巻き爪の真実

21/07/01まで

健康ライフ

放送日:2021/03/11

#医療・健康#新しい生活様式#エクササイズ#カラダのハナシ

ざっくりいうと

  • 足のクリニック表参道院長 桑原靖さん
  • 巻き爪は爪だけでなく足全体の病気です
  • 2021/03/11 マイあさ! 健康ライフ「足の悩み ④」

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巻き爪は「足の病気」

――巻き爪というと、どういう状態のことをいうのでしょうか。

桑原さん: 巻き爪は、爪の両端が内側に巻き込んで、指に食い込んでしまう状態のことをいいます。突き刺さるのではなく、指に食い込んでいる状態ですね。巻き爪が起きるのは、9割以上の人が足の親指で、手の巻き爪はほとんどありません。

――どうして足の指には巻き爪が起こりやすいのですか。

桑原さん: 爪の形が変形する病気なので、爪そのものに原因があると思われる方も多いんですけれど、足に問題があって起こる足の病気なんです。一番大きな原因は、足の指にかかる力のバランスの不均衡ということです。

――「足の指にかかる力のバランスの不均衡」とは、どういうことでしょうか。

桑原さん: 本来足の爪は、下から広がる力がかかっていないと、つまり上から荷重がかからない状態になると、巻きやすい構造になっているんです。
通常は、歩いたり立ったりしているとき、親指がしっかり地面を踏み締めて体重がかかることで平らに保たれています。ですから、爪の弧(曲面)に対して常に下からの垂直方向の力がかかっていないと、巻き爪が起こりやすくなるというわけです。

――ということは、どういう人が巻き爪を起こしやすいのですか。

桑原さん: 足の指にかかる力のバランスが悪い人、つまり寝たきりの人や、外反母趾(ぼし)などで足が変形して指が地面にしっかりついていない人。こういった方は巻き爪になることが非常に多いです。
それから、足のアーチ構造が崩れて指が浮いてしまっている人ですね。ほかに、爪を切り過ぎて深爪をしている人が多いです。
ただ、ここで注意すべきことは、「深爪をすると巻き爪になる」というわけではなくて、「巻き爪になる要素を持った人が爪を切り過ぎてしまうと、それがトリガーになって炎症を引き起こしてしまう」ということです。

――巻き爪になると、どういう症状が出てくるのでしょうか。

桑原さん: 巻いていることと痛いことは別問題で、無症状の人もいます。ただ、一定ラインを越えると、巻き爪が起こっている指の部分に痛み・炎症が起こります。
さらに、この痛みから逃れようと不自然な歩き方をしてしまうようになり、これで姿勢が悪くなり、局所に大きな負担がかかってひざや腰の痛みを起こすこともあります。場合によって巻き爪が起こっている部分がうんで腫れて、かなり悪臭を伴うこともあります。

巻き爪対策の基本

――巻き爪が気になる場合は、どこに相談したらいいですか。

桑原さん: 私は足専門のクリニックで診療していますが、日本には足に特化した医療機関はそんなにありません。どこを受診したらよいか分からないことで我慢をしているうちに、悪化してしまうという患者さんも多くいらっしゃいます。
足専門の医療機関がある方はそちらを受診していただきたいですし、それ以外の方は形成外科あるいは皮膚科整形外科を受診されるとよいと思います。

――受診すると、どういう治療をするのですか。

桑原さん: 爪の変形を治すための治療を行います。自費診療ですが、形状記憶合金などで爪を平らに固定して矯正する方法が多く行われています。
巻き爪は、指にかかる力のバランスの崩れが根本原因ですので、まずはその問題を解決するのが先決になることが多いです。足への体重のかかり方が適正になれば、巻き爪の症状は回復に向かいます。そのためには足に合った靴やインソール(市販のものでも大丈夫です)といったものを使用することが基本の治療になります。
靴やインソールで改善しない人や、再発や炎症などを繰り返している人は、手術という選択肢もあります。手術は5~10分の部分麻酔で終わりますので、その日のうちに歩いて帰れるものです。

――手術はどんなものですか。

桑原さん: 爪の巻いている部分を根元まで切除し、爪自体をほんの少し1mm程度狭くする手術です。
切った爪の根元に、爪のもとになる細胞を壊す薬品を塗り、そこから生えてこないようにします。巻いている部分だけを取る手術ですので、これを行うことで巻き爪は解消します。こちらは保険でできる手術です。

――それで悩みが解消するのであれば、手術も選択肢の1つですよね。
一方で、「医療機関を受診するほどではないかも…」と感じている人は、どういうことに注意したらいいですか。

桑原さん: お風呂に入って爪が柔らかくなったときに、平らにのばしてみるのもいいかもしれませんね。また、市販の巻き爪クリップなどを使用してみるのも、1つの手段かと思います。
ただし、やめたらもとに戻ってしまいますので、こういったものを続けるか、根本原因に対して何かをするかという選択肢も考えておく必要はあります。

――どうしても爪だけに目が行ってしまいますけれど、爪単独のトラブルと考えてはいけないということですね。

桑原さん: 爪だけに何かをしても、解決はしません。また、ひとたび炎症が起こると、今度は腫れ上がった指の肉が爪に食い込んでいく悪循環になってしまいます。
一定ラインを越えてしまうと、自分ではどうしようもなくなってしまうことも多いため、早めに医療機関を受診しておくことも大切です。

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