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2020年7月29日(水)放送より

関根さん: 「中年男性臭」は、特に30代~50代の働き盛りの男性に特有のニオイです。この年代の男性は気を付けたいところだと思います。ちなみに、加齢臭と違い、中年男性臭は60代を過ぎるとだんだんしなくなります。

――中年男性臭は、そもそもどんなニオイなのですか。

関根さん: ニオイのサンプルをお送りしましたので、まずは嗅いでみてください。

――小さな瓶に入っています。ふたを開けてみます。何だろう……、確かにこれは「パパ、臭い!」と言われそうなニオイですが、前回の加齢臭とも違いますね。満員電車の中で嗅いだことのあるようなニオイかもしれません。
この中年男性臭、何が原因ですか。

関根さん: 中年男性臭は、汗と一緒に出る「乳酸」という物質を皮膚表面にいる菌が分解したときに出る「ジアセチル」がニオイの成分のもとになっています。乳酸は筋肉を使うとより多く分泌されます。中年男性は特によく汗をかきますので、「中年男性臭」といわれているんです。

――実際のニオイはどれぐらい強いものですか。

関根さん: 換気がきちんとできている場所でも、大体25センチ以内に近づくと感じてしまうニオイです。例えば、オフィスで同僚が後ろを通り過ぎるときに、ニオイがしてしまうことがあります。また、寝室など換気があまりよくないところですと部屋にこのニオイが充満してしまいますので、娘さんから「パパの部屋は臭い」と言われてしまうんです。
でも、中年男性臭はきちんと対策すればかなり抑えることができます。

――ぜひその対策法を教えてください。

関根さん: 中年男性臭のニオイ成分、ジアセチルが発生している時間帯を調べたところ、よく出る時間が1日のうちに2回ありました。どんな時間帯だと思いますか。

――1回は朝、通勤電車に乗っているとき。そして、仕事を終えて疲れて家に帰ってきたとき、でしょうか。

関根さん: はい、答えは、朝と夕方です。
夕方は、より正確に言いますと、午後4~5時の間がジアセチルの発生量が多いんです。1日活動してかいた汗から発生していると考えられます。
朝は6~7時の間です。ちょうど目覚めるくらいの時間に汗の量が増えてくるんです。寝ている間にかいた汗からも、夕方と同じくらいの量のジアセチルが発生しているんです。

――朝起きて、すでににおっていることもあるのですね。

関根さん: ですから私は、夜だけではなく、朝出かける前にもシャワーを浴びて、ニオイの対策をするようにしています。ジアセチルは、朝にシャワーを浴びることで3分の1にまで減らせることが実験で分かっています。

――シャワーを浴びるときのポイントはありますか。

関根さん: きちんと頭も洗うことです。ジアセチルは、特に後頭部から多く発生することが分かっています。髪の毛にも付着していますが、頭皮で発生していますので、頭皮をきちんと洗い流すことが大事です。

――ニオイの原因は、汗と一緒に出てくる乳酸ですよね。特に暑い時期は何もしなくても汗をかいてしまいますが、汗の拭き方にポイントはありますか。

関根さん: 汗はかいたらこまめに拭くことが大事です。ただし、汗は体温調節のために出ているものです。乾いたハンカチなどで拭いてしまうと、よけいに汗が出てきてしまうことがあります。もしハンカチを使う場合には、ぬらして使ったほうがいいです。また、市販の汗拭きシートも便利だと思います。
体の熱をきちんと発散させて汗が引くようにしてやることが大切です。特に顔や首筋の汗は、放っておかずにこまめに拭きましょう。

――よくレストランなどで、出されたおしぼりで顔を拭いているおじさんがいます。

関根さん: 実はこれ、体臭ケアとしてはとても有効です。

マイあさ! 健康ライフ「体のニオイとの上手な付き合い方②」

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2020年7月29日(水)放送より