「皮膚トラブルに注意!」③ ~紫外線対策は1年を通して~

23/09/27まで

健康ライフ

放送日:2023/05/31

#医療・健康#カラダのハナシ

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【出演者】
猪又:猪又直子さん(昭和大学 医学部 皮膚科学講座 主任教授)
聞き手:福島佑理 キャスター

紫外線、その種類は

――「紫外線」はどのような種類があるんでしょうか。

猪又:
私たちがふだん浴びている太陽光線は、波長によって「赤外線」「可視光線」「紫外線」に分けられます。
さらに、紫外線は「UVA」「UVB」「UVC」の3つに分けられますが、皮膚に影響があるのはUVAとUVBです。
UVAは、しわやたるみ、しみの原因になります。一方、UVBはしみの原因や、皮膚がんの原因になります。ちなみに、紫外線のうち95%がUVA、5%がUVBです。

――紫外線は1年を通して対策が必要なんでしょうか。

猪又:
UVA、UVBとも1年を通して降り注いでいるので必要なんです。紫外線量は春先から急に増え始め、5月~6月にはUVAは真夏と同じで、UVBも真夏の8割。9月からはUVA、UVB共に大きく減少しますが、UVAは冬でも夏の半分はあります。
さらに、UVAは雲や家のガラスも通るので、対策は必須です。
お天気によっても紫外線量は変わります。気象庁がホームページなどで出す「紫外線情報(分布図)」などを参考にして気をつけたほうがよいと思います。

紫外線、防ぐ対策は

――紫外線を防ぐ対策、どのようなものがありますか。

猪又:
紫外線を防ぐには、「日焼け止め」を使う習慣をつけましょう。日焼け止めは「PA分類」と「SPF値」の2つの表示があります。肌の奥深くまで届いて、しわの原因となるUVAを防ぐ効果の目安であるのがPA分類、SPFはUVBをブロックする数値ということになります。紫外線量やシーンに応じて使い分けましょう。

――どう使い分けたらいいですか。

猪又:
屋内中心の生活でしたら、SPFが「10」から「20」程度、PAは「+」から「++」ぐらいでよいと思います。

――では、ドライブですとか少し屋外に出る場合はどうでしょうか。

猪又:
そうしますと、もう少し数値の高いものになります。例えば、SPFですと「20」から「40」程度、PAでは「+++」ぐらいがよいかと思います。
ただし、海水浴やスキーなどのように、紫外線をたくさん、長時間浴びるような場合でしたら、SPFが「50」または「50+」、PAであれば「++++」がよいと思います。

――では、どのくらいの量をどう塗ればいいのか、教えていただけますか。

猪又:
例えば、お顔であれば、よく洗顔して保湿したあとに、クリームタイプですとパール粒大2個分ぐらいをお顔の部分部分に乗せ分けて、そして、やさしく“らせん”を描くようにのばしていくといいです。
ローションタイプでしたら、100円玉程度の大きさを2個分ぐらい塗るといいと思います。

――では実際にやってみますね。今、手元にクリームタイプのものがありますので、パール粒2つ分ですね。……結構多いですね。

猪又:
そうですね。

――これを顔に、部分部分に置いていく。

猪又:
はい。まず、おでこ、お鼻、ほほ、あごなどに分けていきます。

――おでこ、ほほ、鼻、あごにのせました。

猪又:
そして、優しくらせん状にのばしていきます。

――はい。結構、量は多いですね。

猪又:
そうですね。

――気を付けるところはありますか。

猪又:
特に、お顔でも紫外線がたくさん当たりやすい少し出っ張った部分、おでこやほほ、鼻、あごなどは重ねづけすると、より紫外線予防効果があるというふうにいわれています。
また、全体によくのばしているようでも、塗り忘れやすいのがあご、耳、首、そして、お洋服では少し隠れないような肩、などがあるんですね。なので、そういうところにも塗り忘れがないか注意していただくとよいと思います。

――では、この日焼け止め以外の対策についても教えていただけますか。

猪又:
UVカット効果のあるカーディガンなどを羽織っても、紫外線を浴びる量を減らす効果があります。
紫外線防止効果のあるサングラスをかけることもおすすめです。紫外線は目にも影響して、白内障の原因にもなります。
つばの広い帽子をかぶるのも、日傘を差すのも効果的です。日陰を歩くのもよいと思います。

――では最後に、きょうのポイントをお願いします。

猪又:
紫外線は、1年を通して対策をしましょう。


【放送】
2023/05/31 「マイあさ!」

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23/09/27まで

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