「頻尿・尿漏れ 尿のトラブル」① ~意外に多い 尿の悩み~

24/07/01まで

健康ライフ

放送日:2024/03/11

#医療・健康#カラダのハナシ

放送を聴く
24/07/01まで

放送を聴く
24/07/01まで

【出演者】
巴:巴(ともえ)ひかるさん(東京女子医科大学附属足立医療センター 教授)
聞き手:星川幸 キャスター

日中の頻尿の症状がある人、全国で約4,000万人

――東京女子医科大学附属足立医療センター教授で、泌尿器科が専門の巴ひかるさんに伺います。巴さんは多くの診療ガイドラインの作成に携わり、特に女性の尿のトラブルについて治療を行っています。
「頻尿」や「尿漏れ」など、尿の悩みを持つ人というのは多いんでしょうか。

巴:
はい。日中の「頻尿」の症状がある人は、全国でおよそ4,000万人といわれています。特に、女性では「尿失禁」は4人に1人、出産を経験した人では4割に及ぶと考えられています。
恥ずかしいから人に言えない、年だからしかたがない、あるいは治らないもの、と諦めている人が多いのが現状です。でも、多くの頻尿・尿失禁は治せる、また、コントロールできるといわれています。
今週は治療や、改善のための生活習慣などについて、お話ししていきたいと思います。

頻尿とは?

――そこで、今回のテーマは「意外に多い 尿の悩み」です。
私もお酒を飲んだときなど、トイレが近いな、と感じることがあるんですが、これも頻尿になるんでしょうか。

巴:
星川さんは、朝起きてから床につくまで、何回ぐらいトイレに行きますか。

――うーん、あまり意識したことがないんですが、たぶん4回か5回ぐらいでしょうか。

巴:
で、トイレに行くことで生活が制限されている、などと感じたことがありますか。

――うーん、今のところ、それは感じたことはありませんね。

巴:
では、星川さんは大丈夫です。
一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を「頻尿」といいます。しかし、1日の尿量によっても排尿回数は変わりますので、一概に、1日に何回以上の排尿回数が異常、とは言えません。
私の患者さんでは、1日20回以上トイレに行っている、という人もいました。

――そうですか。それだけ頻繁に尿をしたくなると、生活にも影響がありますよね。

頻尿の原因

――頻尿になってしまう原因は何でしょうか。

巴:
今、一番多い原因と考えられているのが「過活動膀胱(ぼうこう)」です。過活動膀胱とは、膀胱が過敏になって、尿が十分にたまっていないのに、ご本人の意思とは関係なく膀胱が収縮してしまう。その結果、急に尿意をもよおしたり、何度もトイレに行きたくなったりということが起きやすくなります。頻尿は昼間だけでなく、夜も尿意で目が覚めてしまいます。

――過活動膀胱については、次回、詳しく紹介します。
そのほかに、頻尿の原因はありますか。

巴:
はい。女性では「膀胱炎」などの尿路感染症が起きると、膀胱に炎症が起きているので、刺激されて頻尿になることがあります。女性は体の仕組みとして、尿道の出口が、細菌が多い膣(ちつ)や肛門の近くにあります。また、尿道が男性に比べて短いので、外から細菌が入りやすく、膀胱炎になりやすいのです。
若い女性の頻尿は、特に膀胱炎を疑います。

――男性が頻尿になるケースもありますか。

巴:
もちろんあります。男性が頻尿になるのは「前立腺肥大症」がきっかけで起きることが多いです。

――前立腺肥大症、どのような病気ですか。

巴:
前立腺は、男性特有の臓器です。前立腺は膀胱の出口部にあって、尿道を取り囲んでいます。尿道や膀胱に接している部分なので、前立腺が大きくなると尿道や膀胱を圧迫してしまいます。その結果、尿の勢いが低下してしまい、尿を出しきれなくなって膀胱の中に尿が残ってしまう「残尿」という状態になって、そのせいで頻尿になってしまいます。
前立腺肥大症の頻度は年齢とともに多くなり、男性の50代の約30%、80代では約90%に前立腺肥大の変化が起きている、というふうにいわれています。
また、加齢によっても尿を出し切ることができずに残尿が生じて頻尿になったり、水の飲み過ぎなどの生活習慣の影響で尿の量が増えてしまうなど、さまざまな原因があります。

尿漏れについて

――一方「尿漏れ」についてですが、私も友人から、出産後に尿漏れをするようになった、という話はよく聞くんですが。

巴:
膀胱に尿がたまっても漏らさずにいられるのは、尿道の周りにある“尿道括約筋”や、骨盤底、つまり、骨盤の底の部分にハンモックのような形で、膀胱や子宮などの内臓を支える“骨盤底筋群”という筋肉があるためです。
でも、妊娠・出産などで骨盤底筋が傷ついて緩んでしまうと、せきやくしゃみをしたとき、重い荷物を持ち上げたとき、走ったりジャンプをしたときなどおなかに力が入ったときに、尿が漏れてしまいます。これを「腹圧性尿失禁」といいます。
そのほかにも、急に尿がしたくなって、我慢できずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」、運動機能や認知機能が原因で起こる「機能性尿失禁」などさまざまなタイプの尿漏れがあります。
尿の悩みはデリケートな側面があるために、人には相談しづらく、病院にも行きづらいという人も多いです。でも、ぜひ気軽に相談してほしいと思います。

――では、最後に今回のポイントをお願いします。

巴:
頻尿・尿漏れ、悩みは多い。我慢せずに、気軽に相談。


【放送】
2024/03/11 「マイあさ!」

放送を聴く
24/07/01まで

放送を聴く
24/07/01まで

[1]

この記事をシェアする

※別ウィンドウで開きます