小学生のときに映画『若草物語』で見たキルトに恋して

23/07/03まで

眠れない貴女へ

放送日:2023/06/25

#インタビュー#ライフスタイル

キルト作家としても活躍しているタレントのキャシー中島さんに、小学生の時に見た映画でキルトに魅せられ、その後仕事で行ったサンタモニカのショーウインドーで、映画で見て恋焦がれたキルトに出会ったときのこと、そして自分で作るようになり、さまざまな種類のキルトを知ることでさらにその魅力にはまっていったことなど、興味深いお話を伺いました。

【出演者】
キャシー:キャシー中島さん(ゲスト)
村山:村山由佳さん(ご案内)

キャシー中島さん

【キャシー中島さんのプロフィール】
1952年、ハワイ生まれ、横浜育ち。1969年モデルとして芸能界デビュー。俳優の勝野洋さんと結婚後は御殿場に移り住み、子育てをしながらパッチワークの教室を始める。アメリカンパッチワーク、ステンドグラスキルト、アップリケキルト、ハワイアンキルト等、さまざまな手法のキルト製作及びデザインを手掛け、国内外のキルトコンテストで数々の賞を受賞し、高く評価されている。

ここから始まったキルトライフ

村山由佳さん

村山:
まずは、キャシーさんとキルトとの出会いから伺いました。

キャシー:
キルトとの出会いというのは、小学校の映画鑑賞会で『若草物語』というアメリカの映画を見まして、その中に4人の姉妹、それはもうきれいな姉妹がいて、まあ私は「あの中の1人に似てるな」って自分では思ったんだけど。その映画を見ていた時に、ベッドにかかっていたきれいな掛けもの、それからお母さんが刺しゅうをしている横に置いてあったクッションのきれいなものって、あれは何なんだろうと思ったのが最初。小学校4年生の時ですね、10歳かな。そのことをずっと覚えてたんですけれども。

たまたま私が20歳の時に、モデルからタレントに変わっていったんですね。そのモデルの最後の仕事をロサンゼルスで撮影しましてね。そのときに時間があったので、サンタモニカまでちょっと行ったんですよ。当時のドラマとか番組の撮影っていうのはとてもゆとりがあって、外国に行くとロケハンをやってる間、要するに撮影をする場所を探す間、私たちタレントとかモデルは暇なんですよ。待ってたの。そのときにサンタモニカに行きまして、ぶらぶらと。

で、そこでお店があってね、そのショーウインドーにかかってたのが、本当にその『若草物語』の映画の中で見たカバーだったんですよ。で、これが欲しいと思って、中に入ってオーナーの人に「これ売ってください」って言ったら、「それは売るものじゃなくて、作ることを楽しむための見本ですよ」って言われて。「これが自分の手から生まれるんだ!」と思ったら、すごくうれしくなっちゃって。そこで初めて作り方を教わったんです。それが1972年のことですね。今から51年前よね。そこからずっと恋してる、キルトに。

村山:
ずっと恋してるっておっしゃいますけど、そういう意味ではもっともっと前、この小学校4年生の時に『若草物語』を見て、たぶんみんなは『若草物語』のストーリーの方に目を奪われるんでしょうけれど、キャシーさんはそのクッションのきれいなのとか、刺しゅうのきれいなのとか、そちらに目が行ったっていうところで、そこでもう種から芽が出てたんですね。そして、このサンタモニカでショーウインドーの中に飾ってあったもの、もしこれを簡単に買えてしまっていたら、もう作らなかったかもしれませんよね。結局、そうして出会いが人を、その後の人の人生を作っていくんだなって思うとビックリしちゃいますね。

おおらかなハワイアンキルトとの出会いに導かれたキルト作家としての人生

村山:
そうしてキルト作りを始めたキャシーさん。結婚しても、子どもが寝た時間、煮込み料理をしている時間など、ちょっとした時間に縫うことができるパッチワークは、主婦の時間帯に合っているとおっしゃいます。
さらにキルト作りにまい進していったキャシーさんは、日本国内においてハワイアンキルトを紹介した第一人者とも言われていますが、そんなキルトの魅力、ハワイアンキルトとの出会いについて伺いました。

ハワイアンキルト ~ロケラニ~
“天国のバラ”といわれているマウイ島の花をデザインしたもの

キャシー:
それぞれの魅力が違うと思うんですね。
カテゴリーからいうと、アメリカンパッチワークという布をつなぎ合わせるテクニックのものと、それからアップリケキルトって言って、アップリケをして、こう表現をしてキルティングをしたものと、それから今はステンドグラスキルトって言って、黒い縁取りが残るような変わったテクニックのものというのもはやってますね。そしてまあ、私が皆さんにご紹介したハワイアンキルト。このいくつかのカテゴリーがありますけれども、それぞれに魅力がある。

最初はパッチワークをやっていて。で、結婚しまして、子どもができて、子どもが幼稚園に入った時に、お母さんたちと一緒にサークルを作ろうということになって、「じゃあ私、キルトだったら教えられます」って。もうその結婚するまでに7年間ぐらい、自分でキルトをやってましたから。で、教えることをスタートして。そしたらね、なんか細かくちゃんと縫わなきゃいけないっていう重荷がついちゃったの。見せなきゃいけないから、生徒さんたちに。時間も、「次の教室までにこれ作んなきゃいけない」っていう…。ものすごい細かく丁寧に縫ってたら、すっかり疲れちゃったんですよ。

それで3年ぐらいたってからかな。家族でハワイに旅行に行ってたんですけれども、ノースショアっていうところにハレイワっていう町があって、そこのお店で壁にかかっていたハワイアンキルトを見たんですね。「えっ、これキルトなの?」って、よく見て。「えっ、こんなシンプルに2色でいいの?」「こんなに針目大きくていいの?」「えっ、じゃあ、あのキルトのラインなんて型紙作ってやらなくていいの?」っていうのを見て、「あー、これいい」と思って。
たぶんもしかしたら、ずっとアメリカンパッチワークをやってたら、途中でやめちゃってるかもしれない。ハワイアンキルトもあって、それからアップリケもあってって。こういろいろ、いろいろやっていって、やっぱり四角つなぎがいいなって私は思ってるの。でも、ハワイアンキルトのおおらかさは、私にはとっても合ってるんですよね。

番組からのメッセージ

  •  ♪ デザインするにしてもお料理するにしても、実際に見たり感じたりして空気や景色を感じとることが大事とおっしゃるキャシーさん。これからの人生は「あと何年、夫と一緒にいられるかわからないし、いつも一緒に旅をしましょう」ということで、これからも旅をしていろんなことを感じとりたいそうです。
  •  ♪ この番組は、らじる★らじるの聴き逃しでお楽しみいただけます!
    放送後1週間お聴きいただけますので、ぜひご利用ください。

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23/07/03まで

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23/07/03まで

  •  ♪ 番組では皆さんのおたよりをお待ちしています。
    6~7月のテーマは「ターニングポイント」です。皆さんが振り返って思い当たるターニングポイントにまつわるエピソードをリクエスト曲とともにお寄せください。

眠れない貴女へ

NHK-FM 毎週日曜 午後11時30分

おたよりはこちらから


【放送】
2023/06/25 「眠れない貴女へ」

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