「見つめ直す! 目の健康」① ~目の健康度チェック~

23/10/09まで

健康ライフ

放送日:2023/06/19

#医療・健康#カラダのハナシ

放送を聴く
23/10/09まで

放送を聴く
23/10/09まで

【出演者】
山田:山田昌和さん(杏林大学 医学部 教授)
聞き手:福島佑理 キャスター

ドライアイのチェック

――スマートフォンやパソコンなどを見る時間が増えた分、目がかゆいとか、乾く、また、二重に見えるなどの症状に悩む人も多いと思います。

山田:
特にここ10年、スマートフォンが普及し、目に関するトラブルが多くなりました。生活や仕事のスタイルの変化とともに、目を酷使する環境になっています。福島さんは1日どのぐらいの時間、パソコンやスマートフォンを見ていますか。

――1日の起きている時間はほとんど、スマートフォンやパソコン、テレビを見てるんじゃないかなと思うんですけれども。

山田:
それは、とっても多いですね。

――あっ、そうですか。

山田:
ある調査では、現代人は1日のうち、パソコンやタブレットを約2時間、スマートフォンを約2時間半見ているとされています。
「ドライアイ」という言葉を聞いたことがあると思いますが、ドライアイの症状はさまざまありますので、ドライアイのチェックをしてみましょう。

✓ 目が疲れる
✓ 目がゴロゴロする
✓ 目が乾いた感じがする
✓ 目に不快感がある
✓ 時々、かすんで見える

――私は、目がゴロゴロする、不快感がある、この2つが当てはまるかなと思いました。

山田:
ドライアイの可能性がありますね。

――あっ、そうですか。

山田:
「ドライアイ研究会」が発表しているドライアイチェックは、もう少し詳しく14項目あって、5つ以上該当するならドライアイの可能性があるとしています。
それともう1つ、手軽にチェックする方法があります。

――どんな方法でしょうか。

山田:
「10秒間、目を開けていられるかどうか」です。

――10秒間ですか。ギリギリできるかできないか、というところかなと思ったんですが。

山田:
開けていられる人は正常、短い人はドライアイの可能性があります。ドライアイでは目の表面が乾きやすいので、まばたきを我慢できなくなってしまうのです。
ところで福島さんは、パソコンやスマートフォンを長い時間使用したあとに、ピントが合わないという経験をしたことはありませんか。

――そうですね、ちょっとぼやけて見えたりしたことはある気がします。

老眼とスマホ老眼

山田:
目は、オートフォーカスのカメラのように、焦点を自動で合わせる機能を持っています。この、調節する機能が年齢とともに衰えてくるのが「老眼」で、一般的に40代ぐらいから始まります。ところが、最近は20代、30代の若い人も増えていて、スマートフォンの使い過ぎで目のピントが固まってしまった状態です。これが「スマホ老眼」という症状となります。

――その、老眼のチェックはありますか。

山田:
腕を伸ばした状態で人さし指を見つめて、その人さし指をどんどん近づけてください。
人さし指の指紋がくっきりと見えなくなるところが、近くでピントの合う限界になります。

――人さし指を見つめて、その人さし指をどんどん近づけていきます。どんどん近づけて……。

山田:
はい。目から15㎝ぐらいまで見えました。この距離ならまだまだ大丈夫です。

――ああ、よかった。

山田:
30㎝以上ならば要注意。老眼の可能性があります。

アイフレイルに気をつけて

山田:
老眼という症状は皆さんもご存じかと思いますが、今、専門家の間では「アイフレイル」という言葉で注意を呼びかけています。

――アイフレイル、聞いたことなかったんですけれども。

山田:
「フレイル」とは、虚弱、体の衰えという意味で、加齢に伴い、身体のさまざまな機能が低下して、要介護になる前段階の状態と位置づけられています。アイフレイルは“目のフレイル”、年齢を重ねることによる目の衰え、機能低下を指す言葉です。アイフレイルをそのままにすると、目の問題だけでなく、健康寿命そのものを縮めるリスクがあります。

――そうしますと、老眼もアイフレイルに含まれるということでしょうか。

山田:
老眼も、その最初の症状の1つです。しかも、老眼が始まる時期は、緑内障や加齢黄斑変性など、失明につながる目の病気が生じてくる時期と重なっています。アイフレイルを自覚することで、重大な目の病気の早期発見に役立つことを願っています。

――では最後に、きょうのポイントをお願いします。

山田:
老眼は目の衰え、アイフレイルの第一歩。異常を感じたら一度、専門医へ受診を。


【放送】
2023/06/19 「マイあさ!」

放送を聴く
23/10/09まで

放送を聴く
23/10/09まで

[1]

この記事をシェアする

※別ウィンドウで開きます