹部、高齢者では目の周りに出ることが多いんです。その時に片側だけに違和感や痛みが現れたら帯状疱疹の兆候と考えてもらうといいと思います。ただ、痛みだけで帯状疱疹と判断することは難しくて、発疹が出てから診断となります。痛みは発疹が出る数日前から1週間ほど前に感じることが多いのですが、発疹と同時か遅れて感じるなどいろんなパターンがあります。さきほどお伝えしたような部位に赤い斑点や水ぶくれとか、何か違和感プラス発疹が出たら帯状疱疹の可能性が高いですので、ためらわずに皮膚科を受診してください。

――どのように予防すればいいのでしょうか?

松尾:
一般的な話になりますが、日ごろから睡眠をしっかりとるなど規則正しい生活習慣を意識したり、運動するとか、免疫力を高めておいたりすることが大事になります。50歳以上が対象になりますが、帯状疱疹のワクチン接種というのがあります。水痘ワクチンを代用した生ワクチンまたは不活性化ワクチンの2種類が日本では使うことができます。全国で600を超える自治体で補助金がでています。若い方でかかりやすい方は接種ができますので、気になる方は、かかりつけ医に相談されてみるといいかなと思います。

エンドコーナー

エンドコーナーでリスナーからの質問や感想についてもお答えいただきました。

熊本県40代の男性
15年以上前、20代半ばで帯状疱疹になりました。いまだに疲れていたり気温が低いと古傷のような鈍い痛みが出現します。り患当時、水疱がでていることに気が付かず一緒に入浴していた2人も数日をおいて次々水ぼうそうになりました。帯状疱疹から水ぼうそうがうつったと思うのですが、実際はどうなのでしょうか?

松尾:
帯状疱疹は水ぼうそうの再発なので、水ぼうそうのり患歴がお子さんになければうつるリスクがあると思います。ワクチンを打ったとしても、10~20%の方はなることもありますので、ワクチンを打っていても安心はできないということができます。

SNS
帯状疱疹、私は30代のころに子育てと介護がかさなったせいでかかりました。とても痛かったことを覚えています。再発することもあるのでしょうか?

松尾:
帯状疱疹は一生に1回と昔はいわれていたのですが、宮崎スタディという帯状疱疹大規模疫学調査を見ると、5.6%の方が2回以上なると出ています。再発があるということですね。

SNS
帯状疱疹、極度の疲労でヒリヒリ感や顔面麻痺症状があらわれて、去年2回不活化ワクチンを接種しました。1回1万円と高額でした。もう少し安くならないかとおもいました。

松尾:
実際打たれると2回打って1回1万円で高いかなと感じるかもしれないのですが、クリニックで打つ分はもともと原価が高いので2万円ちょっとで売っているところが多いと思います。ただインフルエンザとコロナと比べると毎年打つワクチンではない。不活化ワクチンは今のデータですと大体10年くらいもつと。年割にするとそれほど高くないという風に考えてみてもいいと思います。

――そのぶん有効性もあると。

松尾:
そうですね。

――ありがとうございました。


【放送】
2024/04/24 「NHKジャーナル」

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