島流しでもめげない?! 一流の歌人でもある後鳥羽上皇

22/10/18まで

ペリー式歴史さんぽ

放送日:2022/09/17

#歴史#文学#鎌倉#大河ドラマ#映画・ドラマ

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22/10/18まで

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コラムニスト・時代劇研究家のペリー荻野さんが、時代劇的視点で歴史上の人物とその人物を楽しむための“おさんぽ”プランをご案内。今回は<鎌倉殿の13人>にも登場する、後鳥羽上皇です。

【出演者】
ペリー荻野さん(コラムニスト・時代劇研究家)

意外と貴族の中では人気がなかった……?

――今回の主人公は、鎌倉時代、承久の乱を起こしたことで名高い後鳥羽上皇です。ペリーさん、気になる史実から参りましょう。

ペリー: 後鳥羽上皇は一流の歌人だったのが一番印象的かなって。かの『新古今和歌集』というのは、上皇が勅命によって作ったと言われていますし、鎌倉幕府3代の源実朝は、後鳥羽上皇にゆかりのある女性を妻にしていまして、上皇様の影響もあってか和歌に傾倒していくわけですね。

そうやって上皇はじわじわじわじわ鎌倉に影響力を持つようになっていくんですけど、よく考えるとこの後鳥羽上皇って、「日本一の大天狗(てんぐ)」と言われた策謀家・後白河法皇、西田敏行さんの顔が浮かんだ方もいると思うんですけど、そのお孫さんですね。だから、そういう影響を受けていたのかなとも思うんですが、後鳥羽上皇は実朝さんが暗殺されたあと、ついに「幕府を打倒する」と言って挙兵して承久の乱を起こすんです。後鳥羽上皇は乱を起こすんですけど、鎌倉幕府軍の圧勝に終わってしまうんですよ。いま<鎌倉殿の13人>を観ている方は「先を言うな!」という話かもしれないですけど(笑)。
でも実際は、後鳥羽上皇が一緒に来てくるかなと思っていた貴族があんまり参加してなかったと。意外と上皇様は人気なかったのかなというのも、ちょっと気になりますよね。

しかも後鳥羽上皇様は隠岐に島流しになるんですけど、流されたあとも『新古今和歌集』の改訂もやったということで、意外とめげてないのかな、というところもおもしろい方だなと思っています。

――歌があったから誇りを保てていたのかもしれません。

ペリー: すばらしい。そういう解釈だったんですね。

遊びながらも策謀する尾上松也、不敵な笑みを浮かべる尾上辰之助

――これまで時代劇にはどんな後鳥羽上皇が登場したでしょうか? ペリーさん思い出の上皇をお願いします。

ペリー: 思い出って、何を言ってるんですか! いまちょうど<鎌倉殿の13人>で尾上松也さんが大熱演しています! 思い出にしちゃダメですよ!

――思い出にしちゃいました。現在進行形でした!

ペリー: アイエヌジーですから。後鳥羽上皇なう。
何を隠そう私はですね、<鎌倉殿の13人>の解説ムック本も担当しておりますから、じっくり観ながらじっくり先読みしながらやってるんですけど、尾上松也さんがやってる上皇様は、出てきたときから感じが悪い(笑)。「鎌倉幕府をやってる武士たちは田舎の人たちじゃないの?」みたいな感じの目線で、ちょっと感じ悪いんですけれども、都の高貴な方から見たらそうなのかなという気もします。でも、上皇様は都におつかいに来た北条の方にはいい顔するんです。外面はいいんです。ぶっちゃけお腹の中では「北条家大嫌い」っていう話で。

注目してほしいんですけど、ゲームみたいなことをいつもやっているんですね。貝合わせをやっていたりして、昔のゲーム小僧的なことを。小僧じゃないけど(笑)、そういうお遊びもやりながらいろいろ策謀するというね。おじいさまの後白河様の影響かなという、あれも作戦ですから。そういうところもぜひ見て欲しい。まだ思い出ではございません!

思い出をひとつリクエストにお答えするのであれば、1979年の大河ドラマ<草燃える>がありましたけど、このときは先代の尾上辰之助さんが後鳥羽上皇をおやりになっている。このとき、対立する北条義時は松平健さんがやっていたんですが、松平健さんの義時は「上皇に負けないぞ」という顔をされているんですけど、後鳥羽上皇の辰之助さんは「余裕でやっつけられるよ」みたいな不敵な笑みを浮かべるんですね。和歌に通じた才人というイメージを醸し出していらっしゃいまして。なかなかかっこよかったですよ。

鎌倉殿の13人

日曜日 総合 午後8時/BSP BS4K 午後6時

詳しくはこちら

今後、後鳥羽上皇をオファーするなら……?

――今後の後鳥羽上皇を一緒に想像しましょう。ペリーさんなら誰に依頼なさいますか?

ペリー: 私パッと思い浮かんだんです。よくぞ聞いてくれたという感じで。芥川賞作家の羽田圭介さん。NHKラジオでご一緒したこともあるんですけど、大変マイペースですごくご自分の主張もしっかりある方で、文才はもちろんテレビ出演も多数されてますよね。頼めば白塗りやってくれそうだなという気もするし、烏帽子(えぼし)も似合いそう。何かそういう雰囲気ありませんか?

――あります。ビジュアルが違和感なくハマるというのは、重要なことですよね。

ペリー: そうです。そうですとも。

――もちろんお歌もスラスラと読めることでしょうし。

ペリー: そうですよね。オリジナル和歌をいまから『新古今和歌集』に入れてもいい! 怒られるけど(笑)。

――最後に後鳥羽上皇スポットの紹介です。上皇を感じるには、どこをお散歩しますか?

ペリー: 上皇様が19年間過ごしたという、島根県の隠岐郡海士町があります。「後鳥羽上皇行在所跡」。行在所というのは、高貴な方がここにいらっしゃったということなんですけど、ここで晩年、上皇様が見つめた景色を見てみたいなという感じがしますね。

――およそ800年前に上皇が見た景色です。


【放送】
2022/09/17 「ペリー式歴史さんぽ」 ペリー荻野さん(コラムニスト・時代劇研究家)

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