音楽クリエイターのヒャダインさんが、最新の音楽情報を紹介する<ヒャダインの音楽室>。今回は椎名林檎さんが書き下ろした高畑充希さんの楽曲と、日本の歌謡曲ならではの切ない要素を取り入れている作曲家の和泉常寛です。
6月の注目曲 高畑充希「青春の続き」
こちらの楽曲は昨年、椎名林檎さんが高畑充希さん主演の舞台『宝飾時計』のテーマ曲として書き下ろし、発表された楽曲です。
先日、椎名林檎さんのコンサートを見たんですが、その中でこちらの「青春の続き」をセルフカバーされていたんですね。恥ずかしながら私、こちらの曲を知らなくて、「なんていい曲なんだろう」と感動して、家帰って調べたら、「高畑充希さんの曲なんだ」と思って、高畑充希さんバージョンを聴いたら、これはこれで美しくて。椎名林檎さんの楽曲ってかなり特徴的ですし、特にボーカルスタイルが独特なので、歌いこなせなかったりするのですが、高畑充希さんはミュージカル畑なので、彼女のものにされているんですよね。歌の中で椎名林檎さんみを感じたりはするのですが、後半に行けば行くほど、すごい集中力で小さいところから大きいところまで表現されていて。高畑さんはどんどんどんどん表現力がすごくなっていて、大竹しのぶさんのような日本を代表する女優さんになるんだろうな、歌えて演技もできて、すばらしい女優さんになるんだろうなと思った一方、歌詞もすばらしくて。「ねえ お願い 会いたいです 『己自身のため生きるだけってもうしんどいの 期待も落胆も知れている』溜め込んだ愛は過飽和中」という。己自身のために生きるだけってしんどいって、私もわかるなと思って。猫ちゃんにいっぱい高めのエサを買っております。むなしい(笑)。
5月の気になる人 菊池桃子
♪「愛は心の仕事です」/ラ・ムー
ラ・ムーは菊池桃子さんがボーカルを務めるバンドなんですが、かっこいいでしょう? さて、こちらを作曲されました和泉常寛さんは、カルロス・トシキ&オメガトライブのほとんどの楽曲を手がけ、大場久美子さん、酒井法子さん、早見優さんなど70年代~80年代にかけて、アイドルに多くの楽曲を提供してきた作曲家さんです。
和泉さんの曲を聴いていると、かっこいい中に必ず切ない要素が入ってくるんですね。胸がキュッと締めつけられるような要素が入っていて、そこがやっぱり洋楽との違うところ、日本の歌謡曲ならではの切なさだなと思っていて。
最近、J-POPのここら辺の年代のものが、シティ・ポップスとして海外でとてもウケているのですが、今お届けしたラ・ムー「愛は心の仕事です」も取り上げられて有名になっている曲なんですね。皆さんにご提案したいのは、「作曲家聴き」ということで、この作曲家さんのほかの曲を聴いてみたらもっともっと世界が広がりますので、おすすめでございます。そして「この曲、前山田健一っていう人が作曲してるんだ」というのがありましたら、聴いていただければ。私、前山田って言うんですけど、うれしいなと思っております。
音楽室で待ってます。ヒャダインでした。
【放送】
2023/06/03 「マイあさ!」