源氏も平家も振り回す! 「日本一の大天狗」と呼ばれた後白河法皇

22/08/01まで

ペリー式歴史さんぽ

放送日:2022/07/02

#歴史#文学#鎌倉#大河ドラマ#映画・ドラマ

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22/08/01まで

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コラムニスト・時代劇研究家のペリー荻野さんが、時代劇的視点で歴史上の人物とその人物を楽しむための“おさんぽ”プランをご案内。今回は<鎌倉殿の13人>でも登場する、後白河法皇です。

【出演者】
ペリー荻野さん(コラムニスト・時代劇研究家)

「日本一の大天狗(てんぐ)」

――きょうペリーさんにお話いただくのは、後白河法皇です。気になる史実から教えてください。

ペリー: 私がともに歩んでいるといっても過言ではない! 放送中は週3回ぐらい観ている、<鎌倉殿の13人>でも大活躍されている後白河法皇ですけれども、この方は天皇を退位したあとも権力を握って、いわゆる院政っちゅうやつをやっているんですね。でも武力がないから、武力を持ってる平家をうまく操るんですよ。そうすると勢力をどんどんどんどん平家が拡大して、清盛が強くなってくると今度は清盛と対立して、そしたらなんと後白河法皇は、清盛に鳥羽離宮に幽閉されちゃうんです。すごい仕打ちを受けるんだけれども、そこでへこたれる人じゃなくて、怒りをフツフツと抱きながら、表面的には清盛と上手につきあうような顔して、おっとりして、「元気?」みたいな、「暑いね」みたいな、そういう感じのことを(笑)。

顔で見せるところとお腹の中が全然違うところもおもしろいし、今度は源氏が挙兵したと聞くと、「一気に平家を滅ぼせ」みたいなことをね。清盛が身近にいるときは顔にはもちろん出さないけれども、源氏を応援するわけですよね。それで平家が滅びまして思うとおりになったなと思ったら、今度は頼朝が強くなりすぎると警戒して、義経を操ろうと接触してくるってことで、兄弟の対立で結局、義経がああいうことになっちゃう黒幕だったという。

ニックネームはすばらしいですね、「日本一の大天狗」。天狗まではあるけど、なかなか大天狗まではいかないから、ここがいいなと思ってますね。

――表と裏だけじゃなく、いくつもの顔がある人物。

ペリー: 実際、法皇さまが目の前に現れたら外面いいじゃないですか? 私たちごときは、あっという間に絡み取られてしまう(笑)。

――だまされるでしょうね。絶対すれ違いたくない。

鎌倉殿の13人

日曜日 総合 午後8時/BSP BS4K 午後6時

詳しくはこちら

老練にして腹黒な平幹二朗、うっ屈した若き策謀家の松田翔太、まさかの生霊で登場した西田敏行

――後白河法皇をこれまでの時代劇から掘り起こしていきましょう。ペリーさん思い出の法皇……思い出の法皇というワードもすごいですけれども、お三方をお願いします。

ペリー: 大河ドラマでなかなか個性的な法皇さまが出ていまして、2005年に放送された<義経>。このときは平幹二朗さんがおやりになっていました。平さんですから、老練にして腹黒にして「呪いをやっちゃいますよ!」みたいな感じで。いつも目が笑ってない笑顔をお見せになるというね。滝沢秀明さんが義経やっていましたけど、かなうわけがないですよ!

2012年<平清盛>のときは、松田翔太さんが。意外なことに若くしておやりになりまして、うっ屈した若き策謀家みたいな感じですね。ちょっと現代ふうでもあったという印象で、清盛を恐れたり操ろうとしたり、何だろうな……やっぱり素直じゃないのがいい感じでしたね。

そして放送中の<鎌倉殿の13人>が西田敏之さんですよ。皆さんこないだ見たばっかりっていう感じなんですけど、最初に出てきたときはまさかの生霊で、頼朝に「おう」みたいな感じで出てくる。これで頼朝を悩ませて、「早く挙兵してよ」みたいな感じのことを言って頼朝をすごく悩ませたうえ、義経も翻弄するってことでまさに大天狗。いい味が出てましたね。

――不気味なキャラクターですけど、演じがいがありそうですね。

ペリー: これいいと思いますよ。ほとんど座ったままで(笑)、あの印象を残すという。すごい役ですから。西田さん、すばらしかったですね。

今後、後白河法皇をオファーするなら……?

――今後の後白河法皇を想像してみることにします。ペリーさんどなたに依頼なさいますか?

ペリー: 西田さんの話をこんなにさんざんしたばっかりなのに(笑)。私ね、自分でもいいなと思ったんですよ。寺尾聰さん。意外でしょ? 「ルビーの指環」の印象かもしれませんけど、大河ドラマで<軍師官兵衛>のときに、腹黒い家康をおやりになったんですよ。これがなかなか印象的だったんで、「ブラック寺尾」をここで見たい。なかなかいいでしょ?

――ちょっと陰があって、言い方はあれですけど、声が細いところがむしろいいですね。

ペリー: そうなんですよ。「法皇さまはいま、何をおっしゃったんですか?」って、みんなが耳を寄せることを考えて言っているというね(笑)。

――では最後に法皇スポットのご紹介です。後白河法皇を感じるには、どこを“おさんぽ”すればいいでしょうか?

ペリー: 京都の新熊野神社。後白河法皇って熊野が大好きで、34回行ったという。しかも私が読んだ説では、そこで今様(いまよう)をやる。今様っていうのが、当時の流行歌。だからシンガーソング法皇だったという(笑)。熊野で歌うのがとてもお好きだったみたいで、それを京都に持ってこようってことで、自ら京都に新熊野神社を創建していらっしゃいます。ですからここで今様を歌いながら天狗の気分という。ひょっとしたら、ちょっとブレイクちゃうかも!?

――真夏の高い空を飛ぶ、大天狗になりきりたいと思います。


【放送】
2022/07/02 「ペリー式歴史さんぽ」 ペリー荻野さん(コラムニスト・時代劇研究家)

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