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2020年6月17日(水)放送より

「口呼吸」はさまざまな健康問題につながると言われていますが、新型コロナウイルスの流行にともなう“新しい生活様式”で人と会うことや会話が減り、口呼吸が慢性化する懸念があるということです。口呼吸の予防に取り組んでいる医師の今井一彰(いまい かずあき)さんにお話を伺います。

【出演者】
今井さん:今井一彰さん(医師)
岩本デスク:岩本裕ニュースデスク
武田キャスター:武田涼介キャスター
菅野キャスター:菅野真美恵キャスター


岩本デスク: 人間は本来、「鼻呼吸」をするものなんですよね。

今井さん:
しゃべるときや楽器を演奏するとき、歌うとき、激しいスポーツをするときなど、一時的には口を通した「口呼吸」になりますが、そうでないときは「鼻呼吸」をするのが、本来あるべき呼吸法です。
ただ、鼻の通りが悪かったり、口の周りの筋肉が衰えて口が開いてしまったり、口は鼻より気道の抵抗が少ないので楽に呼吸ができると感じてしまったりして、普段から口呼吸になるかたも多いんです。入り組んだ構造をしている鼻を空気が乱れて通りますから、抵抗を感じるんですね。しかしそのときに、ウイルスや異物が鼻毛や鼻の粘膜でブロックされるわけですけれども、口呼吸ではそれがブロックされないんです。そうしますと、かぜやインフルエンザ、アレルギー性の疾患・気管支ぜんそくなどにかかりやすくなったり、口が乾きやすくなることでドライマウスや歯周病などが悪化する恐れがあります。

武田キャスター: そして、「人に会わないことが口呼吸につながるかもしれない」ということなんですが、どういうことでしょうか。
今井さん: しゃべらないと口周りが動かないのはもちろんですけれども、目の前の相手に、表情や何かを伝えることがなくなってしまうわけですよね。人目を意識した表情を作ることもなくなりますから、表情筋や舌(ベロ)の筋肉、口周りの筋肉が衰えてしまうんです。人前に出てもマスクをしていますから、口元が見える状態のときよりも口元がゆるみがちになってしまいます。
武田キャスター: 口周りの筋肉が衰えることが、口呼吸につながってしまうのですか。
今井さん: そうなんです。加齢で筋力は衰えていきますが、そのスピードが速まる危険性があるのが今だと思っています。またマスクで息苦しくて、口呼吸をするのが癖になって慢性化することも心配しています。
菅野キャスター: 「自分も口呼吸が慢性化しているんじゃないかな」と気になる方も多いと思います。3つのチェック項目で分かるということですが、ご紹介いただけますか。

「口呼吸慢性化のセルフチェック」

①唇が乾いて荒れやすかったり、朝起きたときに喉がヒリヒリする
口が開きがちになっていて乾きやすいということ。

②舌(ベロ)を上あごに当てて「コン・コン・コン」と音を出せない
舌の筋肉が衰えているということ。重力に負けて舌の位置が下がると舌の重みで下あごも下がり、口が開きやすくなってしまう。

③食べるときに音を立てている(いわゆる「クチャラー」状態)
口呼吸の人は、一方の側でかみ、他方で呼吸をすることになるので音が出てしまう。あごの筋肉が偏りがちになる危険性も出てくる。

菅野キャスター: チェック項目3つのうち1つでも当てはまったら要注意、ということですね。
今井さん: 1つでも当てはまったら口呼吸が慢性化している可能性が高いので、気を付けていただきたいと思います。マスクをしたり激しい運動をして一時的に口呼吸になってしまったら、そのあと鼻呼吸に切り替えることを意識していただくたけでもいいんです。
そして、口呼吸の慢性化を防ぐためには、口の周りの筋トレをおすすめしたいと思います。
武田キャスター: マスクをしたままでもできるということなので、みなさん、ご一緒にどうぞ。

「口呼吸慢性化を防ぐ口周りの筋トレ」

①口を閉じて、上の歯と唇の間に舌を入れます(鼻の下が膨らんでゴリラのモノマネをしているような状態)

②舌で歯の表面をこすりながら、ワイパーのように左右に10回(5往復)、動かします

③口を閉じて、下の歯と唇の間に舌を入れます

④舌で歯の表面をこすりながら、ワイパーのように左右に10回(5往復)、動かします

菅野キャスター: なかなか使わない筋肉といいますか……。顔が疲れました、少し。
武田キャスター: 舌の付け根が少し痛くなりました。
岩本デスク: マスクをしたまま、1日あたり、上の歯を10回、下の歯を10回こするのをワンセットですね。
今井さん: 余裕があれば2セット、3セット、やってみてください。ベロと口周りの筋肉を鍛えていただければと思います。

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2020年6月17日(水)放送より