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――枕が原因で起こる不調というと寝違えなどを想像するのですが、どういったものがあるのでしょうか。

山田さん: 寝違えも枕が原因の1つではありますが、枕が体に合っていないと、朝起きたときや明け方に次のような症状を感じる場合があります。チェックをしてみましょう。
  • 朝、起き抜けに肩こりがある
  • 朝から頭痛がすることがある
  • 朝、起きたときに疲労感がある

1つ以上当てはまる場合は、枕の見直しをおすすめします。

――肩こりも枕が原因なのですか。

山田さん: 枕が原因で起こることもあります。すべてとは言えませんが、非常に大きく関係していると思います。
枕の大事な要素は、首の角度を正しく保つことです。首の骨は、前に緩やかな湾曲・カーブを描いておりますので、枕は首に負担がかからないよう、サポートしなければなりません。
枕が合っていないと首が不自然な角度になって、首まわりの筋肉が緊張して神経を圧迫することがあります。これが肩こりの原因となり、首筋や肩の後ろ、肩甲骨の周囲に痛みを感じるようになるんです。

――肩こりだけではなく、頭痛も枕が影響するというのは驚きです。

山田さん: 実際に診療にいらっしゃる患者様の大半は、肩こりや頭痛を訴えているんです。
頭痛の場合、ズキズキとした痛みやキリキリとした痛み、いろいろありますが、首が原因で発症する頸性(けいせい)頭痛を引き起こしている可能性も考えられます。頸性頭痛は、首の姿勢や首の病気、首にかかる負担によって起こります。枕による首への負担でも起こりえる頭痛で、枕を換えることで改善する可能性があるんです。
ただし、いつもと違う痛みや我慢できない痛みが生じたときには、頭の中のくも膜下出血などの兆候も考えられるので、迷わずに脳外科を受診してください。

――「朝、起きたときに疲労感がある」についてはどうでしょうか。

山田さん: 疲労感がある場合、熟睡ができていない可能性があると考えられます。その原因には、枕が合っていなくて寝返りがスムーズに打ちづらくなっていることも考えられます。

――寝返りはそんなに大事なのですか。

山田さん: 寝返りは生理現象で、とても重要です。血液・リンパ液・関節液の循環を促す役割があります。疲労回復や免疫向上のための重要な生体現象です。
人は寝返りを自然に打とうとするのですが、枕が適切な高さでないとうまく打てなくて睡眠が中断されて、熟睡することができません。

――寝返りは、寝心地のいい場所や寝やすい姿勢を探して動いていると思っていましたが、そうではないのですね。

山田さん: 皆さんよく間違えるんですが、寝返りと「寝苦しくて動く」のは、違うことなんです。
正しい寝返りは、体の軸の背骨を中心に、右から左、左から右へと転がる行為です。これに対して、寝苦しくて動くのは別のことで、枕が合っていなくて体にストレスがかかっているため、それを解消するようにムズムズ動いたり、楽な姿勢を探している状態と考えられます。

――枕が原因となる体の不調を教えていただきましたが、枕の大事なポイントは何でしょうか。

山田さん: 枕の大事なポイントは、首の角度を正しく保つこと。そして、スムーズな寝返りが打てることです。
この2つができる適切な高さの枕で寝る姿勢を、私は正しい睡眠姿勢と呼んでいます。

――「睡眠姿勢」は初めて聞きました。立っているときや座っているときに姿勢をよくしようと意識することはありますが、寝るときの姿勢も大切なのですか。

山田さん: 日中の基本姿勢では、常に頭の重さや首を体幹が支えていなければなりません。だからこそ、夜寝るときは、体に負担をかけない睡眠姿勢をとって休ませてあげることが大事ですよね。
首まわりに違和感があれば、ぜひ正しい枕をととのえましょう。

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