外反母趾(ぼし)の事実

21/06/30まで

健康ライフ

放送日:2021/03/10

#医療・健康#新しい生活様式#エクササイズ#カラダのハナシ

ざっくりいうと

  • 足のクリニック表参道院長 桑原靖さん
  • 外反母趾は早く気づいて進行を抑えましょう
  • 2021/03/10 マイあさ! 健康ライフ「足の悩み ③」

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外反母趾の症状と原因

――外反母趾は、どういう状態のことをいうのでしょうか。

桑原さん: 健康な足は、親指の爪がまっすぐ前を向いていて関節も曲がっていませんが、外反母趾になると、親指の付け根が小指側、内側に「く」の字に曲がります。
今は曲がっていなくても、親指の爪が人さし指側に向いて、親指の側面・横側にタコができていれば外反母趾予備群と考えられます。

――外反母趾になる人は、どれぐらいいるのでしょうか。

桑原さん: 日本では、女性の5人に1人が外反母趾および予備群といわれていて、私のクリニックを受診される患者さんの中でも最も多いトラブルになります。
男性の患者さんもいらっしゃいますが、圧倒的に多いのは女性です。なぜかというと、もともと女性は骨が弱く、骨格がきゃしゃなんです。

――ハイヒールを履くことが外反母趾の原因になる、と聞いたこともあります。

桑原さん: それは間違いです。ハイヒールは外反母趾を助長する要素の1つではありますが、直接の原因というわけではありません。

――では、何が原因ですか。

桑原さん: 外反母趾の原因は、「そうなるであろう足の骨格構造」の遺伝なんです。靴など、ほかの要因はそれを助長しているに過ぎません。大前提として外反母趾になりうる骨格構造をしていれば、どうしたって自然に外反母趾になってしまいますし、なりえない骨格構造の方は外反母趾にはなりません。
つまり、親が外反母趾であれば子どもも外反母趾になる可能性が高いといえます。早い場合は、子どものときから症状が出ていることもあるので注意が必要です。

――外反母趾になると、どういう症状が出てきますか。

桑原さん: 結果として外反母趾になっているだけなんですね。親指の病気と捉えるとなかなか難しいんですけれど、足の骨格構造が崩れた結果、親指が曲がっていくと考えてください。
外反母趾は、初期には親指の付け根が徐々に出っ張ってきて、赤く腫れてひどく痛みます。そして、進行して関節が脱臼してしまうと、親指自体はほとんど痛みがなくなってしまうんですけど、その代わり今度は隣の指に負担がかかって痛くなり、場合によっては脱臼してしまったりする。そうなってしまうと足の変形が激しくて靴を履くことも困難になってしまうんです。

外反母趾の症状を抑えるにはインソール

――どう対処したらいいのでしょうか。

桑原さん: 予防としては、足に負担をかけない靴を選ぶことが非常に大切です。
また、冒頭でお話ししたように、外反母趾予備群の人や初期の外反母趾の人であれば、インソールなどを使って潰れた足のアーチを支えることで、痛みが出なくなったり進行も予防できます。

――インソール・中敷きにはさまざまなタイプのものがありますが、選ぶときのポイントはありますか。

桑原さん: 必ず試着して足に合うものを選びましょう。試着できる靴屋さんやスポーツショップに売られているようなものですね。自分に合うインソールが分からないときは、専門家に選んでもらったり、整形外科や足の専門の医療機関を受診してみてください。
外反母趾の治療にオーダーメードで作る方法もありますので、ぜひ相談してもらうといいと思います。
治療用インソールは、潰れた足のアーチを下から立体曲面として補正するために、体重に負けないような硬い素材で作られているんです。
それから、外反母趾の進行を遅らせるソックスも多く開発されておりまして、つい最近発売されたばかりですので、ご利用いただいてみるとよろしいかと思います。

――靴下があるのですね。自分に合うものを選んで上手に使っていきたいですよね。
インソールは、靴のタイプによって変える必要があるのですか。

桑原さん: いろんな考え方があるんですけれど、私たちが作成する場合は、足のアーチの部分だけを捉えてコンパクトに作って、どんな靴にでも入るようにします。ですので、基本的には1つのものをいろんな靴に入れ替えて使用します。
インソールは、足への負担が少ないフラットなタイプの靴に合わせて作ります。これは「基本的に」という意味で、たとえば結婚式や仕事上でどうしてもヒールの靴を履きたい場合は、使わなくて結構です。
必要に応じて履き替えて使うことが大切ですね。通勤や買い物などのときは、インソール付きのフラットシューズを履くなど、上手に使い分けることが大切です。

――外反母趾は、根本的に治すことはできるのでしょうか。

桑原さん: 初期であれば、インソールや靴で負担を減らしながら、テーピングやサポーター、矯正用靴下などで改善が見込めます。ただ、外反母趾はそもそも骨格構造の問題ですので、生涯続けていく必要があります。
また、進行した外反母趾は、関節が脱臼して周囲の組織も不可逆的な変化を起こしてしまっているために、手術以外の方法で改善することはありえません。手術は、もちろん執刀医の考え方にもよるんですけれど、私が手術する場合は3泊4日で両足同時に骨を切る「骨切り矯正」という手術を行って、退院のときには松葉づえなどを使用することなく帰宅していただいております。

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