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2020年7月27日(月)放送より

――ずばり体のニオイの正体とは何なのでしょうか。

関根さん: 体のニオイとは、皮膚から出ているガスのニオイです。人間の体は、口や鼻だけではなく、皮膚全体から絶えずガスを出しています。皮膚から出ているガスのニオイこそが、体のニオイの正体というわけです。

――人間の皮膚からガスが出ているのですか。いろんなニオイがありますよね。

関根さん: いろいろな種類がありますが、それぞれガスの発生源が違うんです。代表的な4つの体臭を紹介していきます。
1つ目は「加齢臭」です。加齢臭のニオイは皮膚の表面で作られているんです。皮膚の脂が変化して作られる「2-ノネナール」という成分がガスの正体です。

――2つ目はどんなニオイですか。

関根さん: 「中年男性臭」と呼ばれる、30代~50代の男性特有のニオイがあります。汗に含まれている「乳酸」という成分が、皮膚表面にいる菌によって分解されると「ジアセチル」という物質に変わり、使い古した油のようなニオイがします。

――3つ目はどんなニオイですか。

関根さん: 「汗臭」です。汗は本来無臭なんですが、汗の中の成分が徐々に皮膚にいる菌によって分解され、すっぱいニオイになってしまいます。

――4つ目のニオイは。

関根さん: 「疲労臭」といいます。ストレスなどが原因で血液中のアンモニアの量が増えると、アンモニアが皮膚からガスとしてしみ出してツーンと来るニオイになります。

――どうして体臭がきつい人と、そうでない人がいるのでしょうか。

関根さん: 体質や年齢の影響もありますが、生活習慣がニオイの強さと大きく関係しています。チェック項目を用意しました。
1つ目は「お酒をよく飲む」
お酒のアルコールは、体の中で「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。深酒してしまうと翌日も皮膚からアセトアルデヒドが放散されますので、いわゆる「お酒くさいニオイ」が出てしまうんです。また、肝臓が弱ると疲労臭の原因にもなります。ですから、お酒をいっぱい飲む方はニオイがきつくなりやすいんです。

――ニオイは口から出るだけではなく、皮膚からも出ているのですね。2つ目のチェック項目はどんなことでしょう。

関根さん: 「野菜よりも肉や魚をよく食べる」
野菜に比べると、肉や魚はたんぱく質が多く含まれています。これは体の中で消化されるときにアンモニアに変わるんです。これが疲労臭の原因になります。
また、中性脂肪が増えてしまうと、加齢臭や中年男性臭もきつくなると考えられています。野菜などと一緒にバランスのいい食事をすることが、体臭ケアにとっても大切なんです。

――3つ目のチェック項目は何でしょうか。

関根さん: 「心配性で緊張しやすい」です。
心配性で緊張しやすい方は、精神的なストレスを感じやすい方です。ストレスは疲労臭を強くする原因になります。

――意外なことが体のニオイの原因になっているのですね。ただ、自分では体臭はなかなか気付きません。

関根さん: ずっと嗅いでいるニオイは鼻が慣れてしまうために、自分の体臭はなかなか分からないんです。

――自分でチェックする方法はあるのですか。

関根さん: 肌着や枕カバーを使ってチェックする方法があります。
1日着たあとのTシャツや肌着、あるいはひと晩寝たあとの枕カバーをポリ袋に入れ、空気をちょっと入れて密封します。次に、外の新鮮な空気で大きく深呼吸して自分の鼻の嗅覚をリセットします。それからポリ袋を開けて中のニオイを嗅ぐと、自分の体臭がチェックできるんです。

――嗅いでみてニオイがきついと思ったら、体のニオイに気を付けないといけないのですね。

マイあさ! 健康ライフ「体のニオイとの上手な付き合い方②」

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2020年7月27日(月)放送より