おおたにひであきくん(小学2年生・東京都)からの質問に、「科学」の藤田貢崇先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)
【出演者】
藤田先生:藤田貢崇先生(法政大学教授)
ひであきくん:質問者
――お名前を教えてください。
ひであきくん:
ひであきです。
――どんな質問ですか?
ひであきくん:
ものを燃やすと、なぜものは小さくなるんですか?
――ひであきくんは、何かものを燃やしたり、それを見たりしたことがあるんですか?
ひであきくん:
テレビで、ゴミ収集車がものを燃やす施設にゴミを運んで、そのあとに小さい黒い物体があったからです。
――テレビで見たんですねぇ。では藤田先生、お願いします。
藤田先生:
はい。ひであきくん、こんにちは。
ひであきくん:
こんにちは。
藤田先生:
「ものを燃やすと小さくなってしまうのはなぜでしょう?」という質問ですが、ひであきくんはテレビで、ゴミ焼却炉で燃やされたものが小さくなっているのを見たということですね。
ひであきくん:
はい。
藤田先生:
どうしてなのかを説明すると、もの、特にゴミの場合、その中にすごくたくさん含まれているものがあるんです。それは何か、想像つきます?
ひであきくん:
……。
藤田先生:
小学校2年生ですよね。ちょっと気がつかないと思いますけれども、実はゴミの中には水分がものすごく多く含まれているんです。「水分」というのは水ですね。水が含まれているの、わかります?
ひであきくん:
うん。
藤田先生:
おうちで「生ゴミ」と言われているのはどういうものか、知っていますか?
ひであきくん:
例えば、食べ終わった魚の骨とか。
藤田先生:
そうですね。あと調理の過程、食事のしたくをする過程で出る野菜の皮とか、そういうものをまとめて、生ゴミというんですけど、そのだいたい80%が水だと言われています。これは重さで、ということですけれども、例えば10kgの生ゴミがあったら、そのうち8kgは水だということです。そうとう水ですよね。ほとんど水と言ってもいいくらいですよね。
ひであきくん:
うん。
藤田先生:
他に、生ゴミじゃない「燃やせるゴミ」、自治体によって言い方は違うんですけど、そのだいたい40%ぐらいが水だと言われています。それで、ものを燃やすと温度が上がりますよね。
ひであきくん:
うん。
藤田先生:
水は温度を上げていくと水蒸気という気体になっていきます。そしたら、水はどんどん減っていきますよね。
ひであきくん:
うん。
藤田先生:
それでゴミの大きさも減っていって、ゴミが小さくなります。まずこれが1つ。たぶんこれが一番大きい原因と言って間違いないと思いますが、水がまずゴミからなくなっていくということです。それともう1つは、さっき別の質問のところで「有機物」とか「無機物」という話をしたんですが、日常生活で使うかなり多くのものの中には、炭素というものが入っています。「炭素」は聞いたこと、ありますか?
ひであきくん:
いいえ。
藤田先生:
「二酸化炭素」という言葉は知っていますか?
ひであきくん:
確か……。
藤田先生:
なんか聞いたことあるような気がする?
ひであきくん:
うん。
藤田先生:
二酸化炭素はどういうときによく聞くかというと、たぶん「地球温暖化」ということですごく問題になっていると思うんですけれど、ものの中には炭素が含まれていて、炭素を燃やすと、その一部は二酸化炭素になって地球上の空気の中に出ていっちゃうんです。それで炭素はなくなっていくんです。燃え残った金属の部分とか、あるいは十分に燃えなかった炭素が黒いこげみたいなススになって残るんですが、それがゴミを燃やしたあとの小さなものというふうになって、それで小さくなるんです。
ものを燃やすと小さくなるのはどうしてかというと、まず、水が抜けて水蒸気になってしまうから。水はゴミのおよそ半分くらいをしめているものだから、それでまず小さくなる。そして、ゴミに含まれている炭素が二酸化炭素になって出ていってしまうから、それでさらに小さくなるということだと思います。いいですか?
ひであきくん:
はい。
――ものには水分とか炭素というものが含まれていて、燃やすことでそれが出ていって、ゴミ全体が小さくなるということですね。ひであきくん、テレビを見て「どうしてだろう?」と思って、質問してくださったんですね。
ひであきくん:
はい。
――ひであきくん、またぜひ質問を送ってみてください。質問をしてくれてありがとうございました。
ひであきくん:
ありがとうございました。
――さようなら。
ひであきくん:
さよなら~。
藤田先生:
さよなら~。
【放送】
2023/09/10 「子ども科学電話相談」